29. リインフォース領主とお話しよう
「「えぇーー!!!?!」」
私とお姉ちゃんの叫び声が、リインフォース領主邸の広い敷地に木霊して少し、私たちは応接間に案内された。
リエラがここの領主の娘って……え? リエラ、そんな事は一言も言ってなかったよね!
青天の霹靂の私とお姉ちゃんの声は当然、リエラに届く事はなく、私たちはこの豪華な部屋のソファに座っている。
部屋は豪華な調度品、豪華な絵画。豪華なカーテン。豪華だなぁって事しか分からないや……。
当然、素人目に見ても悪趣味な感じなど全く無い。
そして、テンプレートと言うべきか、私たちが部屋に入ってすぐ、綺麗なメイドさんがお茶とお菓子を持ってやってきた。
ここまで案内してくれた執事のジョセフさんは、旦那様を呼んできます、とメイドさんが来る前に出て行ってしまっている。
目の前に紅茶とクッキーが置かれる。メイドさんは一切驚く事も無く、タルトの前にも当然のようにお皿に入った紅茶とクッキーを置いて、まるで置物だったかのように部屋の端に佇む。
……。落ち着かない。私はお姉ちゃんに小声で話しかける。
「……お姉ちゃん、これ、飲んでいいんだよね? 領主様が私たちに浴びせる用の紅茶じゃないよね?」
わずかに動いて音を立てるのも憚られる緊張感で、頑張って隣を見たら、当たり前のように紅茶を手にクッキーを食べているお姉ちゃんがいた。反対を見ると、当然のようにクッキーを食べているタルトもいた。
「蒼ちゃん、食べないの? 雫が貰っちゃうわよぅ」
『蒼、食べないなら僕が貰うよ?』
この状況でもこんな事を尋ねてくる二人が、本当に羨ましいかも。食べますよ!
「いただきますよ! いただきます! ……。何、この紅茶……、こんな香り高くて渋みが無い紅茶初めて飲んだ……。クッキーも口に入れたらあっという間に解けて、甘さはしっかりしてるのに、しつこくなくていくらでも食べられちゃう……おいしい」
私が呟きを終えたその時、扉からノックがする。お姉ちゃんがいつもののんびりした口調で入室の了承を答える。
扉を開けたのは、戻ってきたジョセフさん。それから後ろに、歳の頃がジョセフさんより若い、やや短めでリエラの髪の色にそっくりな銀髪を生やした、まさに貴族といった上品な服に身を包んだ男性が入ってきた。恐らくこの人が領主様……。
私とお姉ちゃんはカップを置いて立ち上がる。
すると手で座るようにと促された。その上品で洗練された動きに、私とお姉ちゃんは何も言えずに従ってしまう。
私たちの向かいに領主様が座って、ジョセフさんが立ったままその背後に着く。
流れるようにメイドさんが、領主様の分の紅茶とクッキーを置いて元の位置に戻る。いつ動いたんだろう、気付かなかった……。
「よく来てくれた。私がリインフォース領主のゲルハルトだ。名前を伺っても?」
「雫よ。故郷の名前だと長谷川雫ね」
「妹の長谷川蒼です」
『ホワイトドラゴンのタルトだよ。よろしく、ゲルハルト』
「ちょっとタルト、敬称を付けて……」
「いや、構わない。家名持ちというと、二人は貴族なのかい?」
「雫たちは貴族では無いわ。異世界人なのよ。雫たちの故郷では、誰でも家名を持っているわぁ」
「なるほど。ジョセフ、手紙をもう一度見せてくれ」
畏まりました、とジョセフさんが懐からリエラの手紙を取り出してゲルハルト様に渡す。
それをゆっくりと読むゲルハルト様。ふむ、と読み終わって一息ついて私たちを見る。
「この筆跡と言い回しは、間違いなく娘のリエラのものだ。君たちはどこで娘と出会ったのかい?」
お姉ちゃんと顔を見合わせて頷いて、長くなりますが、と前置きして話し出す。
内容は勿論、異世界転移してからリエラに出会うまで、出会ってからの修行の日々、それから冒険をしてここに辿り着くまでだ。
「間違いなく、娘は生きているのか……」
「はい、マイヤ領の森の奥で自由気ままに暮らしていますよ」
私の発言を聞いて、肩を震わせて涙に咽ぶゲルハルト様。それに誘われて、ジョセフさんと端に佇んでいたメイドさんも貰い泣きを始めた。え……。ど、どうしよう……。
「あ、あの……」
「失礼……。娘が生きていると聞いて嬉しくてな……」
「もしかして、リエラちゃんはリインフォース家で行方不明って言われていた長女の事かしら?」
「あぁ、そうだ。娘は説明していなかったかな?」
私とお姉ちゃんはそれを聞いて頷く。
「では簡単に説明しよう。娘がこの家を出て王国魔術師団に入団したのは十五歳の時だった。それから定期的に帰って来ていたのだが、十七歳の時に副師団長となってからは、特に忙しくなったのか、帰る頻度が減っていたんだ。ある時そろそろ帰って来るように、と手紙を出したのだが、帰って来たのは娘の筆跡ではない、国からの手紙だった。それには、娘が魔術師団を退団して行方不明になったと書いてあった」
そんなそぶりは一切無かったし、家族に相談も無しに突然すぎると訝しんだゲルハルト様は、方々調べてある事件を知った。
「それが、娘が王子を暗殺しようとした、という事件だ」
「リエラが、王子暗殺……」
「そんな事をする子じゃないと思うわぁ……」
リエラと暗殺が結びつかない。むしろ暗殺する程の人物なら、正面から焼き殺していそうである。あのリエラだし。
「そうだ。私も勿論、更に調査した。だが分かったのは、ある伯爵家の令息が娘の副団長就任を妬み、娘の行方不明後にその令息が副団長になったという事だけだった」
「その息子が怪しいわねぇ!」
「ちょっと、お姉ちゃん!」
「緘口令が敷かれている上、相手は上位貴族だ。私も家族や領民を守らねばならない立場で、これ以上は簡単には調査出来なかった」
ゲルハルト様が悔しそうに拳を握り締める。そして、だが、と話を続ける。
「娘が生きているのは分かった。こんなに嬉しい事はない。この家に戻って来ない事も、何か理由があるのだろう」
「リエラちゃんは思慮深いから、きっとそうだと思うわぁ」
私はずっと、非常に耳に付いていた事をお姉ちゃんに突っ込む。
「お姉ちゃん、さっきからゲルハルト様に言葉遣いが失礼だよ。もっと正して」
「疲れるのよぅ」
「はは、構わないよ。娘の頼みだ。君たちはもう私の家族だよ。シズク、アオイ、タルト」
さっきから気になっていたけど……聞いてみよう。
「あの……今はゲルハルト様に、この家に来た時もジョセフさんに家族として歓迎すると言っていただきました。リエラの手紙には、なんて書いてあったんですか?」
ゲルハルト様がもう一度手紙に目を落とし、説明してくれる。
「君たちに身寄りが無い事。異世界から来たのなら当然だろう。それから魔術の弟子として育てた事。更に、娘の境遇を話していい事。最後に、わしの弟子は丁重に家族として扱え、と書いてあった。最後の口調は娘のおねだりだな。懐かしい」
「私たちの事、そんなに簡単に信じていいのですか?」
「この手紙の内容は間違いなく娘から私に宛てたものだ。だから信頼出来る。それに君たちも、信頼に値すると私は思う。これでも貴族として、虚々実々の駆け引きが日常だからね。人を見る目はあるつもりだ」
「私たちはそんな……」
「蒼ちゃん」
お姉ちゃんが私の発言を遮って呼びかけてくる。私は言葉を止めてお姉ちゃんを見る。
「ゲルハルト様の言う通り、家族として扱って貰いましょう? 雫は、それがいいと思うわぁ」
「それも勘?」
「そうよぅ。その方が今後いいと思うわ」
「……。分かった」
お姉ちゃんの勘は信頼出来る。お姉ちゃんがその勘で、した方がいいと言うなら、従う。
「承諾してくれて嬉しいよ。家族になったんだ。自分の家だと思って過ごしてくれ。言葉遣いも、楽にしてくれて構わない」
庇護するためにも、対外的には遠縁の子を養女にした事にする、と告げられた。貴族の世界では、養子や片親違いのきょうだいも珍しくないんだって。すごい世界だね。
手続き上、二人は私の義娘だから、パパと呼んでくれて構わないぞ、とゲルハルト様が戯けて言う。
「ゲルハルトパパ! これからよろしくねぇ!」
なんてお姉ちゃんは返していた。
というかゲルハルト様も、お姉ちゃんに呼ばれて恥ずかしがってるじゃないですか。え? リエラにも呼ばれた事の無いパパって呼ばれて歓喜の涙? そうですか。
けど、私は流石に恥ずかしいので、ゲルハルト様と呼ぶ事にした。
外から見たら、この人がこの世界での私とお姉ちゃんの義父になる。お父様って呼んだりしないといけないのかな。お父さんがいなかった私たちには、その関係性は慣れないけど、慣れないといけない。
それからタルトはというと。
『雫と蒼が安全で、僕が側にいられるならペットでも何でも構わない』
との事。
私たちの境遇を家族に話して構わないか、と聞かれたので二人揃って頷く。
それを踏まえて、昼食を食べながら家族を紹介しよう、と言う事で私たちは食堂に案内された。
食堂に入ると、長方形のテーブルに真っ白なテーブルクロスが敷かれていた。食器やカトラリーが並んでいる。
奥の短辺の席が空白。多分ここにゲルハルト様が座る。それから右手の一番奥に綺麗な中黄色のドレスに身を包んだ、すらっとした銀髪の女性、左手の一番奥に銀髪で髪の短い、細くても健康的な若い男性が座っていた。
奥様と長男かな。
二人は、食堂に入った私たち姉妹とタルトをじっと見つめる。険悪な雰囲気が無いだけよかったけど、緊張する……。
ゲルハルト様が一番奥の席に行き、ジョセフさんが引いた椅子に座る。
「シズクはクラウディア、アオイはハインリヒの隣に座りなさい」
「は、はい」
「分かったわぁ」
名前からしてこっちの男性だよね。私は隣に行く。執事さんが椅子を引いてくれたので、お礼を言って座る。お姉ちゃんの方はジョセフさんが対応していた。タルトはテーブルの上で、お姉ちゃんのすぐ隣に止まる。
「アオイ、礼は不要だ。貴族の振る舞いを覚えないといけないね」
「はい……。ごめんなさい」
「今まで違う世界にいたんだ。追々覚えていけばいい。さて、クラウディア、ハインリヒ、簡単に話を聞いていると思うが、この二人がリエラが生きていると教えてくれた。シズクとアオイ姉妹、それからドラゴンのタルトだ」
それを聞くや否や、クラウディア様の肩が震え、手で口を覆って紅涙を絞りながら呟く。
「リエラちゃんが生きている……。本当に……?」
「そうよぅ、リエラちゃんはマイヤの森で自由気ままに暮らしているわよぅ」
お姉ちゃんの返答を聞いて、咽び泣くクラウディア様。行方不明だった娘が生きていたんだもんね。嬉しいよね。
「だが父上、なぜリエラは戻ってこないんだ?」
そう尋ねるのは、私の隣に座っているハインリヒ様。
「まだ分からない。私たちに言えない事情があるんだろう。話を続けるぞ」
それからゲルハルト様は、私たちがさっき話した異世界転移から、リエラと別れて旅に出るまでの一連の話を、私たちが補足を交えつつもう一度丁寧にクラウディア様とハインリヒ様に話した。
「……リエラからの手紙には、この二人と出会って魔術を教えたと書いてあった。それから、この二人を丁重に家族として扱えとも」
「旦那様、手紙を……手紙を見せてください……」
「勿論だ」
ゲルハルト様が、クラウディア様に手紙を渡す。震える手で手紙をじっくりと読むクラウディア様。
ハインリヒ様と私たちはそれをじっと見守る。
「本当に、あの子の字だわ……。リエラちゃんに会えないのはとても寂しい。でも、リエラちゃんの願いを叶えられるなら、私は従いますわ、旦那様」
それから、俺にも見せてくれと頼むハインリヒ様に、手紙を渡すクラウディア様。
ハインリヒ様が手紙を読む。
「確かに、この手紙はリエラにしか書けないな。俺も信じるよ、父上。家族だったか。分かった、二人は義妹だな。ドラゴン、君は……」
『雫と蒼が安全なら、何でもいい』
「喋れるのか、すごいな。従魔か何かか?」
『雫と蒼が主人の従魔契約だよ』
「そうか、なら二人の従魔として扱う」
意外と順応してる……。だいぶ落ち着いたクラウディア様が、私とお姉ちゃんを見て言う。
「私が二人の義母となります、クラウディアです。シズクちゃん、アオイちゃん、タルトちゃん」
ママと呼んでちょうだい。と言われたけど、私はゲルハルト様と同じようにクラウディア様と呼ぶ事にした。意外とお茶目だな、この夫婦。
「よろしくねぇ! クラウディアママ!」
この姉ここに極まれりである。
そして感極まって、リエラちゃんにも言われた事が無かったから嬉しい、とゲルハルト様と同じように泣き出すクラウディア様。似た者夫婦ってやつなんだね。
後恥ずかしけど、お義兄ちゃんが出来た。でも男の兄弟欲しかったんだよね。
「よろしくな。シズク、アオイ、タルト。堅苦しいのは苦手だから、気にせず楽に話してくれ」
「よろしくお願いします。ハインリヒ様」
「よろしくねぇ、ハインリヒ様」
顔を赤くするハインリヒ様。今度は一体何が琴線に……。え? 急に可愛い妹が二人も出来て嬉しすぎて? 面と向かって可愛いと言われて、私も思わず照れてしまう。
それを見たお姉ちゃんが、お義兄ちゃん、って呼んで早速からかってる。間違いなく順応性が一番高いのはお姉ちゃんだね。
「仲がいいのは何よりの事だ。私も家では堅苦しいのは苦手だから、今のような会話も問題ない。ハインリヒも喜んでいるしな。だが悪いが、二人には貴族としての振る舞いを身に付けて貰う事になる。私は勿論、クラウディアやハインリヒも全力で支援する。困った事があったら何でも相談してくれ。それからジョセフ」
承知しております、と返事をして、ジョセフさんが二人のメイドさんを連れてきた。
「この者たちが今後、お嬢様方のお世話をさせていただきます。マリー、リリム、挨拶を」
「よろしくお願いします。マリーと申します。シズク様、アオイ様」
「リリムです。粉骨砕身、お世話いたします」
「お世話……? え? ゲルハルト様……?」
「よろしくねぇ、マリーちゃん、リリムちゃん」
え? 侍女?
呆然としている間に、お姉ちゃんとリリムさんが談笑していて、その話に混ざっているクラウディア様。
マリーさんはタルトを撫でながら、その話を聞いて微笑んでいる。
ゲルハルト様とハインリヒ様はそれを微笑ましく見ていて、少し離れた位置で立っているジョセフさんが縁側で微笑むお爺ちゃん面なんだけど。
慣れてないのって、私だけ? 順応出来てないのって、私だけ? え?
そこにゲルハルト様から止めの一言がやってきた。
「アオイ、貴族になるのなら慣れて貰わないと困る」
わ、分かりました……。貴族って、もっと厳かな方々だと思っていた私のイメージは瓦解していくが、なんとか頷く。
それからお昼ご飯が運ばれて来たらしいんだけど、何も分からなかったし、何を食べたのかも覚えてない……。
気を持ち直して、私の意識が戻ったのは食後のお茶を一口含んだ時の事だった。
このお茶もおいしい。さっきと違う紅茶だ。アールグレイかな? ベルガモットの爽やかな香りがして、食後にぴったりだ。
お姉ちゃんと感想を言い合っていいものか……。もじもじそわそわとしているとクラウディア様が話しかけてくれた。
「アオイちゃん、どうしましたか?」
「あの、お茶がおいしい事をお姉ちゃんと話したかったんですけど、マナーには疎くて、話していいものか悩んでました」
「大丈夫よ。私も話したいわ。このお茶は、今年流行のお茶で、アールグレイと言うの。茶葉に香りを着けているんですって。茶葉で有名なウォーカー商会から仕入れた物よ」
「昨日、ウォーカー商会で飲んだ物と同じでしょうか。こっちの方がおいしく感じますが」
「あら? アオイちゃん、ウォーカー商会の人とお知り合いなの?」
「クラウディア様、雫と蒼ちゃんはウォーカー商会長夫妻と友達なのよぅ」
あ、さすがにずっとママ呼びはしないんだね。
「それはすごいわねぇ。アンナは元気だったかしら?」
「はい、アンナさんは元気で、お子さんを生むために一生懸命でした」
『アンナなら安泰だよ。ドラゴンの守りもある』
「ならよかったわ。旦那様、子供が生まれたらお祝いを贈りましょう」
「そうだな。いつもいい品物を用意してくれているしな」
知っている人の話題で、私もお姉ちゃんも嬉しくなる。
「なぁシズク、アオイ、二人はリエラに魔術を習ったんだろう? まさか生活魔術だけじゃないよな? どの程度出来る?」
「私は基本四属性を上級までと、空間属性を中級まで。お姉ちゃんが……」
「雫は上級聖属性と中級空間属性よぅ、お義兄ちゃん」
「後でステータスを見せてくれるか? 勿論俺も見せる。それから模擬戦しよう」
さすがリエラのお兄様である。考える事は兄妹そっくりなんだね。最近模擬戦やってないし、ハインリヒ様の実力も知りたいので、私は頷く。
「承知しま……分かった」
「はぁい」
「二人共、あんまり危ない事はダメですよ」
「でもクラウディア様、雫も蒼ちゃんもBランク冒険者なのよ。大抵の魔物は倒せるし、怪我も治せるわ。それに、タルトちゃんもとても強くて、守ってくれるのよぅ」
「私はまた、母と呼んでくれる娘がいなくなるのが寂しいわ」
「……分かったわ。クラウディアママ、気を付けるわぁ」
それを言われると、さすがのお姉ちゃんも黙ってしまうみたい。
その後、私たちのこれからを話した。
まず、一度ウォーカー商会に戻って状況を説明する。
今後はリインフォース家にお世話になるから、ウォーカー商会のカールさんとアランさんとはお別れだ。
杖の件は、冒険者ギルドに使いを出して、ゲルトさんから連絡が来たらリインフォース家に伝えて貰う事にする。
次に私たちの暮らしについて。
この家で貴族の振る舞いを学びながら過ごす。
午前は貴族の勉強、午後は自由という事になった。勿論、冒険者をしてもいい。
それからステータスは、家族全員とジョセフさん、マリーさんとリリムさんにも見せる事にした。その方が今後、都合がよさそうっていうお姉ちゃんの判断だ。
やっぱり称号に驚かれた。ハインリヒ様から常軌を逸しているとの評価をいただいた。そんな人外みたいな……。
クラウディア様は調合スキルが気になったらしい。何でも、リエラに美容薬を作って貰った事があって、それをまた作って欲しいとの事。
ゲルハルト様は魔術より、私の上級調理を目ざとく見つけて、異国の料理が食べたいとリクエストしてきた。任せて!
結局、そんな予定だから今日の模擬戦は無しになった。
模擬戦より、急成長出来たリエラの訓練方法が知りたいって。
私とお姉ちゃんは怨嗟の声を存分に入れながら、あの地獄の訓練を語る決意して、夜にその話をする事になった。
そして、私たちはウォーカー商会リインフォース支店に向かう事にした。
評価、ブクマ、いいね、誤字報告いつもありがとうございます。
今回も楽しんでいただけたら幸いです。
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2022/04/16 サブタイトル修正
2022/05/17 表記ゆれ訂正




