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プランその1。―雪乃

………………全くもう、情緒がないんだから。

ストローに詰まるアイスを気合で吸い上げながら、望乃夏のことを眺める。

………………普通こういう時は、高級レストランは無理としてもファミレスぐらいは行くものでしょ。なのに………………何が悲しくてデートでハンバーガー食べなきゃいけないのよ……………………。ま、望乃夏らしいと言えばそうだけど。

その時、望乃夏が私の視線に気づいて顔を上げる。

「どうしたの?」

「………………別に」

「そう?」

また顔を落として食べることに集中する望乃夏。………………へぇ、見かけによらず食べるのね。これじゃ家の食費が………………って、私は何を考えてるの!?

頭を振って、ひょこっと湧いた希望的観測を忘れようとする。

「………………どうしたの雪乃…………さっきからずっと変だよ…………?」

「う、うるさい………………。」

………………ダメね、私のペースが維持出来ない。ある意味、相手チームにいて欲しくないタイプ。

「…………好き。」

思わず飲んでいたものを喉に詰まらせかける。

「ちょ、いきなり何言って」

「え、いや、この味好きだなって言っただけだよ……………………雪乃、やっぱり変だよ…………。」

なっ………………

「………………おかしくなってるのは………………あんたのせいだって自覚ないの…………?」

「………………やっぱり?」

「………………気がついてるならなおタチ悪いわ………………いいわ、後で覚えてなさい。」

私の頭の中で、この後のプランが組み立てられていった。

食べ終えたゴミを乱雑にゴミ箱に投げ込むと、そのままスタスタと店を出ていく。

「あ、雪乃、待って。」

そんな声を後ろで聞きつつ、私は道なりに進んでいって…………。ある店の前で止まる。

「もう、どうしたの雪乃。」

「………………望乃夏、今からちょっと身体貸してもらうわよ。」

そう言った途端望乃夏が仰け反って、腕で身体を覆い隠す。

「ちょっと…………ボクそういうのはまだ………………」

「ちょ、ちょっとナニ想像してんのよ!?」

私も真っ赤になって反撃する。…………それもいいかも、とか一瞬思った自分もついでに頭の中から追い出す。

「……………あーもう、行くわよ。」

と、望乃夏の手を引いて「店」の中へと入っていく。

※別に怪しいことはしません………………しないはずだよね君たちぃ!?

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