7話目
カチッ
さぁ!送ったわよ!歌子!
7話目を投稿したわよ!
このあたしが!
誰もがひれ伏す、霧乃城レイ子が!
さぁ、読め歌子!
読むのよ!歌子!
この霧乃城レイ子の7話目をッ!!
よし!
電話よ。
『はい、もしもし』
「タジロウ」
『切ります』
「ちょ!ちょっと待ってよタジロウ!」
『何ですか?先生』
「あんた、誕生日っていつよ?」
『教えませんよ』
「何で?」
『もうこの会話何回もしてますよね?
誕生日を言ったところで先生すぐに忘れますよね?』
「そうだっけ?」
『そうですよ。
なんかプレゼントでもくれるのかとワクワクしてた時期がボクにもありました』
「何で過去形なのよ」
『繰り返すと人は覚えるものです。
もう騙されませんよ』
「何か欲しいものはないの?」
『ボクの話し聞いてます?先生』
「あるの?ないの?どっちなのよ?」
『ありますよ!山ほど!
アレもコレも欲しいですよ!
だからこうやって仕事してるんです!
そしてそれを先生が邪魔してるんです!』
「・・・邪魔?
あたしって邪魔なの?」
『あ、いや、邪魔というか、妨害行為というか、非常に迷惑というか・・・』
「タジロウ」
『はい』
「あんまり調子に乗るんじゃないわよ」
『はい、すみません。
誕生日は後でメールで送ります。
そうすれば証拠が残るんで』
「そう。
切るわ、タジロウ」
『あ、先生、』
ブチッ
そうか。
誕生日、聞いてたのか・・・
忘れるというか、締め切りに追われてたからなぁ、ずっと。
ここ最近か・・・少し余裕が出てきたのは・・・
ん?
余裕が出るってことはあたしの需要が減ってるってことじゃない?
まずいわ!
電話よ!
『もしもし、先生ですか?』
「タジロウ!」
『先生。
今、手が離せないのでボクの誕生日のメールはもうちょっと待ってください』
「そんな事どうでもいいわ!」
『えぇー!!
酷いですよ先生!』
「仕事よ!何か仕事を増やしなさい!タジロウ!」
『どうしたんですか急に』
「あたしの需要よ!」
『寿命?具合悪いんですか?』
「違うわよ!需要を増やすのよ!」
『へへ。なに言ってるんですか先生。
寿命は伸ばすんですよ』
「もー!
あんたこそ何を言ってるのよ!
とにかく仕事よ!何でも書くから仕事を増やしなさい!」
『えー?
それじゃ、もう一本連載を書いてみますか?
でも今のスケジュールだとかなりハードですよ?
大丈夫ですか?先生』
「やるわ!タジロウ!」
『でも待ってください先生。
そんな直ぐには出来ないので、書き溜めておいてください。
ボク、目を通しますので』
「分かったわタジロウ!
切るわ!」
『あ、先生、』
ブチッ
よし!
需要リロードよ!
カチッ
★6 ●4
だめね。
まだ読んでないわね。
まぁ、ちょうどいいわ。
ここで追記よ。
追記を書き加えるわ!
7話で一旦中断よ!
作家の一旦中断はもう書かないってことよ!
そう決まっているのよ!
歌子。
あんたの相手をするのはここまでよ!
サラバだ!歌子!
あたしは元の世界に戻るわ!
だって需要を上げなくちゃいけないのよ!
あたしは霧乃城レイ子なのだから。