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花の勇者  作者: 丸ーニィ
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第一話「初陣!!花の勇者」

 

 なんてこともないただのRPGの様な世界……

 草原に伸びる道筋に歩く人影有り。

 人影は天を仰ぎ見て言う。


「花の勇者ブロッサム!! 爆誕!! 」


 声を上げる人影、それはまだあどけない少女、そして突然のガッツポーズ!!


 腕振り上げ小さな古道を歩く、この少女はここを歩く三日前の記憶すら無い。

 見た目、背中まで伸びた赤い髪、細い貧相な体型。

 元々知力が低いのか覚えてないのか、勇者ですとしか知らない記憶。


 花の勇者ブロッサムと名乗っておこう、そうしよう。


 それしか考えていなかった。


 おおゆうしゃよアホになってしまうとはなにごとか


 とりあえず城に行き、出会った王様は……ひのきのぼう、かわのよろい、かわのズボン、かわのたて、かわのくつ、うでわ


 とよくある勇者一式を出して来たが……既に 同 じ モ ノ を持っていたので売った。

 そして彼女、花の勇者はただただ古道を歩く。

 それはあるイベントに出会うためである。


 ……そうそれは来た!!


「「現れたなブウ(語尾)!! 勇者だなブウ!! (語尾)」」


 目の前に現れたのはオーク、そう豚の様な見た目の鼻と顔を持つ亜人族。

 RPGの定番のモンスターである。


「オークだって!! いきなり強敵だ!! 」


 花の勇者は後ずさる、今のレベルではきっと勝てない。

 だが……


「50年ぶりの勇者だブウ!!……すいませんこの語尾止めて良いですか?……」


「無理に言わなくて良いんですよオークさん……」


 花の勇者も流石にこの語尾はキツそうだと思って止めて差し上げた。

 オークはここで言う。


「ありがとう勇者、大丈夫だ! きっと君なら勝てる!! 」

「なぜなら私は……」


「「 "チュートリアル"オークなのだ!!! 」」


 勇者は驚愕する、そうそれは正に一番最初の戦闘に出てくる敵と言えばわかりやすい。

 良く見ると、オークもかなり歳を食っていて白髪が目立つ。


(耳を見せる)「私はこの地域で飼われている"地域オーク"だ」


 彼はこの地域で可愛がられている野良オークである、耳の先端がちょこっとカットされてる。

 地域オークの"キンタ"の愛称で呼ばれている。

 彼は言う。


「私は同族ではかなり弱く、オークAオークBと種族並びで並んだ場合、オーク(弱)とかになってしまう為にオークの森から追い出された!! 」


 花の勇者は叫ぶ!!


「メチャメチャかわいそー!! 」


 そしてチュートリアルオークは天を仰ぎ見て言う。


「だが絶対に成し遂げなければならない使命が存在する……」

「それが我が一族伝統の "チュートリアルオーク" だ!! ……いくぞ勇者よ!! 」


 そしてチュートリアルオークは花の勇者に襲いかかり、渾身の一撃を見舞う!!


「喰らえ!! チュートリアルアタック!! 」


 ちょうどいい感じの弱さ、攻撃一つにしてもポーション一つ分のダメージしか出せない。

 そして以下にも"ダメージを受けたら回復だ"と言うチュートリアルミッションの枠を埋めてくれる。


「うあああん!! 本当にポーション一つ分きっかりだよ!! 弱いよおおお!! 」


 花の勇者はオークが可哀想で仕方なくなってきている。

 そんな気持ちも知らずにオークは「さあ討ってこい」と攻撃を待つ構えを取る。


「私の地域オークとしての役割も十分に果たした、最期の仕事として離れた街に住む息子夫婦に会いに行く、一人暮らしのおばあちゃんをおぶって息子の家に送ってきたのだからな……」


「やめてええええ、それおばあちゃんどうやってお家に帰るのオオオ!!! 」


 しかもわざと帰れなくして、息子夫婦に世話になる様に仕込んでいる徹底ぶりである。

 オークは言う。


「地域貢献50年、最期の時はその50年ぶりの勇者との会合で幕を閉める!! 」

「「我ッ!! チュートリアルオーク!! ここに極まれリ!! 」」


「こんなん殺せるかーッ!! ……はッ!! 」


 勇者はここで驚愕する、彼チュートリアルオークの頭に注目が集まる!!

 そこにはチュートリアル特有の表示 ATTACK!! が出ており……

 そして……


(指先)ここをタップ!!


 ……と円で囲い、他が暗転した画面の様に見えてきているのだ!!


「あああああ……うああああ……」


 ここまで来るともう贖えない!!

 イベント的にチュートリアルオークの頭以外、何処を触っても何も起きないのだ!!


 ……


 ……(抵抗中)


 ……(諦め)


 彼女はひのきのぼうを振り下ろした!!


「チクショー!! (血涙)」


 グシャっと鈍い音と共に、血飛沫が舞い上がり、先程までチュートリアルオークだったモノが辺り一面に転がり……


 滴る……"赤い花"を咲かせていた。


「ああああ…… "花の勇者" ってそう言う……」


 花の勇者は返り血を浴びてワナワナと震え、自身のしでかした過ちに嘆き、目を見開いて引きつった笑顔を見せていた。


 ここでチュートリアルオークだった血だらけのモノが最期に言い残す。


「大丈夫、私の引き継ぎの後継者は後五人、補欠は三人居る……安心だ!!……ガクッ」


「「 この人、アフターフォローも完璧だよおおおおお!! 」」


 花の勇者は血の花の中心で"スゴイ"を叫んだ!!


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