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~ラストスカイ~  作者: たっくん
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第九話「考え」

気がつくと雪娘が帰る手前だった。

「待って!」

僕が叫んで引き止める。

「え?」

「…今、戻ってきたばっかなんだ。…じつは。」

さっきあったことを全て話した。

「…なるほどね。妹さんか…。それは助けたい気持ちは分かる。私も手伝う。」

そして一緒に家に帰ることになった。雪娘は家の人に友達の家に泊まりに行くと言った。

「おかえり〜ってあれ?誰?」

「初めまして。」

「この人は…」

「あ!分かった!!」

とてもにっこりと笑いながら

「彼女さんかー!」

「ち、違うって!」

そう言った時、雪娘が少し吹き出して笑っていた。

それを見てなんだか心が安心したような気がした。なんでなのかは分からないけど。

夜になり、雪娘を僕のベッドで寝かせ、僕は床で寝た。

そして早朝。

「ねー、ねえ、起きて。」

「ん?」

起きると雪娘がもう既に起きていた。

「もう出て行くみたい。」

ドアの隙間から階段下を見ると萌守は靴を履いていた。

今の時間は丁度8:00。

家を出る萌守の後をこっそり陰に隠れて付いて行く。

「にしても…朝こんな早くからどこになんのために行くんだ?」

普通、萌守がこんな早くに家を出ることはないからこそ謎だった。

「…?」

雪娘が後ろの方をチラッと見る。

「行くぞ?ん?何かあるのか?」

だが特に何も無かった。

「ごめん、気のせいだったや。」

「そっか。」

続けて僕と雪娘は後ろからこっそり萌守を追った。

コトッという音が後ろからして雪娘だけがその音に反応した。

「?!誰かいる…!」

「え?」

雪娘に腕を引かれて止まってしまう。

その瞬間、ドカッという音が後ろでした。

「え…?」

なんとか僕と雪娘は無事だったが、結局、萌守は交通事故に遭ってしまっていた。

「あ…ごめん…!」

「っ。もう一度…!」

雪娘の手を引いて路地裏に隠れて提案した。

それぞれ2人で過去に行くことにした。

気がつくと僕は床で寝ていた。

ベッドを見てみると雪娘がスヤスヤと寝ていた。

僕はコソリと部屋を抜け出して萌守の部屋へ入った。

「…なんであんな朝から?」

机を見てみるとペンと千切られたノートがあった。そしてカレンダーには26日に花丸があった。

「26日…?」

何があったか思い出せない。

ただ分かることがあるのはこの26日、事故の起きる日に何か大事なことがあってどこか行こうとしたが轢かれた。

「…この千切られた紙が見つかれば早いんだろうけど、流石に持ったままだよな…。」

探そうとして起こしてしまうのも申し訳ないと思って他を見てみることにした。

「ん?」

ベッドの下に何か挟まっていた。

それは5000円だった。

「なんで5000円がこんなとこに?」

…助け出すことが成功したら渡してあげようと思いポケットにしまった。

「何、女子の部屋に勝手に忍び込んでんの。」

「っ!!」

大声を出しそうになりなんとか口を塞ぐ。

「…んだよ、寝てたんじゃないのか?」

雪娘が後ろで腕組みしていた。

「いや、ちゃんと戻ってきたのよ。」

「あぁ、そうか。」

「てか、その5000円は?」

雪娘は持っているお札に指を差した。

「これはさっきベッドの下で見つけたんだ。」

「返さないの?」

「返すけど手がかりになりそうだから。」

凄く疑いの目を雪娘が向けていたがスルーして探索をまだ続ける。

「普通は女の子の部屋は兄でも探っちゃダメなんだよ。分かる?」

呆れた顔をしながら僕にそう言うがため息を僕はついた。

「死ぬか探られるかどっちがマシだよ?」

ということで探すことを続行する。

机の引き出しを開けるとチラシが入っていた。

「何?そのチラシ。」

見てみるとそれはケーキ特売のチラシだった。

『超高級ケーキが26日なら8:30から5000円!』

というなんとも胡散臭いような言葉が並べられていた。

「多分、これに朝行ったんだろう。」

その途中で…。

「まず、あのトラックをなんとかしないとね。」

「そうだなぁ…。」

そして考えている間もなく朝になり、萌守の後ろを付けていく。

また後ろに気配を感じて振り返って見てみる。

「またか?」

「うん。」

しかし、何もいない。ただの気のせいなのか違うのか、それは分からないまま、もうすぐ例の交差点に着くところだった。

その交差点より少し手前からトラックの来る方向へ向かいトラックに向かって両手を広げて止めようとしたが、トラックは右に大きく曲がったあとに左に大きく曲がったが、支えきれずに後ろの荷物を入れている車体が倒れてしまい、萌守の体全体を押し潰してしまった。

今度は最悪な形で萌守を失ってしまった。

何をどうやってもダメなのか?と思い諦めかけていた時だった。

「そうだ、いい方法がある!」

雪娘が僕の服を引っ張り耳を傾けさせる。

「…!それ、絶対成功するじゃん!」

この時の2人は最高にハイテンションだった。

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