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~ラストスカイ~  作者: たっくん
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第七話「思わぬ犠牲者」

大きな爆発と同時に大勢の客が悲鳴をあげて大急ぎで逃げ惑う。

「おい、逃げるぞ!」

正憲に腕を引っ張られるが僕は動かなかった。

「おいって!」

「なぁ、あそこってさ…。龍哉が行ったトイレだよな。」

「…あ、そういえば…。」

最悪な事態が起きてるのが分かる。

そしてその最悪なのはまだ続いていることだった。

「美奈ー!!!」

女の子の叫び声がした。

走っていくと爆発の起きたトイレのすぐ隣のショップだった。かなり激しく燃えていた。

そのショップの前で膝をついて泣いてるゆかと唖然と見つめる雪娘、そして気絶してる子どもの姿があった。

「何があった?!」

雪娘に聞くとゆっくりと口が開いて

「…美奈先輩が…。子どもを守ろうとして…。」

それを聞いてなぜか自分の中の大事な何かが壊れた気がした。

美奈に何の思いも今は思ってないはずなのに。

これが…前の記憶の本能なのかもしれない。

思わず僕は走り出してポケットに入れっぱなしだったお守りを自然と手に握っていた。

(お願い、もう一度僕を…!戻してくれ…!!大切な人を救いたいんだ…!!)

そこで僕はまた意識が途切れた。

目が覚めると電車の座席に座っていた。

「ねえ、行ったらどこ行く?!」

ゆかが元気に皆に問う。

「そりゃジェットコースターだろ!」

正憲がハイテンションに答える。

「えー、まずはコーヒーカップじゃない?」

美奈だ。美奈が生きてる…。

そう思えただけでホッと安心することが出来た。でもこの悲劇を二度と生まないためにここに居るから注意を払うことにした。

そして探検推理アドベンチャーゲームを終えジェットコースターに乗った後にベンチに座っていた龍哉の隣に正憲が座り込んだ。

「酔った…。」

「じゃー、私たちは買い物行こっか~。」

「あ、僕も行く。」

サッと名乗り出た。

まずはこの悲劇を変えなくては…。

そして僕らは買い物しにショップの中へ入った。

…待てよ、よくよく考えたら最終的に爆発するのはトイレなわけで…。

その爆弾を何とかしようとトイレへ駆け込む。

「…?」

しかし爆弾らしきものは見つからない。まさか女子トイレか?

でも入る訳には行かずにとりあえずショップの方へ入り逃がすようにする。

「なー、あっちのショップ行かない?アレ見に行こうぜ~。」

「お、いいね〜!乙女心分かってんじゃん。」

ゆかに小突かれ反対側のショップへ向かう。

そして予定通り爆弾が爆発した。

「あ…!」

思わず声を上げてしまう。そう、子ども。美奈を救った代わりに子どもが犠牲となった。

そしてまた犠牲は増えた。

爆発の衝撃で飛んできた瓦礫の破片が雪娘の頭に直撃し死亡した。

一瞬のことすぎた。その後から正憲と龍哉が僕らに駆け寄ってくる。

龍哉が今回は無事だった?…なぜ?何かが変わったから無事だったのだろうとは思うが、まさか雪娘が犠牲となるとは思わなかった。

なんとかして誰も死なない世界線を作り出したい。

その一心で既にお守りを握りしめていた。

そしてそこからまた意識が途切れた。

なぜか目が覚めると向かい側のショップへ向かう直前だった。

後ろで爆発が起きて瓦礫の破片が飛んでくる。

「危ないっ!!」

そう言って雪娘を押し倒す。これで全員なんとか助かった。

ボディガードとしては本当に最高の仕事ぶりだと思うのだけどどうだろうか。なんて思いながら雪娘に駆け寄る。

「大丈夫?!」

「う、うん、なんとか…。」

次の瞬間、銃声が遠くからした。

なんと、僕の目の前で狙撃で殺されたのだ。

雪娘と僕の前に立ち庇った正憲が。

「ぇ。」

正憲が撃たれて倒れ込んだ。もう何が何だか分からない。何をすれば正解で何が不正解なのか、というよりも全員が救える世界線はないのか?という気持ちでいっぱいだった。

その後に気がついたことは雪娘のボディガードを頼んだ訳はあの狙撃する人から守って欲しいとのことだった。

「ゎかるわけねぇじゃんか!」

そう言って僕は皆を置いて走り出した。

また僕はお守りに祈り意識が途切れた。

目が覚めると爆発直前だった。

「ねえ皆!ちょっとこっち来て!」

「なに急に、ショップ行こだのこっちだの!」

そう言い向かいのショップに入ろうとするが、雪娘がゆかの手を引っ張り進行方向を変える。

「ね、行こう。」

それを見て少し違和感を感じた。

そして爆発が起きた。なんとか皆大丈夫だった。

僕らは障害物に隠れてスナイパーから逃れる。

「…ふぅ。」

「え、やば、知ってたの?!」

ゆかが驚いて騒ぎ出す。

「まさかあんたが仕掛け…!!」

まずいと思い、言い訳を考えようとした時だった。

「見て。これ私の財布なの。これを見つけてくれたんだよ。」

「あー、そうだったの。でも危機一髪だったね…。」

雪娘がなんとか言い訳してその場は何とかなったが、僕はそれを見て分かった。

雪娘が何か知ってるに違いないと踏んで、どこかのタイミングで呼び出すことにした。

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