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16話目(最終話)



カチッ



さぁ、送ったわよ、歌子。

これが最終話よ。

存分に楽しめ歌子よ。

お前が読んだら、この小説は削除する。


そして新作で出す!


そうよ!

私にはこの手があるのよ!

なぜなら私は誰もがひれ伏す霧乃城レイ子なのだからね!






------- 夕食の日 -------




「遅い!・・・タジロウ!」


「先生、酔ってるんですか?」


「酔ってなんか・・・ないわよ」


「酔ってるじゃないですか。

 大丈夫ですか?」


「大丈夫よ・・・

 タジロウ、あんたも、飲みなさい。

 あ!マスター!この男に同じものをちょうだい!」


「えー?今日は夕食をおごってくれるって言うから来たんですよ?

 先生の部屋の片づけも頑張ったし・・・」


「ま、いいじゃない、飲め!タジロウ」


「はぁ、まあ、分かりました。

 今日は先生に付き合いますよ」


「いいぞ、タジロウ!」


「はい、先生!」






「タジロウ・・・」


「何ですか?先生」


「プライベートの時は、先生って呼ぶなって言ったわよね!」


「え、あ、そう、ですね」


「ねぇ、タジロウ・・・」


「何ですか?・・・レイ子さん」


「私たちさぁ、やり直してみない?もう一度」


「・・・・・」


「あ、ごめん。今のウソ!」


「・・・・・」


「アタシ、酔ってるみたい!

 えへへへ!」


「少し待ってください」


「え?」


「ちょっと考えさせてください」


「そ、そうよね。急にこんな事・・・

 困るわよね・・・

 あ、そうそう!

 そう言えば、アレ、あんたでしょ?」


「え?」


「路地裏の歌子よ」


「アハハ、やっぱり気づきました?」


「分かるわよ!アタシを誰だと思ってんのよ!」


「いつ気づいたんですか?」


「最初からよ」


「ウソですよね?」


「途中からよ」


「どこで気づいたんですか?」


「名前よ」


「やっぱりそうですか」


「ロジでウタって、バレバレよ」


「ですね。

 最初は連載を辞めさせようと思ってました。

 でも、レイ子さん全然辞めてくれなくて・・・

 言い出したのはボクでしたから、どうしようかと思いました」


「でも、上手くまとまったわよ」


「ですね」


「読んだの?」


「まだです」


「何でまだ読んでないのに、読んだみたいな事言うのよ?」


「分かりますよ」


「え?」


「長い付き合いなんですから」


「うん・・・」


「あ、レイ子さん!

 もしかして、そのバッグに付いてるのって、無くしたキーホルダーですか?」


「そうよ」


「何だか変わったキーホルダーですね、ソレ。

 なんのキーホルダーなんです?」


「え?」


「なに驚いてるんです?」


「いや、何でもないわ」


「で、何のキーホルダーなんです?」


「教えないわ」


「どうしてです?」


「秘密よ」


「ま、レイ子さん!そんな事より今日は飲みましょう!」


「そんな事って何よ!タジロウ!」


「今日はおごりですよね!レイ子さんの!」


「そ、そうよ!飲め!タジロウ!

 今日はアタシのおごりよ!」







------- その夜 -------



カチッ


★16  ●14



何よ。

あんただって全然覚えてないじゃない。

このキーホルダーはタジロウ、あんたがくれたんだからね。

初めて会った時、お近づきの印にって。

何のキーホルダーか未だに分かんないけど・・・




カチッ



(やり直してみようかな?)路地裏の歌子











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