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俺が知っている世界は、こんな幻想物語じゃない  作者: オレンジ
一章 世界に蔓延るモンスターと共に
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序話1(語り)

久しぶりに小説投稿始めます。

久々なので拙い部分もあると思いますがよろしくお願いします。

 スキル。


 この世界が一変してから、俺達人類が生き残る為に必要とした能力。


 そして、平等を美徳としていた日本を否応なしに差別社会にしせしめた。


 カースト底辺。


 その日を境に俺、真島翔が与えられたレッテルだ。


 俺が得た能力は翻訳と速駆けだった。戦闘系スキルは与えられず、モンスターが魍魎跋扈するこの世界では役立たずだった。


 外国人やモンスターの言葉がわかっても、速く走れたとしても、戦闘系スキルがなければ最弱のモンスター一匹殺せないのが新たなこの世界だった。


 生きだけなら、別にこの二つのスキルでも構わないだろう。だが、俺はどうしてもモンスターを殺せるスキル、せめて退けるスキルが欲しかった。荒廃したこの世界でも旅しうる為にも……。


 絶望した。


 絶望した。


 絶望した。


 絶望した。


 絶望した。


 茫然自失。己のスキルを三日三晩、いやそれ以上の期間、何も手につかなかった。本当に何もなかった。


 そう思っていたのに、結局、俺はどうしても行きたい場所があって、そこに行くことしか頭に思い浮かばなかった。


 努力した。違うな兎に角足掻いてみた。戦闘系スキルをどうにかして得られないかと、素振りをしてみたり、戦闘系スキル持ちに師事したり、座禅をくんだり、只管に詠唱したりと思い付く限り、そして、人の眉唾な噂にすがりついた。挙げ句、スキル無しでもモンスターを倒そうとして死にかけた。


 そして、結局、成果は一つもなかった。


 その間に五年の月日が流れていた。


 そして、いまだに諦めきれずに見えない希望にすがりついていた。


 半ば、足掻き続けていたため、今までやったことが本当の意味で無駄なことだったと突き付けられるのが怖くて、泥沼に嵌まったようにこの状況から抜け出せずにいた。


 だからこそ、余計に足掻き続けることで自己肯定感を誤魔化していた。


 前にも進めず後にも引けず、雁字搦めで動けずに闇雲に時間が過ぎ去る焦燥感に苛まれ、真綿で首を締め続けられているかのようで心身ともに疲弊していた。


 だからだろう。両手で広げた羊皮紙に書かれた言葉が理解出来なかった。もちろん、翻訳スキルは文字でも翻訳してくれるので読めない訳ではない。まさに茫然自失。


 羊皮紙に書かれていた内容は己の識別鑑定の結果だった。


 名前 真島 翔

 種類 人種

 能力 翻訳 速駆け 槍術

 加護 水の守り神の恩恵 リザードマンの戦士クドガの承認


 羊皮紙を持つ手は驚きか、それとも歓喜のためか震えていた。


 戦闘系スキルが一つ増えていた。

もう一つ序章と一章をUP予定。


面白いと思って頂いた方は、下にある☆のマークで評価頂けると幸いです。

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