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太陽

作者: 紀樹

その子はいつも泣いていました


静かな暗闇の中で大声をあげながら


でも決して明るみには出しませんでした

ただただ感情のない微笑みを作り…


心に蓄積される闇


そのことに恐怖も抱いていました


闇を悟られないように

彼女を包む殻は次第に堅さを増していきました




「おはよ」

誰もいないと知りながら独り呟く


彼女は親から僅かな資金とプレハブを用意され

彼女の家の庭に住んでいた


水回りがないだけで電気も通っている自分だけの家

半独り暮らし


「今日は3時間は眠れたな」


AM4:00

目覚ましのセットは5時半

でもそれにお世話になることはなかった


会社からは一月前から休暇をもらっていた


つまりやることなし


「今日はどうやって一日過ご…」


そこまで言いかけて独りで呟く事への虚しさを感じてやめた


彼女の趣味は音楽と読書とネット


とりあえずmixiをチェックすることにする


異常なし


当然だ

ずっと日記更新してないしな…


ちょっと自虐的に笑う


何もしないことは何にもつながらないことは

分かっていた


けれど馬鹿みたいに日記に


寂しいでーす☆


なんて書くことは躊躇われた


以前コミュに

絡んで下さい☆


と書いたら(相手には失礼だが)失望するような

頭の悪いメッセージが来た


彼女の今までの恋愛は最低だったし

変な男からのマイミク申請はお断りだった


もちろん最初は嬉しかったのは事実だけど


それでも誰かからメッセ待ってる自分は馬鹿だな


自己嫌悪に陥りそうになり

静かにパソコンを閉じた



眠れないのは分かっていたが取り敢えずもう一度だいぶ慣れてきた布団

(彼女は元々ベッド暮らしだったのだ)にくるまって


夜になったらまたチャットしようかな


とか考えた


3日前位から始めたチャットには結構依存していた

何しろ時間を忘れられる


彼女は時計が嫌いだった

だから秒針のするものは家にもってこなかった

異常なほど時間を気にしてしまうのは昔入院して以来だ


生き急いでるのかな


自分が思ったより時間が経過してないとがっかりする


あ、7時だ


嫌だと思いつつも見た時計は自分が思っていたよりも進んでいた

ごそごそと布団から出て朝ご飯を食べる


ご飯に鮭のふりかけ

おかずなし


いつもと同じメニュー

携帯でニュースを見つつ黙々と食べる

食べながら


何故ニュースがない日はないんだろう


とか考えた自分になかなかまだ世の中のことを嫌っていない自分に

うれしさを感じた


まあゴシップばっかだけど


茶碗一杯のご飯はあっという間になくなった


それからだらだらと一日が過ぎていった




その日は朝から違う気がした

昔から勘は当たる方だった彼女は何かを期待していた


馬鹿だな…


パソコンをいじりつつ

また進歩のない空回りな考えの自分にがっかりした


残酷に時間は過ぎていきあっさり自分の勘は裏切られた






かのように思えた


お?


携帯が振動した


まぁどうせDNだろ 


とか思いつつもいそいそチェックする

mixiからだった

急いでパソコンのページをmixiに飛ばす

携帯代は極力抑えたいのだ


×××より





そこから始まる物語はまだ白紙

夜に沈む夕陽はまぶしい朝日に出会えたのだ




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