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一話
ハンバーガーショップのドライブスルーでハンバーガーを頼んでる、東京夢TAXIの運転手、
時野運命。(ときのさだめ)
「あ、やっぱりテリヤキバーガーセットで、ポテト塩多めね」
「お飲み物は?」
「ダイエットコーラ」
「前へお進みください」
「はいよー」
相変わらずアフロヘアーに細い眉毛。パンチがある。
知らない人はまずTAXIの運転手だと思わないだろう。
この日も夢追う人の元へ向かっていた。
相変わらず見た目は普通のTAXI。
運転手はポテトを食べながら運転している。
指に付いた塩を舐める。
その頃。
ずっとメロディーを聴きながら、歌詞を考えている黒田政宗34歳。
黒田は曲を作っては都内のレコード会社にデモを送る日々。
しかし現実は甘くない。
レコード会社からそう簡単に連絡なんかもらえないのが現実だ。
黒田は最近自分には才能がない、田舎に帰ろうかな?という考えも持つようになっている。
しかし毎日深夜2時を過ぎても頑張る姿は、まだ諦めてない証なのかも知れない。
それに作っている曲の数もすごい。
3日に一曲はアレンジまでできている。
なかなかの物だ。