遭難、整形、税務官
僕は十年前に遭難した事になっている。
だから、整形もしてる。
その昔、税務官をしていて、ある組織の秘密を知り、追われていた。
戻ってくるべきではない。それは判っていた。
今さら…。
僕の感傷以外には何もないのだから…。
だから、彼女が新しい生活を始めている事を確認したら去ろう、永遠に。
そう考えていた。
虚ろな瞳の彼女と目が合った、その次の瞬間だった。
「あなた!」
今は二人で逃亡生活だ。
けど、彼女の瞳は輝いている。
うーん。ご都合主義の権化みたいなお話です。ある組織の秘密を知ってしまって追われている彼は、彼女にも知らせることが出来ない内に逃亡せざるを得なかった。彼女を巻き込むことを考えれば、彼女に知らせることも出来なかった。そうして始まった逃亡生活。死んだことになっているはずだし、もう、戻っても見つからないかも…。そう思い、一瞬だけでいいから、彼女が無事なこと。自分以外の幸せを見つけて、新しい人生を始めている事を確認しよう。そうすれば、自分の想いは封印できる。そして、この街を訪れる事はもうないだろう。その決意をするため、そう考えて、彼女と暮らした街に舞い戻った彼。そして、街中で偶然に出会ってしまう。整形しているはずなのに、十年も経っているのに、一瞬で自分を見抜いた彼女。運命は優しく残酷だった。結局、彼女と一緒に街を去るしか出来なかった。お互いの存在を確認してしまった以上、もう離れる事は出来なかった。当てはないけど、でも、彼女と一緒にいる事が出来る、それは嬉しい。彼女もそう感じてくれている、それだけが拠所。
ああああ。こんな長ったらしい解説を書きたくなる200文字っていったい…。ぐあ!