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パーティー(5)

 彩芽は聴取を終えた父と合流し警察から解放されるまで広場のソファーで時間を潰して

おり、自分なりに考えた事件の展開を父に聞かせていた。


「ねぇ、お父様! この事件はただの殺人事件じゃないわ! だって海軍将校の殺害よ? 

きっと暗殺なのよ――――と言うことは犯人は他国から潜入して来たスパイじゃないかしら……」


「コレ! やめなさい、人様が亡くなったんだ」


「でも、お父様!」


「子供が滅多なことは言うもんじゃない、事件は警察の人が解決するから」


 彩芽は子供扱いされたことに腹を立てソッポを向いて歩き始めた。


 父親が慌てて呼び止める。


「おーい、何処へ行く?」


「お手洗いよ!」


 そう言うと彩芽は長い髪を片手でかき上げて扇上に広げ、歩き去った。


 外交官は職業柄、海外での滞在や国外転勤がばかり、その為、外交官の父を持つ彩芽は幼少の頃から海外での暮らし学校を転校が多かった。

 学校の生徒と仲良くなっても直ぐに別れてしまう。


 幼少の頃に母を病気で亡くし父一人娘一人の為、父は外交官の中では転勤しやすかったのだろう。


 その代り見聞や先見の目は誰よりも養われた。以前、イギリスに滞在中、父親に連れられて大使館のパーティーへ行った際はきらびやかなシャンデリアの下で貴族の男女達が踊る様子を見た。


 なんと優雅で綺麗だ。

 特に女性は身に着けたドレスやアクセサリーがシャンデリアの光に反射して輝きを増し硝子の女神のように見えた。ダンスは背筋が伸び軽やかなステップで会場内を舞い踊る。


 その姿は演劇のクルミ割り人形のように芸術的だ。


 日本と違い全てが高級志向。

 その光景を目の当たりにした彩芽には鮮烈な印象を残し英国の王族や貴族への憧れを強めた。


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