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落ちこぼれ魔導師が学園で何かを始めるようです!  作者: とら猫の尻尾
第1章 落ちこぼれ魔導師、普通の高校へ行く
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第9話-3

「……趣があるアパートだ」

「素直に『ぼろいね』と言ってくれた方が気が楽です」


 大型ショッピングセンターから歩いて10分ほどの所に、エレナが住んでいるアパートがあった。2階建て12部屋の、確かにぼろいアパートだった。

「アパートはおんぼろでも、ここの住人はみんないい人ばかりです!」

 アパートを見上げる僕の正面で、両手を広げてそういうエレナが輝いて見えた。


 薄汚れた共同玄関から上がると、ギシギシと音がなる板張り廊下が続いていた。

「エレナちゃんおかえり。昨夜はどこへ行っていたの。おばさん心配したわよ」

 4号室と書かれた部屋のドアから、60代後半と思われるお婆さんが声をかけてきた。

「ただいま、おばさん。昨夜はこの人の家に泊めてもらいました」

 とエレナが僕を紹介しようとするが……

 お婆さんはエレナの服の乱れに気付いて、

「エレナちゃん、ごめんなさい。おばさん守ってあげられなかったね…… でも大丈夫。もう大丈夫よ」

 と言ってエレナをぎゅっと抱きしめながら僕をジロリと睨み付けた。

 呆然と立ち尽くす僕。

「えっ? あっ! ちが……」

 エレナは弁解してくれそうな声を上げているけど通じていない。

 お婆さんはエレナを抱きしめたまま『バタン!』とドアを閉めてしまった。

 廊下に一人取り残される僕。


「ええーっ、どうしてこうなったあー?!」


 全人類が敵に回った瞬間であった。

 世界の片隅で静かに生きていかなければならない僕なんかが、彼女を作ってしまったことで天罰が下ったのだ。


 ……あれっ?

 エレナは僕の彼女?

 昨日から成り行きで、既成事実が積み重なっているように錯覚していたけど、僕たちはまだ何もしていない。そして互いの意志の確認も……

 そもそも僕はエレナが好きなのか?

 一人薄暗い廊下に立たされている僕は、自分の気持ちにも半信半疑になってきた。


 その時、4号室のドアが『バーン!』

 勢いよく開け放たれた。


「じゃーん! 新しい衣装に着替えましたー!」

 Vサインを僕に突きだし、得意げにポーズを付けるエレナ。


「4号室のおばさんは、服飾学校の先生なのよ。私が欲しいなって言ったら作ってくれたの。これで3着目よ!」

 僕の目の前で、くるくる回って見せびらかすエレナの衣装は、黒を基調に白いレースをあしらっている。正直、僕には前作との違いは分からないけど……


 最高に可愛いです!


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