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熱冷まし………………?―雪乃

ついに50話ですよ。

ベッドの上と下で、お互いに荒い息をつく。…………わ、私の『ファースト』、奪い返されちゃった………………。

「ゆ、雪乃………………怒ってる…………?」

「な、なんで………………よ…………」

「い、いきなり…………キスして…………しかも、ヘタッピで…………」

「………………そうね、歯がぶつかって、正直そんなに気持ちのいいものじゃなかったわ………………。でもっ………………そんなの、これからいくらでも練習できるから………………いいじゃない。」

「…………れ、練習って………………」

望乃夏が火照った顔で問い返す。そ、そんなの聞き返さないでよ…………

「き、決まってる、じゃない…………わ、私で良ければいくらでも練習台になるからっ………………で、でも、今みたいなヘタクソすぎるのは、もう、ごめんなんだからっ…………/////」

混乱する頭で望乃夏に言い返す。………………私から始まったことなのに、なんでこんなにドキドキするの………………。

「そ、その………………いつか、上手くなるから…………当分は、ほっぺで勘弁して………………」

「か、構わないけど…………。」

………………望乃夏のヘタレ。


うどんを食べてぽかぽかした上に、さっき『あんな事』をしたから私の身体はもっと火照ってきて…………おでこを触ると、小粒の汗。それにエアコンも少し暑いかも………………

「雪乃、また汗かいてるね………………これだけ汗かいたから、もう熱は下がってるかな…………」

と、またおでこを近づけてくる望乃夏。その頭を両手で押しとどめる。

「ま、また熱上がってきそうだからそれはやめて………………素直に体温計ちょうだい…………」

少し不満げな望乃夏は、それでも体温計を渡してくる。脇に差し込むと、朝よりも体温の上がる速さは遅くて、…………それでも、微熱が残ってる。

「朝よりは下がったのかな?でもまだ熱は残ってるね。」

「…………早く下げて、練習に戻りたいんだけど………………。」

「………………まぁ、熱を一発で即座に下げる方法なら無くはないんだけど………………」

「え、あるの?………………何よもう、それを早く言いなさいよ…………。」

何のために1日寝てたのか分からないじゃない………………。

「で、でもこれは………………絶対雪乃は嫌がるし………………」

「そんな方法があるなら早く言いなさいよ、ったく………………それに熱が下がるんなら何だっていいわ。」

望乃夏が大きくため息をつく。

「………………わかった、…………身体に負担かかるからあんまりやりたくはないんだけど………………。」

「何だって構わないわ、この熱が下がるんだったら。」

「………………そう、なら…………雪乃…………………………お尻出して。」

「………………………………え?」

「だから………………雪乃、お尻出して…………。」

「………………どうやら、私の熱は耳までおかしくしたみたいね………………望乃夏が変なこと言ってるように聞こえるわ…………」

「………………いや、割と本気で言ってるんだけど………………」

と、私のおへそに手をかける望乃夏。…………………………本気、なの!?

「の、望乃夏っ…………ふざけるのもいい加減にしなさいっ!?なんで熱下げるのにオシリ出さなきゃいけないのっ!?」

「だから雪乃は絶対嫌がるって言ったのに………………。」

「わ、私のオシリに何するつもりなの!?」

慌ててズボンを押さえる。

「………………………最終手段の………………座薬を…………」

「ほへ?」

「いや、熱を一発で下げる方法は…………座薬が一番なんだけど…………絶対雪乃嫌がるから言わなかったのに………………」

ぽふん、と顔が爆発する。

「そ、それならそうと言いなさいよ、もう………………。」

………………もちろん望乃夏にオシリ見せるのは嫌だけど。………………そういうことなら、先に言って欲しかったわ………………。

ああ、これは当分熱冷めそうにないかも………………

┌(┌'ω')┐<まめちしき

望乃夏:…………座薬は胃を通らない分経口投与よりも即効性が極めて高いから、ほんとにすぐ下げたい時にはいいんだけど………………その分身体にかける負担も大きいから雪乃に勧めなかったんだけど………………

雪乃:(望乃夏の、バカ…………)

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