74. マイヤ領にお出かけしよう1
朝目が覚めると、珍しくこの部屋の扉を開けて入ってきたのはリリムちゃんだけだった。
何でも、マリーさんがリエラを起こしに行ったら、既に起きていたらしく、そちらの準備のためにこっちに来れないとのことだった。
しかし嵐にでもなるんじゃないかなんて軽口は、昨夜現れた金色に輝くウサギの姿の神様せいで言う気にはなれず、私はただ、いつもより静かにリリムちゃんに準備を手伝ってもらっていた。
そんな様子を見てか、リリムちゃんがお姉ちゃんに話しかける。
「アオイお嬢様、何かあったんですか?」
「蒼ちゃんはねえ、夢見が悪かったみたいよぅ」
私に尋ねてくることはなく、お姉ちゃんが答えてくれたのでそれっきり聞かれることはなかった。
夢見じゃなくて出来事だったんだけど、神様に会ってたなんてきっと信じないもんね。しかもその内容。名付きの悪魔の封印が解けたなんて、しかもこの国のどこかに災いが降り注ぐなんて、理解の範疇を越えるだろう。お姉ちゃんと目配せして二人だけの秘密ということにして、私とお姉ちゃんは準備を終えて朝食を食べに食堂に行く。現状、打てる手もないしね。
部屋のドアを開けると、丁度同じように食堂に向かって歩いて行くリエラが扉の前を通り過ぎるのに遭遇した。
リエラもこっちに気づいて、挨拶してくる。私とお姉ちゃんは挨拶を返すと、みんなで一緒に食堂に向かう。
その途中、廊下でリエラが話しかけてきた。
「のう、ぬしら、昨日の宵口誰かに会っておったか? それも部屋で」
「え?」
「リエラちゃん、起きてたの?」
「不思議な雰囲気を感じて目が覚めたのじゃ。と言うことは誰かいたんじゃな?」
「うん、まぁ、そう……」
「一体誰で、何を話してたんじゃ?」
私はお姉ちゃんと顔を見合わせて、頷き合う。
「ご飯を食べながら話すわ」
◇
食事を始めて私たちがそこそこ食べた頃、リエラがさっきの話題を切り出してきた。
「さて、シズク、アオイ。聞かせてくれるな? 一体誰と部屋で会ってたんじゃ」
その一言にお義父様がちぎって口に運ぼうとしたパンを落とす。
「な……シ、シズク? アオイ? どう言うことだ……」
お義父様がわなわなと動揺している。お、おとこ……、だなんてブツブツ言っているけどお義父様、説明するから落ち着いて! と話してやっと落ち着いてもらった。私たちの表情から、冗談や軽い話じゃないと感じ取ったらしい。
えっと、と言い淀んだ言葉を間に挟んだ私に、お姉ちゃん以外の全員が注目してくる。
私とお姉ちゃんは、この世界に来る時に神と呼ばれる存在に出会ったこと。スキルもその神にもらったことをまず話す。ここまでは復習だね。
その神は気が向いたら私たちの前に現れて、情報を与えてくれる。その情報は魔族に関してのことが多い。昨夜がこの世界に来てから二回目の邂逅だったことも説明する。一回目は魔族を倒した時に現れた。そこで名付きの魔族について教えてくれた。
今回は魔族について、勇者によって封印されていた名付きの魔族の封印が解けたこと、以前倒した魔族よりも強いこと。私たちは関与するもしないも自由だけど、放っておくとこの国全体に被害が出ること。でも魔族のいる場所はルール違反だとかで教えてくれなかったことなど、神が言ったことを全て話す。
私とお姉ちゃんが説明を終えて口を閉ざすと、食堂には沈黙が流れる。
沈黙を破るように、最初に口を開いたのはリエラだ。
「ぬしら、名付きの魔族を倒しておったんじゃのう」
私とお姉ちゃんは『ストレージ』から杖を取り出して、杖頭の赤く輝く魔石をリエラに向ける。
「これがその核」
「なるほどのぅ」
杖をしまっていると、次にお義父様が話し出す。
「いつ魔族が来るかもわからない状態では、警備を増やすくらいしかできないな」
「旦那様、仮にリインフォース領に来たとしても、領都は守れますが、近隣の村までは不可能ですよ」
「それに、うちの兵士では名付きの魔族に対応するほどの強さはないぞ、父上」
自領の頼りなさを前に、頭を抱え出す三人。
冒険者より先にこっちを鍛えるべきだったかな……。
「まぁ本来であれば名付きの魔族への対応は王国騎士団と王国魔術師団、それと冒険者ギルドになる。先日もシズクとアオイが参加した合同依頼などによってだな。しかし姿を確認していない、被害も出ていない現状では、出動は難しいだろうな……」
どこかに現れて被害が出ている、という情報が来ない限り動けない。
私たちも、国の各地にある冒険者ギルドに事情を話しておくくらいしかできないかなぁ……。
気づいたらもうこの国の一員に私たちはなっていて、この国を気に入っている。だから戦うことに依存はないんだけど、全土をカバーできるわけではない。
結局、現状十二分に気をつけるが何ができるでもないから保留。王国の政務室に連絡だけはしておくということになった。
「とりあえず、冒険者ギルドに報告ねぇ」
「それなら、マイヤ領に行こうよ」
「いいわねぇ。リタちゃんにも会いたいし」
私とお姉ちゃんはマイヤ領に出かけることに決める。
お義父様の許可は取ったけど、しかし待ったをかけたのはマリーさんとリリムちゃんだった。
「マイヤ領と言うことはワープをご使用になられるんですよね? それでは護衛が……」
「わしもついていくから問題なかろう」
「あ、リエラちゃんも来る?」
「森の家の様子も見ておかないとじゃしの。これならマリーとリリムも連れて行けるじゃろう」
というわけで五人でマイヤ領にお出かけすることになった。久々に楽しみだなぁ!
私たちは冒険者装備に着替えて、早速玄関ホールに集合する。リエラはひらひらだけれど。
「わしはマリーとリリムを運ぶから、ぬしらはそれぞれ飛んでくるんじゃよ」
「わかった」
「わかったわぁ」
私とお姉ちゃんは了承して魔術陣を展開する。体が空色に光り、同じ色の魔術陣が足元に広がる。『物体 移動 転送』っと。目を瞑って標を探す。頭に地図を浮かべて、マイヤ領の方角を思い出す。ここからだと、大体西北西側だね。そちらに意識を向ける。
遠くに魔力が揺らいでいるところを見つけた……。
標の魔力を感じ取る。私は飛ぶ前にチラッと目を開くと、もうリエラとマリーさん、リリムちゃんはいなかった。そしてお姉ちゃんと目が合ったので笑ってしまう。
二人で笑いながら同時に魔術を唱える。
『『ワープ』』
魔力に包まれる感覚と、浮遊感。ジェットコースターの落ちる瞬間みたいなそれを感じたあと、浮遊感がなくなって足が地面を踏んでるのを身体で感じ取った私は、目を開く。
すると、三年暮らしたリエラの森の家の工房だった。さっき遠くに感じた標の魔力をすぐそばに感じる。それから……。
「成功じゃの」
後ろからリエラの声がする。振り向くと、リエラが椅子に座って休んでいた。
私は心配になって、リエラの体調を伺う。
「どうしたの?」
「魔力の使いすぎじゃ。休めばすぐ戻る」
「雫たちはそんなに魔力が減ったようには思わなかったけど」
「あ、もしかして! 同行者を増やすと消費魔力が増えるんじゃない?」
私の発言に、正解じゃ、と答えてくるリエラ。
しかし私は青筋を立てて、笑顔でリエラに追求する。
「なんで教えてくれなかったのかなー?」
「足りると思ったんじゃ!」
「そうじゃないよね。私かお姉ちゃんが、マリーさんかリリムちゃんを運べば負担が減るよね。なんでそうしなかったのかなー?」
「き、気づかなかったんじゃ!」
「嘘だね」
「それは嘘ね」
「シズク。ぬしまで……」
「リエラは同行者も連れて行けるワープを私たちに教えること! 魔力切れって本当に危ないんだから……魔力ポーション、飲む?」
私はストレージから、効果だけは大変にいいリエラ印の魔力ポーションを取り出してリエラに渡す。
リエラはそれを受け取って、瓶のふたを勢いよく開けて一息で飲む。あれ一息で飲めるのすごい……。変っていうか、筆舌しがたい味がするんだよね。まずい、のかすらわからない。おまけに一気飲みすると咽せそうになる。
そんなことを考えていると、飲んで魔力が回復したのか、リエラが立ち上がって、もう大丈夫じゃ、と声をかけてくる。
「じゃ、行こっか」
森の家からマイヤ領まで、二時間のこの道を久々に歩く。リエラの足取りも大丈夫そう。マリーさんは初めての道に警戒しながら、リリムちゃんは興味津々にそれぞれ歩く。そんなに警戒しなくて大丈夫と、マリーさんに伝えながら私とお姉ちゃんもすぐ後ろからついて歩いて行く。
話をしながら歩けば、二時間もあっという間に過ぎ去って、門にたどり着いた。
私は見覚えのある門番さんに挨拶すると、向こうも私たちを覚えていたのか、挨拶を返してくれる。
「嬢ちゃんたち、久しぶりだな。どっか行ってたのか?」
「ちょっと王都の方まで。まだしばらくは行ったり来たりかもしれません」
「おう。そっちの二人は新顔だな。随分ゴツい武器を持っているが……」
「仲間のマリーさんとリリムちゃんです。五人で一緒に活動することが多いので、覚えてくれると嬉しいです」
「あぁ、わかったよ、よろしくな!」
マリーさんとリリムちゃんも、それぞれ門番さんたちに挨拶をして、五人で通してもらう。久しぶりのしるしに、いつもの燻製肉をプレゼントしたら、とても喜んでくれた。
ええと……マイヤの街の地理は……。
今入ったのが南西門、四角く外壁で挟まれた南側は住宅区が続く。街の中心からやや北に伯爵邸。そこから東西で分けて東側に工業区、西側に商業区だったかな。冒険者ギルドは商業区にある。リタちゃんちのレストランも商業区だ。
午前一杯歩いていたので、私たちはまず、お昼も兼ねてリタちゃんのレストランに行くことにした。
商業区に入っていって中程、決して狭くない人通りの多い通りに面するのは、赤く塗装された木造でできた一軒のレストラン。
そのレストランを前にして、やっぱりここか、というリエラの呟きが聞こえたけど、何のことだろう。
お姉ちゃんが嬉しそうに突撃して行く。一人で先行して、扉を開けて早々。
「リタちゃん一人! 大至急で!」
私は慌てて駆けてて行ってお姉ちゃんを止める。
森からここに来るまでに、お姉ちゃんからリタちゃんがどれだけ可愛いかという話しか出てこなかったから、後の三人は、あぁ、やっぱり、という顔をしている。それって、止めるのは私の役目ってこと?
店の奥から出てきたのは、今日も赤いエプロンの似合う、別れた時からは少しだけ背が伸びたように見えるショートカットの女の子だった。
その女の子はお姉ちゃんの奇行にはびっくりすることなく、でもその姿を確認して目を見開いている。
「シズクさん! それに、アオイさんも!」
「リタちゃーーーーーーーーん」
お姉ちゃんがリタちゃんに抱きついて、これでもかというくらい目一杯に全力で抱きしめる。
苦しいだろうに、でもリタちゃんも負けず劣らずお姉ちゃんを抱きしめる。
やがてどちらともなく抱擁を解いて、もう一度抱擁して、と繰り返していたら奥からカルロさんが出てきた。
「おいリタ! 次の注文ができて……って、嬢ちゃんたち、久しぶりだな!」
「カルロさんもお変わりなく」
とりあえず出入り口だと邪魔になるということで、私たち五人は奥の六人掛けのテーブル席に案内された。
リタちゃんが水を持ってきてくれたところで、私たちはあの約束を確認する。
「リタちゃん、約束通りお肉をいっぱい取ってきたわ。これで、料理を頼めるかしら?」
リタちゃんは向日葵のような笑顔でそれに頷いてこう答えてくれた。
「はい! 一生懸命作ります!」
じゃ、ちょっとお肉置いてくる、と言い置いて、私とリタちゃんは厨房に向かう。
カルロさんも見守る中、私は厨房の一部を借りてお肉を出して行く。
スラストピッグ、ビーターディア、タイラントバッファロー全種……、クルーエルグリズリー。他にもわんさかと様々な肉塊を『ストレージ』から取り出しては置いていく。
「見たことがない肉があるんだが」
そう言って肉塊の一つに指をさすカルロさん。
「あれ、そうですか? クルーエルグリズリーって言うんですけど、おいしいですよ」
「伝説の生き物だと思ってたんだが……」
「野山にいますよ。マイヤ領でも小さい個体なら見られるんじゃないかと」
「アオイさん、なんでタイラントバッファローが六種類あるんですか?」
「お、ちゃんと勉強してたね。これはね、ブラックの変異種で、グレイタイラントバッファローっていうんだよ」
ひとまずこれくらい、と一旦切り上げて料理をお願いする。
そしてこの一言も忘れない。
「まだありますからね。贅沢に使っちゃっていいですよ。リタちゃんもね」
「おう!」
「が、がんばります!」
リタちゃんも、カルロさんと一緒に厨房に入って調理を始める。私は楽しみにしてるね、と声援を送ってテーブルに戻る。
テーブルで、お姉ちゃんと何の肉を渡したとか、リエラからここのお店をどうやって知ったのかとか話していると、カルロさんが出来立ての料理を運んできてくれた。
「とりあえず二品な。まだリタが作ってるから、楽しみにしててくれ」
「ありがとうございます」
肉! 肉! 肉! ちょっと野菜、といった見た目の料理が来た。マリーさんが取り分けてくれたのでそれを受け取って早速食べる。いただきます。
まずは野菜をスラストピッグの薄切りで巻いて焼いて味付けしたロール焼きだ。リタちゃんが作ったのかな。
香辛料の使い方が、カルロさんとちょっと違う気がする。薄味だけど、肉汁がしっかりと出て、それが野菜も巻き込んで包んでいておいしい。
次にビーターディア。これはなんと生姜焼きになって出てきた。さっきの薄味とは打って変わって、生姜のパンチがすごい。でもそのおかげでビーターディアの臭みがなくなっていて、生姜の辛味と肉の甘みを同時に感じる。
みんなでどちらもおいしいと食べていると、リタちゃんが次の品を持ってきた。
タイラントバッファローの食べ比べと、クルーエルグリズリーのカツレツだ。
バッファローは六種類が薄切りに並べてあり、塩と胡椒だけの味付けだ。薄切りってことは蒸したのかな。ほんのり赤みが残っている。
「こっちはお父さんですけど、残りは私が作りました!」
一通り食べ終わって、満腹になっていた私たちのところへリタちゃんが言いにきた。
私たちがリタちゃんの顔を見つつも、すぐに反応を返さなかったことにちょっと緊張しているリタちゃんがお姉ちゃんを見る。
お姉ちゃんは立ち上がって、リタちゃんを抱き寄せて言う。
「とってもおいしかったわぁ。ちゃんと約束を守ってくれて嬉しいわ」
「よかったです!」
私もリタちゃんの頭を撫でておいしかったことを伝える。
ほんのりはにかむリタちゃんは今日も可愛い!
そこでお姉ちゃんが、あ、そうだ、と思い出したようにリタちゃんを後ろに向かせて、カバンから髪飾りを出す。
そしてそれをリタちゃんの髪に取り付ける。
お姉ちゃんと話して決めた、リタちゃんへの髪飾りのプレゼント。加護付き。
「はいこれ、リタちゃんにプレゼントよ」
「え?!」
リタちゃんが驚きながら、手を頭の後ろにやって触って確認する。そして一度取り外して、その形を確認する。
「こ、こんな高そうなもの、いただけません!」
「リタちゃんのお小遣いで買えるくらいの値段よぅ」
「シズクさん、騙されませんよ! だってここ、真ん中で光っているのって宝石じゃ……」
詰め寄られるも、それすら喜んでいるお姉ちゃんに、私は助け舟を出そうか悩んで、リタちゃんに説明する。
「間違ってないよ、手に入れた素材で作っただけだから」
そう、間違っていない。ドラゴンの素材も、聖属性の魔石も、どちらも元手はかかってない。
「リタちゃん、お姉ちゃんがなんかがんばって作ってたんだ。もらってあげてくれないかな?」
「うー……」
それを言われると弱いらしいリタちゃんが少し悩んで。
「わかりました……。ありがとうございます! 大切に使います!」
「できればなるべく身につけていて欲しいわ。これね、宝石じゃなくて魔石なの。リタちゃんを守ってくれるわ」
「はい!」
そう言ってカルロさんに見せに行ってしまった。
リタちゃんが声を拾えない範囲に行ったのを確認して、リエラが口を開く。
「のぅ、あれ、聖属性の魔石に何入れたんじゃ?」
「アイギスとハイヒールよぅ」
「おまけにドラゴンの鱗じゃったのう。国宝級じゃの。でも確かに、元手はかかってないのぅ」
「恐ろしい話です……」
「一体いくらするんですかぁ……」
それから戻ってきたリタちゃんが次はデザートだと説明してきた。
了解を告げて、リタちゃんが厨房に戻る前、私はちょっと確認する。
「リタちゃん、最近話題になったお菓子ってある? カステラとか、どら焼きとか」
「えと、お客さんが最近カステラというお菓子がおいしいらしいけど、高いのと大人気なので全く買えないというのを話していました!」
なるほど。キルシュ商会は各領で販売を開始したみたいね。どら焼きは……この領にもウォーカー商会の支店が出たって聞いてるけど、リタちゃんが言わないところを考えるとまだ製造まではこの領でできてはいないみたいだね。
私はカステラとどら焼きをじゃーん、と『ストレージ』から取り出してテーブルに置く。それを見て目を輝かせるリタちゃん。
「アオイさん、これ、なんですか? お菓子?」
「四角い棒状のものがカステラだよ。丸いのがどら焼き。どっちも王都で流行ってるお菓子」
「もらってもいいんですか?」
「もちろんよぅ。カルロさんと食べてねぇ」
「ありがとうございます!」
リタちゃんはそれを嬉しそうに持って奥へ向かっていった。そして戻ってきて私たちに出してくれたデザートは、リタちゃん特製という、カルロさん直伝のプリンだった。私とお姉ちゃんにはこっちの方が嬉しいね。
六個テーブルに置いて、カルロさんから食べてきていいと言われたので座っていいか、と尋ねてくる。
私たちはもちろん了承して、私とお姉ちゃんの間に座ってもらう。
「これリタちゃんが作ったの?」
「そうです。他のお客さんにも喜んでもらっているので、ぜひ食べてください」
私たちは喜んで、特にお姉ちゃんはテンションもとても高く、プリンにスプーンを入れて一口食べる。
とろっとろでおいしい。しかもこの味、バニラだ。まだ香辛料として高いはずだけど……。カルロさんは目玉商品に考えてるのかな。そしてカラメルソース、ほろ苦とカスタードの甘みがマッチしておいしい。
私もお菓子は作るけど、やっぱりこの味は出せないだろうなぁ。
ところでリエラも何度かこのレストランに来ていたみたいだけど、プリンは初見だったらしく、マリーさんとリリムちゃんと三人で初めての味に舌鼓を打っていた。
ごちそうさまでした。
このまま話していたいけれど、リタちゃんもお手伝いがあるし、私たちも用事がまだある。
また夜来るよ、とリタちゃんに言って、カルロさんにも一声かけて、私たちはレストランをあとにするのだった。
お久しぶりです。
評価等ありがとうございます。
引き続き楽しんでいただければ幸いです。
配信ペースはかなり落ちてしまうと思いますが、続けていけるように頑張っていきますのでどうぞよろしくお願いします。




