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第95話:ある捜索人のいる風景


爆音を轟かせたバイクが川原に着いた時そこには凄い光景が広がっていた。


倒れる何人、何十人の男の人。


その上に立つ三人の男の人。そして三人の真ん中に立つ金髪の女の人。


女の人は言うまでもなく私達が探していたまこっちゃん。


「随分派手にやってるわね…。」


優さんの言葉は聞こえていた。でも私はまこっちゃんを見ていた。


後ろから来た男の人をかわしたまこっちゃんはかわし際に相手の顔を拳で殴った。まともに当たった相手はその場に倒れる。まこっちゃんは倒れた相手の顔を思いっきり蹴り上げてトドメをさした。


「まこっちゃん…いつもと違う…。」


「巴ちゃんもそう思う?」


まこっちゃんは喧嘩とかで拳を握ったりしない。それに相手の戦意を奪うだけで止めるからトドメは刺さない。


「理性がないのかもね。行きましょう。」


「はい。」


私と優さんはバイクから降りて川原に降りる。


その間にまこっちゃんはもう一人倒していた。


残っていた一人がまこっちゃんに背を向けて走りだした。


まこっちゃんは逃げる相手を追って行き襟を掴んだ。


そのまま相手を引きずり倒して馬乗りになる。


上に乗ったまこっちゃんは右、左と拳をなんども振り下ろした。


「マズイわ!あのままやると!」


優さんはまこっちゃんに向かい走りだした。私も後に続く。


「真!」


「まこっちゃん!」


走りながら私と優さんは叫んだ。


まこっちゃんは聞こえてないのか拳を振り下ろすのをやめない。


私達はまこっちゃんの元まで行って私が左腕を優さんが右腕を掴んで止めさせた。


殴られてた男の人は顔の原形がわからなくなっていた。


「まこっちゃん!もう止めて!」


私はまこっちゃんの顔を見てゾッとした。いつも活力に溢れていた目が今は光も無くガラス玉みたいだった。


「…………のか?」


「まこっちゃん?」


何か小さな声が聞こえた。


「アンタ等…満たしてくれるのか?」


満たす…?まこっちゃん…意味が判らないよ…。


「巴ちゃん!離れて!」


優さんの声に私は反応が遅れた。まこっちゃんは腕を振り私達を振りほどこうとした。


私はまこっちゃんの腕に振り回されて飛ばされる。


「きゃ!」


倒れている男の人の上に落ちた私は腰をさすりながらまこっちゃんを見る。


まこっちゃんはユラァッと私の方に歩いてくる。


「巴ちゃん!逃げて!」


逃げる?まこっちゃんから?これは本当にまこっちゃんなの?


私はうごけなかった。まこっちゃんから目が離せなくて。


まこっちゃんは私の前で立ち止まると右手を上げた。


「満たしてくれ…。」


まこっちゃんの右手に拳が握られて振り下ろされた。


私は思わず瞼をギュ〜ッと閉じた。


だけど痛みは来なかった。ただ砂利の上を滑る音とバチンという何かがぶつかる音が聞こえた。


「真。女に手をあげるなんてらしくないぞ。」


聞き覚えのある声に私は瞼をあける。


私とまこっちゃんの間に人がいた。


「あらし…?」


「おう!……おぉ!」


嵐がまこっちゃんの右手を自分の右手で受け止めたままおかしな行動をした。


まず嵐は左手で自分の太ももを叩く。パンッという音がした。次に私に向かってピースをしたあと人差し指と親指で輪を作る。そして最後に左手を日差しの様にして目の上あたりに持って行った。


???


「天城さん。見えてます。」


横から会長の声がした。そして私は気付いた。


『パンツ丸見え』だと。


「嵐!」


「眼福、眼福。」


コイツは…こんな時に…。


でも嵐らしいかな?

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