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14. ディオン領へ出発

 窓から差す太陽の光で目が覚める。

 ぽかぽか加減にすぐ起きる気力は奪われ、私はシーツにくるまったまま微睡みを続ける。

 少しして、今日もいい天気なのかな、なんて考えられるくらいに頭が覚醒したら、鐘の音が聞こえた。一の鐘だ。いつもより早く目が覚めたみたい。

 隣を見ると、お姉ちゃんはベッドの背に寄っかかって本を読んでいた。


「あ、蒼ちゃんおはよう」

「おはよう、お姉ちゃん。最近早いね」

「わくわくする日が多いんですもの」

「そっか、私も早く目が覚めたから、わくわくしてるのかな」

「きっとそうよぅ。楽しみねぇ」

「うん」


 そう答えてベッドから起き出す。お姉ちゃんもベッドから降りて一緒に着替える。

 

「あら、蒼ちゃん寝癖がついてるわ」

「本当? どこ?」

「こっち来て」


 お姉ちゃんが私を手招きしてくる。たまにはしてもらうのもいいかなって思って、お姉ちゃんに近づいて髪を梳かしてもらう。気持ちいい。ぼんやりした頭がやっと覚醒してくる。


「今日の朝ご飯はなにかしらねぇ」

「ここのご飯おいしかったし、設備もいいからまた泊まりたいね」

「そうねぇ。……よし、直ったわよ」

「ありがと」


 お礼を言って支度の続きをする。旅装だからシンプルめに、ブラウスとゆったりとしたフレアスカートにした。あとはベルトをして……よし。

 魔術師っぽくないかな? まぁいいか。お姉ちゃんもブラウスと、下はマーメイドスカートだ。う、大人の雰囲気……。なぜ姉妹、しかも双子なのに私にはその雰囲気が出せないのか。

 二人でおかしいところがないか確認をして、荷物をしまう。このまま戻らずに出発するつもりだ。忘れ物もないか最終確認。よし。

 部屋の鍵を閉めてお姉ちゃんと一階へ降りて食堂へ向かう。

 食堂は席がほとんど埋まっていて、ウェイターさんの案内で二人席に座った。朝食はメニューが決まっているので、飲みたいドリンクだけ伝える。私はオレンジジュース、お姉ちゃんはミックスジュースだ。

 料理は少ししてドリンクと一緒に運ばれてきた。ブールを切ってトーストしたものとサラダ、それにじゃがいものポタージュとハムエッグだ。こないだウェイターさんに聞いたら、ハムは自家製らしい。それを惜しげもなく使って作ったハムエッグは、先日も食べたけど絶品だったから、今日も楽しみだ。いただきます。

 私はまずサラダに手をつける。レタスと玉ねぎ、パプリカのサラダで、どの野菜もシャキシャキだ。玉ねぎが辛くなく、甘いのはそういう品種なのだろうか。ドレッシングはかかってないけど、野菜の味がしっかりと感じられておいしい。

 次にポタージュを飲む。じゃがいもがさらさらとしていて、コクがある。胡椒も使われていて、普通に手に入るものなのかな、と認識を改めることにした。それからブールを手に取る。今日のブールにはチーズが練り込んであって、焼いてあるからとっても香ばしい。

 そしてお楽しみのハムエッグだ。ナイフで切って、ハムにこぼれた黄身をつけて口へ運ぶ。よけいな脂が抜けて味が凝縮されたハムのうまみとしょっぱさに、黄身の甘さが加わって幸せな気持ちになる。顔が綻んでしまう。

 オレンジジュースも忘れては行けない。搾りたての果汁に、あえてレモン水を加えて混ぜてあってくどくなく、さっぱり感が出ててとても飲みやすい。そうか、果汁百パーセントにするのではなく、あえて薄めるのもありなのか。今度作ってみよう。


「ふふふ」


 お姉ちゃんがこっちを見て笑っている。


「どうしたの? お姉ちゃん」

「蒼ちゃんはいつもおいしそうに食べてるなって、見てて楽しくなってたの」

「だっておいしいもの」

「そうねぇ、おいしいわぁ」


 変なお姉ちゃん。私は料理を堪能しつつあっという間に食べてしまった。少ししてお姉ちゃんも食べ終わる。ごちそうさまでした。

 私たちは食堂をあとにしてフロントに鍵を返す。旅に出るのでしばらく来ないことと、とても快適だったので、また戻ってきたらこの宿屋さんに泊まりたいことを伝える。


「かしこまりました。お寛ぎいただけたようでなによりでございます。いってらっしゃいませ、シズク様、アオイ様、道中お気をつけて」


 送り出してくれる。宿屋さんとはいえ、いってらっしゃいって言ってもらえると、とても嬉しい。

 待ち合わせは東の門だから、リタちゃんの方には行けないかな。と寂しく思いつつ、東側へ足を向けると声が聞こえてきた。


「シズクさーん! アオイさーん!」


 声のする方を見ると、リタちゃんがなにか抱えてこっちに小走りでやってくる。


「リタちゃん!」

「どうしたの、リタちゃん」

「あの、二人が出る前に挨拶したくて」

「そっか、雫も会えて嬉しい」

「ありがと、リタちゃん」

「それとこれ……」


 リタちゃんは手に持った包みを私たちに渡す。


「これは?」

「お弁当にサンドイッチを作りました。多めに作ったので、皆さんで食べてください」

「ありがとうねぇ」

「ありがとう、嬉しい」


 お姉ちゃんがリタちゃんに抱きつく。私は、サンドイッチ持ってて出遅れた! ストレージにしまって、私もリタちゃんに近づいて頭を撫でる。嬉しそうにするリタちゃん。可愛いなぁ。確かに妹に……。

 一通り堪能したのかお姉ちゃんがリタちゃんを離して正面に向き直る。


「それじゃあリタちゃん、いってくるねぇ」

「いってきます」

「はい、気をつけてください! 約束、待ってますから!」

「わかってるわぁ」

「任せて、大きいの狩ってくるから!」


 リタちゃんのお見送りを背に、私たちは東の門へ向かう。途中私もお姉ちゃんも、何度も振り返って手を振った。リタちゃんはまだ手を振ってくれていたから、見えなくなるまでお互いに振っていた。




 東の門に着くと、一台の馬車があり、ペーターさんがその前に立っていた。

 私とお姉ちゃんは駆け足でそばに向かう。こちらに気づいたペーターさんが笑顔で迎えてくれる。


「お待たせしてごめんなさい。おはようございますペーターさん、アンナさんも」

「おはようございます。お待たせしましたぁ」

「いえ、大丈夫ですよ。おはようございます」

「おはようございます。道中よろしく願いします」


 ちょうど荷の確認が終わったところだと言うので、私たちも乗り込んですぐ出発する。

 馬車は一頭立てで、御者台と荷台には幌が付いている、幌馬車だ。御者台にペーターさんとアンナさんが座り、私たちは荷台の前の方に座った。荷物は少なめみたい。商人って帰りも仕入れで荷物をいっぱい積むんじゃないのかな。と、私が不思議に思って荷物を見ているとペーターさんが教えてくれた。


「妻の妊娠で急遽帰ることになりましたので、急ぎたいのもあってほとんど仕入れてないんですよ」

「なるほど。道中は私たちが全力でお守りしますね」

「シズクたちに任せてねぇ」

「「よろしくお願いします」」


 ペーターさんとアンナさんが揃って頭を下げてくる。


「私たちが乗せてもらう立場ですし、どうぞ敬語や遠慮は不要です」

「わかりました。ですがこれが癖でして、ご容赦ください」


 ペーターさんはそう言って笑う。いい人だな。

 御者台に座ったペーターさんがそれでは出発します、と馬を操って歩かせる。すると馬車も動き出した。乗合馬車には乗ったことあったけど、荷馬車は初めてだ。

 街を出て、初めの周囲は畑だった。街の西側では見たことなかったから知らなかった景色だ。牧畜だけだと思ったけど、野菜とかも育ててるんだね。通りでおいしい野菜がいっぱい食べられたわけだ。それを抜けるとすぐに、牧草地帯が現れて、広大な柵の中で牛や羊などが放し飼いされているのが見えた。そんな草原の間に敷かれた道を、馬車はのんびり進んでいく。


 ……痛い。


 少しして、お尻が痛くなってきた。乗合馬車と違って椅子じゃないからかなぁ。ダイレクトに地面の振動が伝わってくる。

 えっと、ストレージにクッションがあったはず。私はクッションを取り出してそれをお尻に敷く。もう一つ取り出してお姉ちゃんにも聞いてみる。


「お姉ちゃん、クッションいる?」

「自分の出すから平気よ」


 お姉ちゃんも自分のクッションをかばんから出したみたい。お尻痛いよね。

 それを聞いてたのか、ペーターさんも会話に加わる。


「すみません、荷台はクッションがなくて。……しかしそのかばん、もしや魔術具ですか?」

「あ、そうです。クッションまだありますけど、アンナさん使いますか?」

「いいですねぇ。荷物が一気に運べるんで、商人にとっては夢のような魔術具です。アンナ、クッション借りるか? 振動が体に障らないか?」

「えぇ、ではありがたく一つお借りしますね」

「どうぞ、飲み物や食料もありますので、遠慮なく言ってください」

「アンナさん、具合が悪かったら言ってねぇ。魔術で治療できるから」

「聖属性魔術まで使えるんですか?! お二人が同行してくれたのは僥倖ですね」

「ありがとうございます。悪くなったら頼らせていただきますね」

「まっかせてぇ」


 のんびり会話をしながら、のんびり馬車は進む。最初の道中は何事もなく、お昼休憩にはちょうどいい空き地のようなスペースにきた。

 他の馬車も見える。ペーターさんに聞くと、どうやらここは川も近いし、休憩スポットらしい。

 私は食事にしようと、干し肉やパンを取り出したペーターさんを止める。


「実は行きつけのレストランの女の子にお弁当をもらったんです。多めに作ったらしいので、一緒に食べましょう」

「とってもおいしいわよぅ」

「では、お二人の対価に食事代を……」

「細かいことは気にしなくていいのよぅ」

「長い道中ですし、楽しんで行けたらと思います。途中獲物も狩るので食事は任せてください」

「ですが……」

「アンナさんに健康でいて欲しいですから!」

「あなた……」


 アンナさんがペーターさんの袖を引いて目で語る。


「アンナ……わかった。ではお言葉に甘えます。ただ、ディオンに着いたら覚悟してくださいね」

「では、その時はおいしいお店でも教えてくださいね」

「蒼ちゃんはご飯ばっかりねぇ」

「いいじゃない! おいしいご飯は大事でしょ!」


 みんなが笑い出す。私は照れながらお姉ちゃんに突っ込む。もう、食いしん坊じゃないんだからね。


「じゃ早速食べましょう! サンドイッチだそうですよ」


 私は包みをひらく。お姉ちゃんたち気をつけてねって、リタちゃんが書いたメモが入っている。お姉ちゃんって呼ばれた……。これはお姉ちゃんが妹にしたいって言ってたのもわかる。すごく嬉しい。

 中を見るとBLTサンド、卵サンドにハムサンド。あ、この燻製肉と玉ねぎのサンド、こないだあげたレッドタイラントバッファローで作った燻製っぽい。

 私は取り皿を三人に渡して勧める。みんなそれぞれ気になったものを取ったみたい。私はもちろん燻製肉と玉ねぎのサンド。いただきます。

 照り焼きソースみたいな味付けに燻製肉と玉ねぎがとてもマッチしていて、パンにも味が染み込んでいていつまでも楽しめる。燻製肉は、食感が硬くなるのを防ぐために細かく切ってあって食べやすく、噛むたびにソースだけじゃないお肉のうまみが出てきてとても満足。リタちゃんサンド、とってもおいしい。

 私は他のサンドにも手を伸ばす。BLTサンドはトマトがとても甘くて、卵サンドはふんわりとしていた。ハムサンドのハムはカルロさんが作ったのか、スパイスがふんだんに使われていて他との味変に最高だった。


「リタちゃんのサンドイッチおいしいわねぇ」

「おいしいですね特にこの燻製肉、魔物の肉でしょうか」

「私はこの卵サンドが好みです。優しい味がします」


 結構な量があったけど、四人でちょうど食べ切って、みんな満腹になったみたい。リタちゃん、ごちそうさまでした。

 私はハーブティーを淹れて三人に振る舞う。今では『ウォーター』で初めからお湯も出せるようになったけど、『ヒート』の魔術を使って少し沸騰させると、空気が入ってお茶がおいしくなる。ペーターさんとアンナさんにも好評いただいた。

 食休みをして再び馬車にも乗り込む。馬さんも休憩できたかな、と思ったらお姉ちゃんがヒールを掛けていた。これで安心だね。

 馬車は再びのんびり進む。途中で雑談したり、休憩しながらのんびり進む。でも、野生動物はのんびりしてない。


「なにかいるわねぇ」

「魔物?」

「んー、この感じは野生動物ねぇ。こっちに向かってくるわ」

「ちょっと見てくる。ペーターさん」


 私はペーターさんに声をかけて馬車を止めてもらう。荷台を降りてお姉ちゃんが指差した左手前方を進む。

 草をがさがさとかき分けて野生動物は現れた。イタチだ。地球にいた頃は可愛いイメージだったけど、実際は結構凶暴。

 それに一メートル近くあってかなりの大型だ。馬さんか、荷台の食料を狙ってきたのかな。倒しちゃわないと。

 私は甲高い威嚇音を向けるイタチと向き合って魔術を詠唱する。『土 箱』っと。


『アースボックス』


 唱えると、イタチの四方を土壁が覆う。それはすぐに天井も作り出し、イタチを箱にとじこめる。アースジェイルだと格子の隙間から抜けちゃうんだよね。

 私はもう一つ詠唱する。『岩 針 数多』。


『アースニードル』


 酷いけど、今箱の中では無数の針が出てイタチを串刺しにしてるはず。すると思った通り、一度甲高い大きな鳴き声が聞こえたあと、威嚇音が止んだ。

 一応魔術感知をしてみる……反応なし。私は近づいて、箱の天井だけ開けて中を覗く。うわ、やったの私だけど、えぐ……。

 うーん、放置するか焼くか……。


「お姉ちゃーん!」

「はぁい」

「倒したんだけど焼いた方がいい? 放置した方がいい?」

「周囲の動物の意識が向くからそのままにしましょう」

「わかった!」


 私はアースボックスを解除して、剥き出しになったイタチの死体に合掌。そして馬車に戻る。


「もう倒したんですか?」

「えぇ、イタチ一匹でしたし。大きかったけどもう大丈夫ですよ」

「お強いんですね。助かります」


 ペーターさんとアンナさんが驚いたように言う。でもお姉ちゃんと私はマイペースだ。


「イタチっておいしくないのよねぇ」

「臭いすごいし、手間がかかるからあまり調理したくない……。あ、死体は見ない方がいいです。ちょっとだけ迂回して進みましょう」

「わかりました」


 そうして馬車はのんびり進む。

 日暮れになったので今日はここまで。どうやらペーターさんは急ぎたいあまりに失念していて、新鮮な食料をほとんど買ってこなかったらしい。

 味気ない食事は嫌だし、私もお姉ちゃんも妊婦のアンナさんにそんな食事をさせたくなかったので、食料をストレージから出す。

 ペーターさんとアンナさんは申し訳なさそうにしていたけど、私もお姉ちゃんも気にしてない。それより、上級料理スキル持ちの腕の見せ所である。

 今日は野菜スープと、一角ウサギの葉包みにしようかな。サイコロ状にすればアンナさんも食べやすいでしょう。おいしくて結構はまっちゃったんだよね。

 私はストレージから食材を通り出して下拵えをしていく。面倒だから浮かせて切っちゃおう。『フロート』と『エアカッター』でささっと切ってお鍋に投入していく。煮込む間に、フライパンにサイコロ状にした一角ウサギの肉を放り込み、火にかけて焼き上げる。

 一角ウサギ肉を包むレタスも、ストレージだから新鮮なまま保存できてるし、ウォッシュで土などの汚れも取れるし、いい感じ。

 じっくり煮込まず、野菜が柔らかくなったところを見計らって完成にする。

 お肉はお大皿で、スープは器によそって召し上がれ。

 

「「「いただきます」」」


 三人が食べて、おいしいって評価をいただいたところで私も食べ始める。いただきます。


「アオイさん、これなんの肉ですか? うまいです」

「それは一角ウサギのお肉ですよ」

「そこそこ高くていい肉じゃないですか……」

「いっぱいあるし、また狩ってくるからいいのよぅ」

「アンナさん、食べられそうですか?」

「はい、おいしくいただいてます」

「よかったです。食べやすい味付けとかあったら教えてください。参考にしますので」

「えっと、酸っぱい方が食べやすいです……。わがままを申してすみません」

「いいえ、お気になさらず、明日はそうしますね」

「ありがとうございます」

「アンナの体調を気遣っていただいて、ありがとうございます」

「いいんですよ」


 そんな話をしながら食事は進む。馬車移動とはいえ気を張っていたからか、お腹は空くらしい。

 今は、みんなでご飯を平らげて食後のお茶を飲んでいるところだ。ごちそうさまでした。


「アンナさん、疲れはどう? ヒールしましょうか」


 お姉ちゃんがアンナさんに尋ねる。


「そこまでしていただくわけには……」

「ヒールくらいならすぐ魔力も回復するし、大丈夫よぅ」

「生活魔術は使えますか? 体の洗浄と衣服の洗濯はできますよ」


 私も追従して聞いてみる。


「私たちは水を出すくらいしかできなくて、助かりますが本当によろしいんですか?」

「もちろんです」

「で、ではありがたく」


 私は全員に体の洗浄魔術の『バスタイム』、お姉ちゃんは『ヒール』を掛ける。アンナさんには『ミドルヒール』をしたらしい。一人だけ掛けた時の魔術陣の色が、ちょっと濃かった。


「体が楽になりました。ありがとうございます」

「ありがとうございます。それに、スッキリしますね」

「お姉ちゃんありがとね」

「蒼ちゃんもありがと」


 二人は荷台で、私たちはテントの中で眠ることにする。見張りは私が先、お姉ちゃんがあとだ。と言っても、お姉ちゃんが結界魔術を使ってくれたから、よほどの魔物じゃない限り来れないと思う。それに、うとうとしていても敵意が近づいてくれば、私もお姉ちゃんもわかる。それくらいできないと、あのリエラの地獄の特訓は生き残れない。でも念のため日課の訓練はお休み。お姉ちゃんは日記を書いて先に眠った。

 私の見張りの間は、特に敵が来ることもなく過ぎていった。そろそろお姉ちゃんを起こそう。


「お姉ちゃん、交代だよ」

「うん……。わかったぁ……。すやぁ……」

「わかってないじゃない……。お姉ちゃん! 交代!」

「蒼ちゃんが、リエラちゃんと双子コーデして……天使?」

「これはダメね……」


 もういいや、結界あるし、私も寝ちゃおう。おやすみ!

評価、ブクマ、いいね、誤字報告いつもありがとうございます。

今回も楽しんでいただければ幸いです。

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