闘いの始まり
「ここよ」
声の聞こえた方に顔を向けると、朱山 雀が立っていた。
「お!雀、いつの間に来ていたんだ?」
「最初からいたわよ。将矢さんから呼び出し通知をもらった時には部屋の前にいたの」
雀はご立腹な様子で、俺に言ってきた。
「そうか。悪かったな」
一応、謝った俺に対して、見透かされてしまったのか頭を殴られてしまった。
「そこまでだ。二人とも」
それまで俺と雀のやり取りを見ていた将矢が、声を発した瞬間に長くなりそうだった
言い争いは終わり、二人して真面目な顔になった。
「それで、将矢さんどうしますか?これから」
将矢は少し考えた後、ある命令を下した。
「迅の話によれば、倒した悪魔から既にこの学園内に悪魔が数体潜入しているようだ。ということだ。そのことから悪魔と遭遇する可能性が極めて高い。よってこれからはNos2人にサポート1人の合計3人で行動してもらう。いいな?」
「はい。」「おう。」
「それでだ。迅、青山が帰ってくるまでの間、お前は雀と組んでもらう。サポートは誰でもいい」
俺はしぶしぶながらも頷いた。そして雀もいやいやではあったものの頷いた。
「それではいったん解散としよう。」
解散した後、俺と雀は由利の教室へ向かっていた。
「由利には悪いが、アイツの回復はかなり使える。サポートは任せようと思う」
「そうね。私もその方がいいと思うわ。由利ちゃんなら適任ね。」
そうして歩いていると、その先からいきなり悲鳴が聞こえた。
「雀、急ぐぞ。何かあったに違いない!」
俺と雀は全速力で走って、悲鳴の聞こえた場所へとたどり着くが
なんともうそこは血の海となっていた。
「いったい、どういうことだ!?俺たちが集まる前はなにも居なかったはずだったのに、なぜこんなことになっているんだ!!」
すると、どこからか、誰かの笑い声が聞こえてきた。
「どこだ!?」どこにいる!!出てきやがれ!!」
言葉にした瞬間、雀に後ろから引っ張られた。
「おい!雀、なんだ」
よ。という言葉を言おうとした時だった。天井から鎖が降ってきたのは
「迅、ぼっとしない!!来てたわよ!!上に」
俺が天井を見上げると、そこには蜘蛛のように張り付いた人間がいた。
そいつは地面に降り立つと、少し驚いていた。
「まさか、この私の鎖に気付くとはね。ふふふ。後1人は殺せると思ったけど、惜しいな」
不気味なそいつを見て、二人は「こいつがみんなを・・・」と考えた。
「さぁ、それじゃあ、普通に殺してあげましょうかね」
そいつは俺たちに対して、自分が勝てるという自信があると言った顔をこちらへ向けた。
「ああ、お前は俺たちで倒す!!」
戦いが始まった。