if -innocence fact- セカイの中心で…
故に、この世界は滅亡した。
何の脈略もなく、最初は世界中から電気が消えた。次にガス、水、電気と消えていき、最後に動物が消えていなくなった。私と隣の少年を残して。
少年は呑気に遊んでいる。それもそうだろう、世界の終わりというには相応しくない晴天だからだ。私は少年を横目に、これからどうするかを考えてみた。そして、残された人を探すか食料を確保するかの二択に至った。優先順位をつけ難い二択だけど、どちらにせよ『行動』するのに違いはない。
特撮ヒーローの玩具で遊ぶ少年の頭を軽く、ぽんぽん、と叩いて、私は歩き出した。後を追って少年が走ってくる。
まず初めにどこへ行こうか。道路には無人の車が放置されている。交通機関も止まっているだろう。どこへ行くかではなく、どこへ行けるかが問題なのかもしれない。そんなことを考えながら、休むことなくひたすら歩く。
終わった世界の中心から、私と少年の足跡は続く。