表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/18

旧Link.16

「こ、こっちに気付いているか?」

「まだ気付いてないみたいだ。けどどうする?」

「こういうときは見敵必殺でいく?」

「落ち着けスノー。正直レベルが足りないだろ」

「帰り道にいる、ならやるしかないじゃない!」


 初雪ちゃんはいつからこんな戦闘マニアに……(遠い目


「おいユクロス!おまえMPあとどれくらいだ?」

「モンスター探すのにめっちゃ使ったから、2割きってる」


 《周囲観察》は消費が少ない割に連続発動もしていたからな。


「それだと使いつつ避けるが出来そうにないな、少し離れてから、ぐるっと回って遠回りするか、相手が移動するかを待ってみるか?」

「あたって砕けないの?」

「砕ける前提はやめようぜ」

「それなら俺は、いままで戦闘ばっかりだったし、離れてアイテム集めつつ移動を待ちたいかな」

「それもいいかぁ、もしやられるならアイテム少しでも集めておくか」

「どうせやられるならあたって……」

「落ち着いてスノーさん」


 2人が言い合ってる間に俺は、少し離れたところの草むらに入り、草をむしってみる。

 すると、


薬草 品質:?

そのまま食べるとHPが品質レベル分回復する。ポーション等にしてから使うべき。


 品質が『?』なのはなんでだろうな?

 そんなことを考えつつ、種類の違うっぽい草をむしってみると、


調合・鑑定レベルが足りないので何の草かわからない。不用意に使うと危険。


 つまり……


「ほんとにおまえはもう少し、女の子らしく落ち着けって」

「意地があるのよ、女の子にもね!!」

「ほんとどうしたんだ?」

「なぁ、ブリザード」

「なんだ?」

「ちょっと見てみてくれないか?」

「ん?いいけど」

「あとスノーちゃん」

「なに?」

「やられずにゲームから出たら手作りのお菓子持っていこうか?」

「大人しくアイテム集めよっか♪」


 そう言いながら草を集め始めた。

 後で何を作ろうか。半端な物ではダメだろうからな。


「ありがとな悠」

「しかたないだろうな。ところでこの草を見てくれ。こいつをどう思う?」


そういって薬草を渡すと、吹雪は少し見てから、


「すごく、ただの草です」


 その反応からすると、やっぱり俺が《調合》を持っているからわかったのか?


「それ薬草みたいなんだよ」

「はぁ?こんな草がやくそ……本当だ」

「え?」

「おまえに薬草って教えてもらったら、これが薬草だってわかった」


 どういうことだ?

 そう思い考えていると、吹雪も草を集め始めた。

 そして、


「やっぱり、大半の草はわからないけど、薬草だけはわかるみたいだ」

「つまり、教えてもらわないと何なのかわからないってことか?」

「というより、知らないアイテムはわからないってことじゃないか?」

「そうなのかもな」

「おまえはなんで薬草だってわかったんだ?」

「たぶん、調合スキルがあるから?」

「さっきまで戦闘していたのにスキル入れてたのか?」

「スロットに余裕があったからつい……」

「それならわからないでもないが」




 そんなことを言いつつ草を集めていった結果、


薬草×20

不明な草×50

雑草×80


種類が不明な草は、調合レベルが上がればわかるだろうから残しておくが、雑草は、


雑草

雑草。使い道は無い。


とのことなのでその場で処分。

 不明な草を含めて、草はすべて俺に渡された。代わりに、今までに狩ったウサギ肉をいくつかわたす。


 そのあと、もう一度『ソウゲンハネウサギ』を確認してみると、いなくなっていた。


「よし、ウサギがいない。今のうちに街に急ごう」

「本当か!もう夜も目の前だし、街に急ぐぞ!」

「おっかしーおかしー」


 その後の帰りは、何事もなく、街に帰りつくころには日は完全に落ちていた。

 気になったのは、門のところで敬礼している人がいたことかな?

 冒険者なのに門番とかじゃないだろうし……


「何やっているんだ?さっさと売るもの売りにいくぞ」

「そうだな」


こうして1日目の狩りが終わった。




――――――――――――――――――――――――――――――――――――




???視点


 私は今、今日初めて会った同士で組んだパーティで冒険していたのだが、


「おい!早くしないと暗くなっちまうぞ!」

「おまえが遠くまで行こうって言ったんだろ!」

「二人とも落ち着け」

「そんなこといっても夜になると少し危険だからあわてるのも仕方ないんじゃないの?」

「それはそうだが」


 このように、遅い時間まで狩りをしすぎて夜が近付いてきてしまった。夜の狩りが危険なのは全員分かっていたのだけど、ついつい狩りをしすぎてしまった。……って、ん?


「ねえねえ、あそこで男と美少女2人の3人組が座り込んでいたけど?」

「そんなのアイテム集めていただけだろ!あと男は爆発しろ!」

「「「そうだ!爆発しろ!」」」


 そんなことを言っていると、右端から何かが飛んでくる。


「全員気をつけろ、何か飛んでくるぞ!」

「飛ぶってことはフニワトリじゃないのか?」

「……いや、違う!あきらかに大きさが違う」

「あれ見た感じウサギじゃないの?」

「……そういえば、聞いたことがあるんだけど」

「なんだ?」

「草原で気を付ける敵に大きくて羽根耳のウサギがいるって」

「つまりあいつは気を付けて倒すべきモンスターってことか?」

「なんでもβで、比較的強い6人パーティが全滅したとか」

「……それ下手するとボスクラスってことじゃないのか!?」

「多分」

「そんなやつ相手に出来るか!俺は逃げるぞって、ギャァァァ」

「槍使いが死んだ!」

「「「この人でなし!」」」

「っていうかあいつを一撃とかどう考えてもやばいぞ!」

「全員逃げろっ!」

「もうダメだ、勝てるわけがない」

「座り込むんじゃない!ってアーッ!」

「ヌァアアア!?」

「また2人やられたぞ!」

「固まっちゃだめだ、バラバラに逃げるぞ!」

「「わかった!」」


数十分後、北門にて。


「私以外全員死亡……無茶しやがって」


 そんなことをいって空に敬礼している人がいたとかなんとか。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ