14話目
カチッ
さぁ!送ったわよ!歌子!
14話目を投稿したわよ!
このあたしが!
誰もがひれ伏す、霧乃城レイ子が!
さぁ、読め歌子!
読むのよ!歌子!
この霧乃城レイ子の14話目をッ!!
さて電話よ。
「タジロウ」
『先生、ちょっと待ってください』
「どうしたのよ?」
『大変なんです』
「だから、どうしたのよ?」
『先生の原稿が届いてないんですよ』
「・・・・・」
『どうしてだと思います?先生』
「送ってないからよ」
『え?』
「送ってないのよ」
『それは、原稿があるのに送っていない、という事でしょうか?』
「違うわよ」
『まさか・・・』
「そうよ」
『書いていない・・・』
「という事になるわね」
『なるわね、って・・・
勘弁してくださいよ、先生』
「しないわよ」
『え?』
「勘弁なんかしないわよ」
『もう何を言ってるんですか先生』
「分かってるわよ、今、書いている途中よ。
今日中には送るわよ」
『頼みますよ先生』
「頼まれるわよ」
『で、今日は何です?』
「何よ、そのしょうがない、付き合ってやるか、の態度は」
『違いますよ、仕方がない、付き合います。ですよ』
「もう何なのよ、あんたは」
『何がです?』
「もうちょっとこう、作家をやる気にさせる言葉をかけたり出来ないの?」
『できますよ』
「じゃ、やってみなさいよ」
『今やりました』
「は?」
『今やりましたよ。
それで見事に先生の原稿を今日中に手に入れるという約束を硬く交わす事に成功しました』
「違うのよ。
アタシはやる気を起こさせろって言ってんの。
もっとこう元気の出る言葉を投げかけろって言ってんのよ」
『例えばどういう言葉ですか?』
「それは、あんたが考える事でしょ」
『それが分からないから聞いているんです』
「そうね、食事をおごる、とかよ」
『嫌です』
「は?」
『だって先生、外に出ないじゃないですか』
「食事には出るわよ」
『あー!もう忘れたんですか!』
「何を?」
『食事の約束してましたよね!以前!で、すっぽかしましたよね!』
「そんな事あったっけ?」
『ありましたよ!
靴の中にダンゴムシがいるっていう理由で!』
「そう言えば、あったような・・・」
『何ですか、その理由?
ちょうどいい機会です。あの理由をちゃんと聞かせてください!』
「靴の中にダンゴムシがいたのよ」
『取ればいいじゃないですか!』
「取れなかったのよ」
『ダンゴムシなんだから丸くなった時に靴を逆さまにすれば落っこちますよね?』
「丸くならなかったのよ」
『ワラジムシです』
「え?」
『それ、ワラジムシです。先生』
「何よそれ?見た目はダンゴムシだったわよ」
『見た目はあんまり変わらないんですよ。
ダンゴとワラジは』
「じゃ、何が違うのよ?」
『ダンゴムシは丸くなります。
そしてワラジムシは丸くなりません』
「なんで、あんたそんなに詳しいのよ?」
『子供のころによく遊んでいたからです』
「どうやって遊ぶのよ?」
『つついて丸くするんです』
「ワラジムシはならないんでしょ?」
『だからワラジムシは子供に人気が無いんですよ』
「そうなの?」
『そうです』
「よく分かったわ。
参考にするわ」
『はい、そうしてください』
「じゃ、切るわね、タジロウ」
『てかこれ、何の電話ですか!先生!』
「切るわ」
『あ、先生、』
ブチッ
もう、まったくタジロウのヤツ。
ダンゴムシなんかで遊ぶんじゃないわよ。
丸くなったら何が面白いのよ。
意味が分からないわ。
意味が分からないのリロードよ!
カチッ
★13 ●11
ちっ!
何よ?
なにしてんのよ歌子!
早く読みなさいよ!
こっちはね、あんたの度肝を抜こうって魂胆なのよ!
ヘッヘッヘッ!
そうよ!花見よ!
花見まで季節を飛ばしたのよ!
バレンタインはスルーしたのよ!
うっひょひょひょ!!
何が、バレンタインイベントを発動せよ!よ!
ざけんじゃないわよ!
バレンタイン?
やんないわよ!
春よ!
季節は春なのよ!
ウキウキのピンク色なのよ!
ヘッヘッヘッ!
あたしをなめんなよ、リロードよ!
カチッ
★14 ●12
よし来たッ!
歌子!
押すゾ!
押すぞ!!勝負だ!!
おりゃ!!
カチッ
(何すっ飛ばしてんだよ、やり直し)路地裏の歌子
ウキィイイーーーッ!!!
何よ!
なんなのよ!
あんた!何様よ!
これは、あたしの作品なのよ!
あたしが全てをコントロールするのよ!
あんたがコントロールしてどうすんのよ!!
それに、やり直しって何!!?
やり直せるわけないでしょ!
もう話は進んじゃってんだから!
どうすんのよ!?
無理でしょ!
ちっくしょーめ!!
歌子!!
次こそはギャフンと言わせてみせるわ!!