旧Link.14
「とにかく、これで戦闘の仕方がわかっただろう?」
「あぁ。ゲームの説明にもあったが、だいたい現実そのままの動きが必要なんだな」
「そこがVRの重要なところだ。今までのゲームは、どんなに自由度が高くても、あくまでコントローラーを操作するから頭で考えないといけない。それにコマンドで動きが決められている。だがVRなら、自分の体でやっているようなものだから、体で反応できる。つまり、自分の思った通りの動きが出来るってことだ」
「あらためて聞くと、わくわくしてくるな」
「お姉ちゃん。私も早く戦いたいからモンスター探して」
「そうだね。っていっても、スキルの休憩時間?があるらしいから、いつわかるかわかんないよ」
「そうじゃなくて、MP消費で遠くが見えるんでしょ?それで周りを確認するだけでもいいんじゃないかな」
「なるほど。その発想はなかった。で、どうやって使うんだ?おしえてブリザード!」
「投げだすの速いな。アクティブスキルは声に出せば使えるぞ」
「ほうほう。それでは早速、《周囲観察》!」
すると、自分の中から何かが抜けるのと同時に、遠くがはっきり見えるようになった。
「お!お、おぅ」
「ねえねえ、どんなかんじなの?」
「えーと、あれだ。スキルレベルが低いのかどうか知らないけど、視力が上がった感じがする」
「……何か微妙だね」
うん。
「あ、ウサギが2羽いる」
残念な俺がそのまま観察していると、視界にウサギがあらわれた。……が、
「よし、じゃあ今度は二人で「あ!」どうしたよ?」
「他の人が気付かれたみたい」
「あちゃー。それじゃあそいつは諦めだな」
やっぱり、他人が戦闘中のモンスターは参加しちゃだめなのか。
「じゃあ違うの探すよ」
と、探し始めたのはいいんだが、
「さっきから、見つけるやつ見つけるやつ戦闘開始するな」
「うーん。人が増えてきたかな?」
「ぶー。早くヤッちゃいたいのに。……いっそ兄さんでもいいか(ぼそ」
「……俺の為にも早く見つけてくれ」
「とはいってもなぁ……」
出会うやつが戦闘中なのは仕方ないよなぁ。
「……む、できればもう少し戦ってからにしたかったが、もう少し森に近づこうか」
「森?」
「あぁ、北門を出たところは草原で見通しがいいんだが、さらに北に行くと森があるんだ。森に入ると虫型のモンスターが出てくるけど、入らなければ草原のモンスターと同じだからな。そこまでいけば人も少ないだろう」
「なるほどな。それじゃあスノーちゃ……」
「何やってるの、おっそーい!はやくいくよ!」
行動早すぎぃ。
そうしてしばらく歩いて行くと、前方にウサギが2羽。それを二人に伝えると、
「2羽か。それじゃあ、2人で試してこいよ。危なくなったら盾である俺の出番だからな」
「よし、いくよお姉ちゃん!」
「わかった!」
俺が短剣、初雪ちゃんが片手剣を抜いて駆けだす。
速さは俺の方があるようで、俺が先に近づき、1羽が気付いたところで少し横にずれる。
こうすれば、一対一でやりあえるはずだ。
「さぁ、正々堂々一対一で勝負だ」
無駄にカッコよく言ってみる。……相手はウサギだが。
そうしてウサギを引き寄せた後、俺は困ることになる。
「スノーちゃんに合わせて駆けだしたから、戦闘方法考えてねぇ!」
そんなことを言っているうちに、ウサギが体当たりをしてくる。
「おっと!」
それを避ければ、目の前にはウサギの後ろ姿。
そうだ、後ろから攻撃すればいいじゃない!
後ろからとか、正々堂々とは何なんだ?と聞かれそうだが……最終的に…勝てばよかろうなのだァァァァ!!
そうして短剣を振りおろそうとすると、
「あ!バカッ!」
「え?グァアアアッ!?」
俺は忘れていた。ウサギの攻撃は体当たりと後ろ蹴りだということを。
しかも後ろ蹴りって、飛び跳ねて高さ稼ぐのかよ!鳩尾に入ったから地味に痛い。
ちくしょう、倍返しだッ!っと思ってウサギを見ればそこには、
「お姉ちゃんにはいろいろ足りないけど、あえて言うなら、『速さが足りないっ』」
そんなことを言っている初雪ちゃんがいました。
「ほら、お姉ちゃん。減らしただけで倒してないからもう一回やってみなよ」
年下の女の子に心配されるほど弱いですか。
そんなこと言われないように頑張らないと、とウサギを見れば、こっちを見ている。
まるでウサギにバカにされたようだと思い、ついカッっとなって、手に持っていた短剣を投げつけてしまった。
そのまま短剣はウサギに刺さり、体力が減っていたためか、少したつと体力が尽きたようだ。
「おまえのダーツが上手いのは知っていたが、それでいいのか?」
「うっさい!」
そんなことを言いつつウサギからナイフを回収すると、
石の短剣 耐久:160
「耐久すっげぇ減る!?」
「そんなにか?」
「二人はどんなもん減った?」
「俺は15。一振り5くらいじゃないかな?」
「私も5ずつくらいで25」
「1回投げただけで40減った」
「それはひど……いや待てよ?」
「どうした?」
「刺さったあとのゲージを見たが、1回大きく減った後、小さかったが継続してダメが入っていたから、手から離れていても攻撃判定入っていたのかもな。その分減ったんじゃないか?」
「なるほど。……つまりどうあがいても投げたら耐久減るのが早いってことか?」
「だろうな」
俺の得意なダーツの技術、耐久的に使用不可なのん?
戦闘に参加したが、戦闘が成功とは言っていない。
あと、初期ナイフがATK+3なのに、木より上の石の短剣がATK+5なのは、いろいろおかしいので、
石の短剣 ATK+5 耐久:100
↓
石の短剣 ATK+8 耐久:200
に変更。
また、これに合わせて、
冒険者の服(女) VIT+5 耐久:200
↓
冒険者の服(女) VIT+10 耐久:500
に変更。