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いゝよ  作者: あ行
7/13

7路地

「〜♩」

 帰り道の細い路地。鼻唄を歌う。

「あ゙ぁ、」

 踵を上げながら、思いっきり背伸びする。途中、つりそうになったがぎりぎりの所で止めれた。

「…………、」

 静寂と歩く。

 下からの瓦屋根が美しい。八方美人だ。特に赤く塗装されている木造部分が美しい。

 ガチャ

「只今ー。」

――――――――

「〜♩〜は、〜♩」

 ところどころ、歌詞が聞こえる。何かいい事があった様だ。

「んふふ、〜♩」

 頬が赤らんでいる。いつもより動きが大きい。

――――――――――

 ポツポツ

 雨が降っている。家が近い路地だし、このくらい大丈夫だろう。

「…………。」

 傘を一定の拍でつく。足音と、雨、傘の音で曲を奏でている様だ。楽しい。

「…………っ、」

 空気が寒い。手がかじかんでいる。その氷に雨が当たるので、一向に手は温かくならない。

 人外の顎が水面に映る。

「………いい匂い、」

 鼻を通って夕飯の匂いがする。今日は鯖の煮込みか何かだろう。

「…………あ、」

 ザーザー

 雨が強くなった。天ぷらを揚げている様だ。

「ふぅ……間に合った。良かった、良かった。」

 瓦屋根の下に小走りする。袖についた雨粒を弾く。

――――――――――

「「…………。」」

 神無と二人、路地を歩く。

「今日はもう寝とけよ。」

 神無が口開く。

「あぁ、そうするよ。」

「「…………。」」

 また沈黙が流れる。人外は道端の、必死に生きている苔を見ていた。

「ぁ、」

 家に着く。結局、最後まで付いてきてくれた。

「じゃあ、お疲れ様。」

 傷面で笑う。

「あ゙ぁ?命を助けて貰ってその態度か。いいか、」

 指差す。

「お前は俺に一つ仮ができたんだ。何かやってもらうぞ。」

「はいはい。もう痛いから中入っていい?」

「ほんとお前のそう云う所、気に食わ」

 ガシャン

 扉を閉じた。

「あ゙ぁ……!もう、」

 ほんとあいつが自分の、本心をこゝろを隠すところが気に食わない。

実際にある路地です。最高にかっこいいです。

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