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モウガンが牛コス美少女になりました

現在、洞窟内でレベル稼ぎ中。


害獣たちを一掃しながら、位相を上げつつモウガンと一緒に進んでいる。ご主人様に何かあればピアスからすぐに呼び出されるため、こうしてレベル上げ出来るのはかなりありがたい。


レベル1の害獣たちは、今の俺たちにとっては歩く経験値だ。


お陰で“欲求位相”の【粘液操作】は【高等粘液制御】へ。

【触手】【衝撃吸収】【微再生】の三つは“目的位相”へ進化した結果、【多腕触手】【全方位衝撃吸収】【高速再生】となった。


そして新たに生存位相の【擬態】と【五感増加】の2つも獲得し、もはやスライムとは?と疑問を呈すレベルの強さになっちゃったのである。

まぁ、結局2次進化は出来なかったんですけどね……おかしいよ、普通ならレベルアップしてもおかしくないんだけど!?


だって、隣を見てほしい。


そこに巨乳牛コス美少女がおるじゃろ?


「……なに」


「ん、んきゅ」

(な、なんでもない)


冷たい眼差しを向けて、俺を上から見下ろす巨乳牛コス美少女。もちろん、俺が浮気した訳ではない。

ハルバードのような武器を担ぎ、ムチッとした肉感を惜しげも無く晒す肉体。茶色の髪と瞳を動かし、今も尚害獣を探す猪突猛進娘。


今まで俺に冷たい視線を送ってきていたのはモウガンの役割だったが──うん、進化しちゃった。


身体もとある部分もデカぁぁぁい!!!説明不要!!!って感じである。


「メル、まだ進化しないの?」


牛コスをヒラヒラさせながら、見下される。なんでだろう……ちょっと、変な扉開きそう。


ちなみにモンスターが着ている服みたいなやつは、全部モンスター自身の皮膚や爪や筋肉から生み出されたものだ。

つまり人型モンスターはみんな──全裸なのである。


なんか良くない考えを閃きそう。


だけどまぁ巨乳って言っても?

うちのご主人様の方がまだデカイんですけどね?


「んきゅんきゅ」

(ふっ、調子に乗るなよ!)


「ふんっ!」


「きゅっ!?」

(いだっ!?)


ふざけ過ぎて殴られた。

【全方位衝撃吸収】取ったはずなのに痛いんだけど……いや、待て。

【五感増加】のせいでダメージは食らってないのに、痛みだけ増加してる説ある……?


なんだこれクソスキルじゃねぇか!!!


とまぁ巫山戯るのは置いといて、モウガンは2次進化したことにより“グレートモー”から“カウガール”になった。

見た目の至る所に非常に開発者の癖を感じる。


頭には一対の角と、上から伸びる耳にはタグのようなものが付いている。

首元のカウベルが喋る度にジャラジャラ鳴り、腰からは尻尾が生えている。

しかも毛皮で覆われている胸に関しては、横乳が凄まじいことになっていた。


なんという癖だろう。

モウガンが進化した時は、あまりの癖の詰め込まれ具合に思わず開発者に感謝したくらいだ。


対して俺は未だに進化できないまま……やっぱデモンロリムって特殊進化なのだろうか?進化条件が分からないとこの先詰みなんだが?


「んきゅう」

(どうしようかね……)


「……やっぱり進化できないんだ。私の方がヴェスティ様の役に立てるね」


「きゅっ?」

(お?戦争か?やるぞおい、俺のスライム神拳が火を吹くぞ?)


「はぁ?何言ってるの?取り敢えず、そろそろヴェスティ様のところに戻るよ。早くこの姿を見てもらいたいし」


ふふん、とドヤ顔で胸を張るモウガン。

胸が……眼福です。何やら調子に乗っているが、生意気な後輩を持つのも先輩の宿命だ。


俺優しいし?許してやらんこともない。


害獣退治を切り上げ、目を閉じてご主人様のことを思い浮かべる。この動作はピアスに刻まれた名前と、飲み込んだご主人様の体液を共鳴させている。

簡単に言えば○ーラだ。


念じ終えればぎゅっと身体を掴まれた感覚になり……目を開ければ、見慣れた宿に着いていた。


ご主人様は……まだ寝てる。


「ぐっすりだね」


「んきゅ、んきゅきゅ?」

(寝顔も可愛いとか、うちのご主人様最強か?)


「分かる」


モウガンと一緒にご主人様の布団に入り、左右で包み込む。

左からデカチチ、デカチチ、ペチャパイ……これが胸威(きょうい)の戦闘力って奴か。


世の中は理不尽だ。


若干ハイライトが消えた瞳で二人の胸を眺めていると、モウガンがご主人様の首を撫でる。


「なにこれ」


「んきゅ?」

(どうした?)


「なんか変なマークが首にある」


……あー、それはキスマだな。俺が昨夜ばっちり付けた奴ですね。

とはいえモウガンに説明する訳にもいかないので、虫刺されだと適当に誤魔化しておいた。


「ふーん?」と釈然としていなさそうだったが、多分わかっていない……はず。モウガンが知るにはまだ早いからな。


まだ見ぬラスボスに向けて、そして今日やるらしいモンスターバトルにも向けて、ご主人様と共に歩む姿を想像しながら俺は眠りについた。




───☆




フォスは激怒した。

必ずかのモンスターに一言言ってやらねばと決意した。

フォスは匂いを辿ってきたはずなのに、いつの間にか姿を消していたことに腹を立てたのだ。


到着した洞窟はもぬけの殻。いたのは数多くの害獣たちだけだ。


「グルゥ……」


少女の外見と、死んだパートナーの匂いが重なるあのモンスターにフォスはただ会いたかっただけなのに、いつの間にか害獣たちと戦闘をすることになった。


戦闘時間は優に二時間を超えた。逃げても逃げても追ってくるからだ。


気づいた時にはあんなに居た害獣たちが逃げだし、フォス一人になった。余談だが、通常モグライヌというモンスターは進化できない。進化する案もあったが、様々な理由でボツになったのだ。


だがこの世界はゲームの世界ではない。


度重なる戦闘で詰め込まれた経験値によって、フォスが進化するのは自明の理だ。


「グッ、グォォォ!?」


レベル1からレベル2へ。

モグラとイヌを掛け合わせたような見た目から、成人した女性の姿へ。

緋色の瞳は黒いヴェールのようなもので覆われ、白いシルクのような服が身体を覆う。


頭には犬の証である耳が生え、口から覗く犬歯は非常に鋭利だ。手と足には巨大な肉球と爪が付いていて、生命を容易く刈り取れそうな形をしている。


まるで新しく生まれ変わったような姿だ。


「グオォォォォンッ!!!」


フォスは遠吠えをする。

新たな力に酔いしれるが如く、残りの害獣達の蹂躙を開始した。

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― 新着の感想 ―
ゲームがゲームじゃなくなると、って展開がこうなったかー
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