クリスマスの奇跡
こんばんは、遊月です!
Twitterの【創作試験問題】タグから思い付いたお話でしたが、ようやくツイートした場面まで書くことができました♪
本編スタートです!
変化に気付いたのは、目覚めた次の朝だった。
“神”なんてものがいるなんて信じてない俺としては、昨夜見たものなんてただの酔いすぎかテクノブレイク前の幻覚くらいのものだと思っていたし、何よりクリスマスなんて言っても結局は平日。
俺みたいなしがないサラリーマンにとっては、朝日の差し込むホテル街をどこか満たされたような表情で歩いているカップルを見ることくらいしか癒しのない日だ。
…………いや、むしろそれがストレッサーなんじゃないか?
そんなことを思いながらティッシュまみれの部屋を出たとき、もう変化は訪れていた。
隣に住んでいるカップルのうち彼女の方が……、なんて言ったらいいか、とにかく知らないおっさんと浮気をしていた。それも、かなり過激なタイプの。
『いやぁ、もう浮気とか考えられないですよ~、アタシ永久にあの人のものなんで♪』
そんなこと言ってたのと同じ子だとは思えない声をあげて、とろけきった顔はなんというか、もう誘ってんじゃないかくらいの勢いがある。
「あぁ、おはようございます。どうです、仕事前に一発?」
しかもおっさんの方は、俺に見られている状況で平然とそんな挨拶をしてくる。おいおい、なんだこれ!? 女の方はというと、そんなこと言われてるのに全然気にした様子がない。な、なんだよ、これ……。
「い、いやっ、けっこうですんでっ!」
とにかくこの場を離れないとやばい!
慌てて走ってアパートから離れる。
そして通りに飛び出したとき、そこはもはや非日常の世界と化していた。
そこかしこから聞こえる艶っぽい声、水っぽい音。
そこかしこで目に入る、どう考えても異常な光景。
「なんだよ、これ……!」
みんながみんな、嬉々としてその状況を受け入れている。なんだよ、なんだよこの童貞の妄想みたいな世界は!? 確かにこんな妄想したことはある、催淫ガスのばら撒かれたバスのなかで酒池肉林……とかそういう妄想はしていた、していたさ!
けど、こんなのおかしいだろ!?
怖くなって駆け出した。会社に行こう、会社に行って仕事しよう、そうしたらもしかしたら夢から覚めるかも知れない、だってこんなのおかしいだろ? 老若男女がただ獣みたいに、なんて……!
そう思って走り続けて、でも日頃の運動不足が祟って無様にコケたそのとき。
信じられないものを、見た。
前書きに引き続き、遊月です。
子どもの頃にこういう妄想したことあるな、というお話です。実際叶うと恐ろしいような妄想も、無邪気にしてしまうものだと思います!
ということで、また次回!
ではではっ!!