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落ちこぼれ魔導師が学園で何かを始めるようです!  作者: とら猫の尻尾
第1章 落ちこぼれ魔導師、普通の高校へ行く
22/60

第9話-5

「これでスッキリしました!」


 僕たち2人で始めた引っ越し荷物の整理は、小一時間で終わった。

 段ボールが4個。

 その他は衣装ケースとカラーボックスのみ。

 あとは簡単引っ越しパックで業者が運んでくれる。

 費用はエレナの親が出してくれたらしい。

 詳しい事情、ちゃんと話して理解を示してくれたのかな。

 ちょっと心配。


 階段を降りていると、3号室のドアが開いた。

「エレナちゃん、引っ越しだって?」

「あ、小林さん。昨日は地図ありがとうございました」

「エレナちゃんがいなくなっちゃうと寂しいよ。あれ? お友達?」

「こちら大学生の小林さんです。こちらは私の…… 私の……」

「私の……?」/「私の……?」

 僕と小林さんの声がハモってしまった。

 エレナは、顔を真っ赤にしながら目をぎゅっとつぶり、


「私の彼氏の桂木悟さんです!!」


 僕の頭の中で、ラッパをくわえた天使が『パンパカパーン』と祝福してくれた。

 桂木悟16歳、彼女いない歴16年目の記録は抹消され、暗黒の15年が幕を閉じた瞬間である。


 小林さん、3号室のドアに寄りかかり、ずり落ちそうになった黒縁メガネを直している。微妙にがっかりしているようなんですが……

 ひょっとして、狙っていました? 

 あれ? 前にどこかで会いましたか?

 気のせいかな……


 家に戻ると疲れ切った表情の母とげっそりやつれたバットが出迎えてくれた。

 母は開口一番、

「ゴールデンウィーク中は居候させてあげる、とは言ったけど、何なの? あの荷物の山は!」

 指の先には、段ボール4個と衣装ケースなどが積んであった。

「あ、お構いなく。荷物の整理は私たちでやりますから」

「えっ? それって僕も入ってる?」

「当たり前でしょ。私はあなたの『彼女』なんですから!」

「この泥棒猫! かっくんに手を出したわね-!」

「私は年増悪魔の策略から悟さんを守ると決めたんだからぁ-!」


 朝に引き続き、第2ラウンドが勃発した。


「なあバット、ぬいぐるみなのに若干やつれて見えるけど…… 何かあったのか?」

「いろいろあったんだよ。今日一日で…… 疲れたわー」

 僕はムラサキ色のコウモリのぬいぐるみを膝に乗せて、ケンカが収まるのをのんびりと待つことにした。


 第9話 おわり

 次回は 第10話 入学手続き【ヒロイン視点】

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