クリぼっちのない世界へ
こんにちは、遊月です!
神と出会った吉村は、果たして……!?
クリぼっちを嘆きながら眠ろうとした俺のところに、“神”が現れた。
「望みを言い賜え」
尊大な口調で言い放つ“神”は、ただ“神”だと形容するしかなかった。どっかの爺さんみたいな見た目をしているわけでもなく、ギリシャ彫刻みたいな肉体をしているわけでもない。強いて言うなら――という表現すら思い当たらないような、何とも言えない存在。
ただ、そこにいるだけで「あぁ、俺の目の前には神様とやらがいるんだ」と思わされてしまうような、圧倒的すぎる存在感があった。
その“神”が、また俺に問いかける。
「望みを言い賜え」
この“神”、案外しつこい。
思えばこのときの俺は冷静じゃなかった。普段ならもっとちゃんと考えて、考えて、考えすぎていたくらいだろう。
だって、色々あるから。
一生遊んで暮らせる金がほしい、とか。
トップモデルと付き合いたいだとか。
そろそろ新しい車だってほしかったし、現実的じゃないところなら時間を止められるようにもなりたい。
けど、たぶんイラついていたこともあって、咄嗟にこう言っていた。
「あんたが本当に神様だってんなら、この世からリア充をなくしてみろよ」
「承った」
あまりにも簡単そうに、“神”は言った。
え、と聞き返す暇さえ与えず、“神”は「では、この世界に奇跡を与えよう」と重々しい声で言って消えた。え、なんだったんだ? 夢……にしては意識がはっきりしてるし……。
まさか、俺テクノブレイク寸前だった? 幻覚?
ちょっと怖くなってきて、慌てて目を瞑って眠ることにしたんだ。
その次の日、俺はその【奇跡】が夢や幻ではなかったことを知る。
前書きに引き続き、遊月です!
吉村の私怨たっぷりの願いをあっさりと聞き入れた“神”。果たして、世界はどう変わったのか……!?
また次回お会いしましょう♪
ではではっ!!