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海賊転生  作者: seriola
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一、科学を駆使して近世無双 


 「おい、若、若!」

 目を開けるとそこには雲のない空と久しく付き合いのある友人である(イン)の顔があった。年的には年上だが俺の補佐的な立場にいてくれている。俺は若と呼ばれてたようにある一団のトップの息子だ。そして、二十一世紀の日本人がこの世界に転生してきた存在だ。そんな俺は今船に乗り風を感じていた。って言っても寝てただけだが。



 俺の今の名前は林海金(リンハイジン)、6歳。転生した世界はおそらく明時代の中国。でも本当かどこうかはわかんない。島の海沿いに住んでいることだけはわかるがここがどこかはわかんない。

 だって言語が昔の日本語と中国語だし親からはポルトガル語を教え込まれている、こりゃどこかわかんないでしょ。まあ、英才教育ってやつだ。何気にうれしいのがこの頭は暗記能力が高い。いわゆる症候群のように見たものをすべて覚えるまでではないが、すっと頭に入ってくれる。子どもの吸収力のおかげかもしれない。

 

 ちなみに日本語は母親が俺に一人で話しかけるときに使い日常は中国語。なんでポルトガル語がわかったかは簡単、外に出るとき必ず母が三言語でものを紹介してくれるのだがパンを紹介するときパンといったことだ。多分父親は中国人で母親は日本人。


 

 それにしても輪廻転生というやつだが記憶やら脳の処理速度まで何まで次の生命に引き継がれるとは不思議すぎる。自分の脳にどのような変化が起きているのか調べたいものだがそれも叶わないかもしれない。そこから来たわけじゃないがこの世界での俺の目標はとりあえず世界での科学の発展にすることにした。だがまずは足元だ、自分の故郷を大事にしよう。とりあえず一団を大きくして安定させる。それが当面の目標だ。



「若。聞いてるんですか、若」


「ああすまん。考えことしてた。」


「いつもそうですね若は。」


「まあ、いいじゃないですか。若は人の話聞かなくてもいろんな物考えてくれる才ですから。とりあえず網を引き終わりました、若」


「ありがとよ」



 最後に話しかけてくれたのは梅丸。こいつは少ない日本人家族の一族の子どもで長男だ。多分うちのトップ一族とのつながり強化を求めて送ってきたんだろう。親世代がどう考えてるかは分からないが俺はこいつらと仲良く過ごしてる。


 うちの一団は商売をしていて多分海賊行為もしている。多分というのは俺にはその一面を見せてくれないから。(まあ、そもそも俺は航海をしたことないんだけど。)もともとうちの一団は海賊行為をしていた生き残りの先祖と明から商売に失敗して逃げてきた一族や海禁政策のせいで国に認められない商売をしている族の集まりだ。話を聞くと倭寇だと思うんだけど、そもそも俺は倭寇についてよく知らない。そんな思い出せない記憶をたどっても無駄なのでよく考えないようにしている。

 

 もともとこの一団は住居が不安定な海賊たちをこの島の原住民に交渉して住めるようにしてくれた初代の一団である。で、その交渉をしたのがうちの親ってわけらしい。そのおこぼれで何個かの団も住むようになり、ポルトガル船もとまるようになっていた。


 


 今、うちの一団はその他の団と結合してこの島で一つの団となっていってる。それに役立ったのが俺の知識なわけだ。いわゆる知識チート。一歳の頃から口が動くようになった俺は船の設計図をもらうようににして暇があれば船を見るようになる。前世でも研究好きな俺は親の力を借りて試行錯誤して考え実験していった。

 もちろん前世での知識前提での話なので理論を実際の船に落とし込むのに時間を使った。最初は紙に書いた設計図とそのメモも落書きにしか捉えられず遊びだとも思われた。言葉も口が上手く回らずなかなか伝わらないことばっかだった。

 

 そもそも子どもが大人の時間働くことは無理で、最初の頃はスムーズに歩く練習もしていてかつ頭も使っていた分すぐ寝てしまった。が、根気よく続けることで大人の協力を得ることが出来た。もちろん、船をつくる技術者の意見を聞き出し質問もしまくった。そうやって仲間を増やし、関わる者全員で完成させた時には皆大喜びだった。こういった達成感は生きるのに必死であっても気持ちを豊かにしてくれる。


 そうやって食や住居、船や交易物にも意見を言い出して成功するたびに俺の一団での暮らしが豊かになっていく。そして、もちろん同じ島にいる他の団はその豊かさを狙うことが予想される。そうなる前にうちの親はものや知識を公開して与えることでうちの一団になることを交渉して今に至るわけだ。うちの親を本当に尊敬する。

 そうやって団が大きくなるたびにうちの一族の権威が増すその過程で結果的に梅丸がおくられることとなったわけだ。それでもまだまだ足りない。海賊行為をしなくてもすむまで俺は豊かにするつもりだ。そもそも大きくなるにつれて食料など大変になっていくからすることは増えていくんだけどね。



「若またなにも聞いてないじゃないっすか。」


「考えごとしてるんですよ。じゃあ帰りますよ、若。」  


 そういった会話が聞こえてくるが妙に返事しずらく、結局何も返さずに考えるふりをしていた。



読んでいただきありがとうございます。

主人公の転生後のチート能力は言語です。

正しく書くとしたら「主人公のもつ生まれつき備えている中で一番優れている能力は言語を理解すること」です。常識範囲内におさめるつもりです。程度としては全く知らない文化圏の言語でも勉強すれば詳しいニュアンスもなんとなく理解できるようになるくらいです。私の苦手なことなので、その描写を詳しく書くことはできません。

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