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落ちこぼれ魔導師が学園で何かを始めるようです!  作者: とら猫の尻尾
第2章 落ちこぼれ魔導師、同好会をつくる
32/60

第14話-2

「じゃあここに名前と、相談内容を簡単に記入してくれ」


 今日は占い同好会(未承認)提供『占いの館』のオープン初日だ。

 廊下にいる相談者を整理するのが角田修平。

 僕は受付の仕事をしている。

 まだ顧問すら決まっていない同好会のため大々的な宣伝もできず、来ているのは修平が声をかけたクラスの女子だけなのだが、まだ廊下に2、3人は待っているな。

 修平は営業マンの才覚があるみたいだ。

 

「栗沢さんありがとう。とても勇気が出てきたわ」

「それはよかったです。また来てね!」

 占い相談を終えた女子は僕にもぺこりと頭を下げて出て行った。


「じゃあ入っていいよ」

 先ほど受付を行った女子がエレナの待つ占いの館へ入っていく。

 相談内容は将来の夢が実現するかどうか知りたいらしい。

 相談者が入ると同時に廊下で待っている1人が受付にやってくる。

 そんなシステムで、かれこれ1時間ぐらい運営している。

 女子の占い人気すごいな。


「桂木君…… よろしくね」

 入ってきたのは授業中によく僕と目が合う坂本さんだ。

 目があった瞬間にプイッとそっぽを向かれるから僕のことを嫌っているんだろう。

 僕、何かしたかな?

 坂本さんは、受付用紙を書きながらちらちら僕を見ている。

 本当になんなんだろう?

 相談内容は…… 恋占いのようだ。

 あっ、また目があった……

 坂本さんは顔が真っ赤になっている。

 6月にしては今日は気温が高いから暑さのせいだろう。

 うちわで扇いであげたいけど、余計なことをしたら更に嫌わそうだ。


「栗沢さんありがとう。私頑張ってみるわ!」

「いい結果で私もうれしいわ。また来てね」

 将来の夢は見通しが明るいという結果が出たようだ。

 あ、坂本さん…… 今にも倒れそうなぐらい汗をかいていますけど大丈夫ですか?


「で、では次のお方…… どうぞお入りくださいませ……」

 僕は必要以上に丁寧に言ってしまった。

 恥ずかしい……

 坂本さんが『占いの間』へ入っていき、次に受付に入ってきたのは角田修平だった。

 今入った坂本さんが本日最後の相談者のようだ。


「いやぁ、大盛況だったねー。クラスの女子の半数は来たよね」

 修平は満足そうに椅子にドカッと座った。

「お前がいてくれて助かった。宣伝お疲れさん」

「俺にできることはそれくらいだからねー。あっ、コバやんに頼まれた仕事があるから、今日はこれで引き上げるわ-」

 と言って去っていった。


 旧生物準備室を同好会で使わせてもらうために、小林先生に何か仕事を押しつけられたのだろうか? 明日詳しく訊いてみよう。

 あれ? 『占いの間』から何か言い争っている声がしている……


 聞き耳を立てているうちに、

「ひどい! あなたの占い、全部でたらめに決まってるわ!」

 そう言いながら、占いの間から出てきた。

「タロット占い、占星術、花占いすべてにおいてあなたの恋は成就することはないと出ているわ。諦めなさい!」

 エレナが強い口調で言った。

 坂本さんは僕の顔を見るなり涙をあふれさせ、走り去っていった。


「おい、何があったんだ?」

 占いの間ではムラサキ色のベールを被ったエレナが何かぶつぶつ言っていた。


「何なのよあの女。地獄に堕ちろー……」


 こわっ!


 僕は廊下に避難してエレナが落ち着くのを待つことにした。


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