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EX. 雫の日記帳05 ~お風呂計画発動2~

 リエラちゃんが戻ってきてしばらく経った。

 社交の時期も終わりに差し掛かった今日この頃、蒼ちゃんたちと朝食を食べているとマークさんが雫に手紙を持ってきた。


「シズクお嬢様。ダンから手紙です」

「本当?! やっと出来たのね!」

「何? お姉ちゃん、何かやったの?」


 訝しそうな顔をしている蒼ちゃんを無視して雫は早速手紙を開く。

 この貴族向けの装飾語、ダンさんが書いたのかしら? ちょっと微笑ましいわぁ。

 最初の装飾を軽く攫いつつ、肝心なところを探すと、思った通り完成を知らせる言葉が書いてあった。

 それから手紙から顔を上げて、さっきの蒼ちゃんの質問に答える。


「家具を注文したのよ」

「え? 部屋にあるので十分じゃなかったの?」


 雫たちはストレージがあるから、収納家具はいらない。蒼ちゃんも、ベッドとドレッサー、ティーテーブルががあれば十分だよね、と首をかしげながら雫に聞いてくる。


「用途が違うのよぅ」

「ふうん。じゃあこれから取りに行くんだね?」


 雫は蒼ちゃんの質問に肯定を告げて、代わりに今日の魔術訓練に参加出来ない事をリエラちゃんと蒼ちゃんに伝える。

 リエラちゃんと蒼ちゃんから、了解や行ってらっしゃいの声に微笑みながら頷いて、次にマリーちゃんを見る。


「マリーちゃん、雫についてきてくれるかしら?」

「かしこまりました」

「シズクお嬢様、平民街でも治安の悪い地域です。私もお供させてください」


 最後に提案してくれたのはマークさんね。そう言えば、ダンさんにお風呂を注文しに工房に行った時はマークさんと二人だったけど、確かに治安が悪そうだったわね。雫もそこそこ戦闘に自信があるとはいえ、マリーちゃんと女性二人では面倒ごとに巻き込まれそうだわ。雫はその提案を受ける事にした。


「お願いね。マークさん」


 朝食を終えて、マリーちゃんとマークさんが街着に着替えてくるのを待つ。雫は訓練用に、旅装にしているからそのままでいいわ。ブラウスにフレアスカートのシンプルな装いね。

 五分もせずに二人が食堂に戻ってきた。


「「お待たせしました。シズクお嬢様」」

「早いわね。それじゃ行きましょう!」


 移動は今回も徒歩。平民街の北側区画へ向かう。まずは広場に出てから、広場を西に抜けて、大通りを進んで行く。少し進んで……。


「曲がるのはここだったかしら?」

「左様です」


 雫の問い掛けにマークさんが答えてくれる。左に曲がって道を再びまっすぐ進んで、細い道をマークさんに確認しながら何度か曲がっていく。すると削れた木のいい匂いがしてきた。目的地はそろそろね。

 ダンさんの工房は、今日も変わらず玄関先を大きく開いていて、軒先に多くの家具が並んでいた。

 しかし前回と違うのは、中には家具が並んでいない事だった。前も確かに真ん中には大きな柱があったけど、今日はそれよりも大きなものが置いてある。

 もしかして、と思いながらも雫はまず挨拶をする事にした。軒先に立って、早速息を吸って……。


「たのもーう!」


 この工房は搬入出がしやすいように入り口が開けてるから扉が無い。だから雫はそのまま待っていた。

 すると、作業場の奥で作業をしていた少年がすぐに小走りでやってくる。


「いらっしゃいませ。家具の作成ですか?」

「いいえ、ダンさんに頼んだ家具の引き取りよ。はい、これが引換証」


 雫はかばんから勘合符を出して少年に渡す。


「これは……、しょ、少々お待ちください!」


 床に散らばっていた木片を蹴飛ばしながら、少年が奥へ駆け出して行く。雫は思わず叫ぶ。


「慌てないでいいわよぅ」


 少年が振り返って雫に一礼して、やっぱりまた駆け出して行ってしまった。気をつけるのよぅ。

 待ってる間、雫は作業場を見て回る。

 やっぱり、この作業場の中央に堂々と構える平屋のお家は雫の注文かしら。

 嬉しいわぁ。

 ワクワクしながらぐるっと見て回っていると、マリーちゃんが話しかけてくる。


「こちらが注文したものですか?」

「多分そうよぅ」

「なぜ家を……?」

「何を言っているの? マリーちゃん、これはお風呂よ!」

「は? お風呂?」

「お風呂っていうのはね……」

「いえ、シズクお嬢様、お風呂は分かります。ですが、これは家ですよね?」


 噛み合わない会話をマリーちゃんとしていると、奥から二人分の足音が聞こえてきた。


「来たな、お嬢様」

「ダンさん! 待ってたわよ! これがそう?」

「あぁ、そうだ。思ったより時間も材料も掛かっちまったが、自信はあるぜ」

「中を見ていい?」

「勿論だ」


 お風呂は作業しやすいように木組みの土台の上に乗っていた。だからそのままでは入れないので、雫はお風呂の扉の前に脚立を置く。

 脚立を登り、お風呂の扉と対面する。これは、お風呂の扉と言うより玄関扉に似てるわね。きっと頼んだ休憩部屋がまず初めにあるのね。そこから入って脱衣所、そしてお風呂と続くんだわ。とか考えながら、雫は玄関扉を開けて中に入る。

 中に入ると、まずは玄関。

 この国は室内も靴は脱がない。アメリカと一緒ね。雫は日本式がいいから、入ってすぐに靴を脱いで揃える。ただ、蒼ちゃん以外も入るだろうし。ここで靴を脱ぐのが分かるように、目印が必要ね。

 雫の後ろから順番に入ってきた二人に、ここで靴を脱いでと伝えておく。

 

「靴を脱ぐのですか?」

「故郷の風習はね、玄関で靴は脱ぐものなのよ」


 それを聞いて二人とも靴を脱いでくれる。

 滑らかな木の感触がタイツを通して足に伝わってくる。これよこれ。

 雫たちは早速中を進む。エル字の短い廊下には、屈曲部分にドアが一つ。

 早速部屋かしら、と思ってドアを開けてみると、なんとトイレが付いていた。魔術具のトイレだから、手入れも簡単だわ。どういう理屈かは分からないけど。

 廊下を抜けると休憩部屋、というよりリビングがあった。

 リビング中央には、長辺に二人、短辺に一人が座れる大きさの六人掛けのテーブルに椅子。それと、入ってすぐには隠れて見えなかったけど、左手に対面式のキッチンが付いてていた。奥にはソファも一台置いてある。

 更にリビングに入って右側にドアが二つ。二つ? 一つは脱衣所でしょう? もう一つは何かしら。雫はリビングに入って手前側の扉を開けると、二段ベッドが二台付いた寝室になっていた。


「寝室があるわ!」


 寝室もあるなんて。しかも四人まで寝る事が出来る。素晴らしいわ。

 そして、この部屋が寝室と言う事は……。もう一つの扉、雫はそわそわしながらそこを開けると……。

 

「脱衣所!」


 そこには、少なくとも地球の雫たちの家より広い脱衣所のスペースがあって、脱衣かごが四つ置けるようになっていた。更に、それと別に洗面台とタオルや小物を置くスペースがあった。

 脱衣所の奥に設置されているのは、曇りガラスがはめ込まれた扉。


「いよいよね……」


 雫はその扉を開ける。そこには……。


「お風呂!!」


 しかも、広さがリインフォース邸程にある! これだけの広さなら、蒼ちゃんに拒否される事は無いわね! いつでも一緒に入れるわ! 更に蒼ちゃんとも、マリーちゃんやリリムちゃんと一緒に入っても大丈夫ね! 勿論リエラちゃんとも! 五人はちょっと狭いかしら? でも入れそう。ちょっと狭くても、みんなで入った方が楽しいわ!

 窓は無く、代わりに浴室の上側には木のからくり窓があって、お願いした通りしっかりと湿気を逃がせるようになっている。

 湯船は檜風呂みたいな木組みのスタイルね。こっちの方が好きだわ。床は石組で水が流れるようになっているから、シャワーで水がこぼれるのを気にしなくてもいいのも嬉しい。

 まるで温泉宿のお風呂ね。日本の。これはもう。とっても気に入っちゃったわ。


「お風呂、広いですね」

「そうよぅ。広いお風呂を注文したんですもの」

「は? 家ではないのですか?」

「お風呂よ。オプションで部屋が付いててくるわ」

「はぁ……、ところでシズクお嬢様、これ、運ぶんですか?」

「そうよぅ。ストレージに入れてね」


 マリーちゃんが合点がいったような顔をして、雫に言う。


「あぁ、分かりました。雫お嬢様がお願いしたのはつまり、持ち運びのお風呂でしょうか?」

「そう! その通りよ! 冒険してても外でお風呂に入りたいじゃない? だから作ったのよぅ」

「左様ですか……」


 マリーちゃんがぽかんとしてマークさんを見る。マークさんには前回説明したから内容は理解して……ぽかんとしてるわね……。

 とりあえず、雫の確認は済んだから、出ましょう。二人にもそう促す。


「どうだった。お嬢様」

「素晴らしいわ! あなた最高の職人だわ! でも一点だけ直して欲しいところがあるの」

「おう、どこだ?」

「故郷の風習で、玄関ですぐ靴を脱ぐんだけど、このお風呂もそうしたいのよ。分かりやすく色を変えられないかしら?」

「なるほどな。ちょっと待て」


 ダンさんは奥に行き、すぐに赤い木の板を抱えて持ってきた。


「レッドオークだ。丈夫な木材として知られている。これを靴で入るスペースに敷く。それでいいな?」

「ばっちりよ!」


 しばらく待つ事を覚悟したけど、ダンさんはそれこそあっという間に、加工作業を終えて雫に中に入るのを促してきた。雫は中を覗くと、地球の家の玄関の様に手前だけ木材の色が変わった玄関が出来ていた。


「完璧ね。ありがとう」

「おう」


 満足した顔で道具を少年に渡すダンさん。少年はそれを片付けに歩いて行った。


「それで、肝心な事なんだが」

「お金ね!」

「いやそれもだが、つい興が乗っちまってな、でかくし過ぎたかもしれん。ストレージとやらに入るのか?」

「やってみるわね」


 雫は魔力を広げて魔術陣を展開する。『物体 収納』。多重詠唱を何重にも重ねてストレージの出入り口の性能をブーストする。

 持ち上げるために使っている木組みの土台を巻き込まないように、併せて並列詠唱を使って『フロート』も詠唱。こっちも多重詠唱でブーストする。

 まず『フロート』でお風呂を浮かせる。結構重いわね。もう三重、フロートに多重詠唱を追加する。やっと少し持ち上がったわ。少し浮いたら後はしまうだけね。

 雫はしっかり魔力を通した『ストレージ』を、お風呂に向けて発動させる。

 大きな水色の魔術陣が光り出し、お風呂が覆われる。

 瞬くように光が走ると、お風呂は消え、後には作業用の土台として使っていた木組みだけが残っていた。

 雫はストレージの中を確認して、きちんとしまえているか、他のものと干渉していないか確認する。

 大丈夫みたいね。


「無事にしまえたわ」

「すごいもんだな」

「あなたが軽くしてくれたからね」


 ダンさんが雫に向かって満足そうに頷く。さて、大事な話二つ目をしましょう。まずは……。


「それで、いくら掛かったの?」

「すまん、小金貨四十枚だ」


 今度はさっきと打って変わって、ダンさんが雫たちに向かって頭を下げる。

 雫がどうしようか悩んでいると、マークさんが雫の前に出てくる。


「ダン、私は適正な会計を心がけろと……」

「マークさん、やめて」

「お嬢様、ですが!」


 雫はマークさんを抑えて、ダンさんの話を聞く。頭を下げるなら理由があるはずでしょう。それを聞いてからでも遅くないわ。


「すまん、軽くて丈夫な木材がどうしても高かったんだ。安くて軽い素材はいくらでもあるが、それじゃ屋外での使用に耐えられるか分からなかった」

「ダンさん、そんな素材を使って小金貨四十枚って本当?」

「……本当だ」

「それ、原価じゃない? しかもそれも値切ってる気がするわ。今の値段で雫に明細書全部見せられる?」

「っ……」

「雫は、ダンさんは適正に材料を使って、適正な技術料を取っていると信じたいわ。それだけの仕事をしてくれたんだもの、ちゃんと払いたいわ」


 ここまで言って、やっと観念したダンさんが口を開く。


「小金貨で六十五枚だ。明細はここにある」


 ダンさんは応接机の端に置いていた紙の束を取って雫に渡してきた。渡された束は二つあって、雫はそれにざっと目を通す。木材費……石……技術料……確かに小金貨六十五枚になってしまうのも仕方ないのかしらってくらい高めの材料が使われている。束はもう一つあるけど、こっちには値引きしたらしい合計金額が書いてあった。明らかにおかしいから、こっちはすぐにダンさんに返して小金貨六十五枚の方をもう一度見る。やっぱりこっちが適正のようね。


「じゃ、前金分を引いて小金貨五十枚渡せばいいかしら?」

「あぁ、その通りだ」

「やっと顔を上げてくれたわね。はい、小金貨五十枚」


 雫は『ストレージ』から小金貨を取り出してダンさんに渡す。


「本当にいいのか?」

「あなたの仕事の結果よ。何も問題ないわ」

「助かる」


 それから雫は最後の大事な話を喋る。


「ダンさん、最後だけど」

「あぁ……」

「うまい酒だったわよね。好きなのを持って行きなさい」


 雫はストレージから酒瓶を何本も取り出して、応接机に置いていく。


「待ってました!」

「いい仕事の後はおいしいお酒を飲むしかないわよ」

「お嬢様は酒飲みでいらっしゃる」

「機会があったら飲みにいらっしゃい」


 そしてダンさんには、雫と蒼ちゃんがかつて巻き上げたペーターさん秘蔵のブランデーを渡して、ついでにおつまみの燻製肉も渡したのだった。


「待ってた甲斐があったわ。素晴らしい出来よ。ありがとう」




 工房を辞したのはついさっきの話。

 今、雫は大満足してリインフォース邸へ帰ってきたところ。

 付いてきてくれた二人にお礼を言って、雫は蒼ちゃんたちが魔術訓練をしているであろう庭へ行く。

 庭に着くと、蒼ちゃんとリリムちゃんがリエラちゃんにしごかれて訓練をしているところだった。模擬戦じゃないわね。あれはパパに怒られるもの。

 みんなが雫に気付いて、手を止めてこっちを見てくる。


「お、シズク帰ってきたの。やるか?」

「えぇ。でも先に見て欲しいものがあるの」

「何? 今日受け取りに行ってたもの? だったら室内に……」

「ここで大丈夫よぅ。大きいから、ちょっと端に寄ってもらっていいかしら?」

「分かったのじゃ」

「うん」

「は、はい!」


 ぜぇぜぇと呼吸しているリリムちゃんが最後に端に避けて、雫は『ストレージ』を詠唱する。

 魔術陣が庭に大きく広がり、光り出す。やがて光が収束すると、そこに現れたのは先程のお風呂だった。

 それを見た蒼ちゃんが雫に尋ねてくる。


「お姉ちゃん、何、これ……?」

「お風呂よぅ」

「いや、家じゃん!!!」

「家じゃの」

「おうちが出てきましたー」

「何でこんなものを……」


 蒼ちゃんが当たり前な事を聞いてくるから、当たり前に返す。


「冒険している時にもお風呂に入りたいじゃない」

「そ、そうかな……そうだね……」

「わしはウォッシュでいいんじゃが……」

「それじゃ中に入りましょう」


 雫はみんなを引き連れて中に入る。


「ここで靴は脱いでね」

「玄関がある!」

「そりゃ家なんじゃからあるじゃろ」

「違う! 日本、故郷だと玄関で靴を脱ぐんだよ。その印に玄関部分の色が違う!」

「さすが蒼ちゃん、ここの加工はさっき気付いてやってもらったのよぅ。靴を脱いだ方がリラックス出来るしね」


 みんなの靴を脱がせて二人は並べる廊下を進んでいく。


「扉がある……。部屋?」

「そこはトイレよぅ。魔術具だから手入れも楽よ」

「うん、持ち運ぶなら魔術具は必須だと思うけど……」


 茫然としている蒼ちゃんの背を押して、そのまま廊下の奥へ行く。


「え? お風呂じゃないの? リビング?」

「お風呂上がりの休憩部屋よ」

「すごいです! キッチンでお料理が出来ます!」

「魔石をセットしたら火も使えるってダンさんが言ってたわ」

「そのダンさんって人が製作者?」

「左様です。当家の家具を作っている職人です」


 マークさんが答えてくれた。

 雫はまず、右側手前の扉を開ける。


「ここが寝室ねぇ」

「寝室まであるの?! うわ、しかも四人も寝れるじゃん……」

「休憩部屋のソファも使えば五人ね」

「ここ、わしの家より広いんじゃ……」

「さすがにそれはないわよぅ。あっちは工房もあるし」

「リエラの家は魔導書と素材が多過ぎだね」

「ストレージから出すより便利なんじゃ」

「って事は、この隣のドアが……?」


 蒼ちゃんが雫を見て質問してくる。


「そうよぅ! おまちかねのお風呂! に備え付けてある脱衣所!」

「脱衣所まであるの?!」

「それがないとどこで服を脱げばいいのか分からないじゃない」

「いや、そうだけどさ……」


 口をぱくぱくさせている蒼ちゃんを無視して雫は奥へ行き、お風呂の扉を開ける。


「これがお風呂よ!」


 まだお湯を張っていないから湯気も出ていないし濡れてもいない。雫はタイツのまま浴室へ入る。

 そしてみんなの方を向いて両手を広げて見せつける。


「うわ、お風呂ひろ……リインフォース邸よりあるんじゃない?」

「可能な限り大きくしてもらったわ! これなら蒼ちゃんと一緒に入れるでしょう?」

「まさか……」


 蒼ちゃんが驚愕だという顔をして雫を見てくる。


「そのために大きいお風呂を作ったの?」

「そうよ? 他に何か理由がいるの?」


 雫は真面目に答える。蒼ちゃんと入れないなら作る意味は無いわ。蒼ちゃんが言っていた通り、これで今後はずっと一緒に入れるわね。


「これならリエラちゃんも、マリーちゃんとリリムちゃんが一緒に入っても問題ないわ!!」

「えっ、怖い」

「シズク、おぬし怖いぞ」

「「シズクお嬢様の執念が怖いです」」

「えぇ、何で?!」


 みんなから怖いという感想を同時に聞く。何が怖いのかしら?


「とにかく、これから冒険の時はこのお風呂で入浴出来るわよぅ」

「もう、テントいらないじゃん」

「そう言えばキッチンも寝室もあるからそうね」

「やっぱり家だよ。これ……」

「家じゃな」

「家ですぅ」

「家ですね」

「家でございますね」

「雫はお風呂を作ったのに……」


 解せないわ。


評価、ブクマ、いいね、誤字報告いつもありがとうございます。

今回も楽しんでいただけたら幸いです。



==

2025/02/22 キャラ名誤記修正

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