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~ラストスカイ~  作者: たっくん
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第十七話「ミッション」

美奈、正憲、雪娘の三人は一緒にお母さんとお父さんを探していた。

「ダメだ、どこにもいねぇな。」

「どんな服装だったか覚えてる?」

「…確か…、お父さんの方が白い革ジャンでズボンがジーパンで…。お母さんの方が白いシャツの上に青い上着に黒いズボンで…。」

雪娘の記憶力はしっかりとしていて、大当たりだった。

それを元に探し出そうと歩き始めるが、そう簡単には見つかるわけがなくて。

「…どこ探してもいないのはなんでだ?」

「…うーん、どこか建物に入っちゃってるとか、そういうのは、もうどうしようもない気がするけど…。」

三人とも歩き疲れて近くの階段で座り込んでいた。

「…もう、夜になってくるね。」

時刻は8時前。本当に建物とかに入ったり家に帰ったりしてる可能性の方がよっぽど高かった。

「ところであのお兄さんは、誰だったんだろうね。」

「あぁ、絶対俺はあのお兄さんが全て変えてるし、さっき無くした石も転んだ時にアイツが持っていったと思ってんだ。」

「私も凄くそう思う。」

正憲の意見に対して雪娘が同意する。

「そもそもなんで雄翔なんか狙うんだ?何が目的なんだ?」

「それは過去に行ける人だからじゃない?」

「んー、どうだろう…。まだそのお兄さんの意図というか目的は分からないけど、これは許されることじゃないのは確かだよね。」

右手の拳を握りしめて雪娘が呟いた。

暗くなりつつある空はこの現状とはまさに真逆で綺麗という文字を表したかのようなそのものだった。

「…なんでこんなに綺麗なんだろうね。」

「あ、月。」

「…月、綺麗だね。」

なんかどっかで聞いたことのあるようなフレーズを言い表してから三人は再び歩き始める。

「いるとしたらどこら辺なんだろう。」

「そうだ、雄翔くんの家に行ったら分かることとかあったり?」

何かに気づいた美奈がふと提案を二人にする。

そうして三人は僕の家へと歩いて向かっていった。

「ここ…だよね。」

「すっご、なんも変わってない。」

丸々何も変わってないから見つけやすかった。

「んー、表札は違う名前みたいだね。」

「もしかして違う人か?」

正憲と美奈がチラチラと中を見ようとする。

「こっち…!」

雪娘が二人の腕を掴んで急いで近くの空き地へと向かった。

「なんだよ?あと少しで見れたんだけど?」

正憲が不満そうな顔をしていたが雪娘は真剣な顔をしていた。

「バカ。もし見つかって通報されたら終わるでしょ?」

「あ。」

説明をしっかりされた正憲はやっと状況を理解した。

「とにかく、なんとかして外に出す方法を探してみないことには…。」

「でもどうやって?」

美奈の純粋な質問に対して困った顔をする雪娘。

「うーん…。」

「てか、まだお父さんも見つかってないぜ?手分けした方がやっぱいいんじゃ?」

「いいや、それはやめた方がいい。手分けして警察に見つかると厄介なのよ。」

空き地から少し出て直線上の僕の家を皆で見た時だった。

「あ。あれ、お母さんじゃない?!」

まさしくお母さんだった。ご飯を食べたからまた写真を取りに行くとこらしい。

「良かった!あとはお父さんだね。」

「まだだと思うよ。」

「俺もそう思う。」

美奈がホッと満足した声を出したが雪娘と正憲だけ違った。

なぜ、そう思ったかというと、お父さんを探しに行こうにも手分けして警察に見つかると厄介、そしてお母さんを見ててもお父さんと会えるか分からない。それにもし会わせようとしても、またお兄さんが邪魔をするかもしれない。その時は戦ったりすればいいが、石で逃げられて勝てる世界線になるまで何度も世界線を作られると厄介。

とりあえず、お母さんの後を付けることにした。お母さんはまた単尾川の方へと歩き出した。

「また撮りに行くのかな?」

「いや、別のじゃね?」

あーだこーだと言い合いながら三人は歩いていく。まるでスパイのように隠れながら。

「あ、あそこの角を右に曲がったよ。」

美奈が真っ直ぐ曲がった方向を指さした。

「ん?どこに向かうんだろう。」

雪娘が少し考えながらスマホで地図を確認しようとしたが

「あれは…単尾倉庫方面…??」

その前に正憲がお母さんが向かう方向を見極めた。

そして追いかけようとしたがここで最悪なことが起きてしまう。

「君たち!そこで何してる!」

なんと警察に見つかり、お母さんを追うのを諦めて手前の角で曲がって逃げ出す。

もちろん、警察が子どもの体力なんかに勝てるはずもなく、警察は三人を見失ってしまう。

「…危なかった…。」

「心臓止まるかと思ったよ。」

「…お母さん探し、振り出しに戻っちゃったね。」

ヒントは単尾倉庫方面という方向だけで探し出すことになり、また三人は歩き始めた。

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