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第86話:ある全員集合の風景3



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俺は失敗を犯した。なんでコイツ等に相談なんかしたんだろう?


昨日の父さんとの拳による会話から一夜開けた翌日。


我が家には巴、嵐、純が来ている。


きっかけは不思議と色んな情報を知っている純に昨日の内容を相談した事から始まった。


『…明日行く…。』


そう言った純はどうやら二人に連絡したらしい。


そして今、我が家でいつ撮ったのかわからない映像の放映会が行われている。


「おう、なんだ可愛いじゃねえか。」


「うるせえ!見んじゃねぇ!」


「まこっちゃん、落ち着いて。」


「真、大人しくしなさい。」


俺は巴とゆ〜ちゃんに動きを封じられている。


「確かに可愛いわね。やっぱり買おうかしら。」


「何っ!販売もしてるのか?」


「…買います…?」


「もちろんだ!」


俺は二人を振りほどいた。そして近くにあった物を掴む。



「真!灰皿はマズイ!それはサスペンスだ!」


「真。それ割ったら弁償よ。」


ゆ〜ちゃんの言葉に俺は灰皿を置く。


「ってかそもそも相談に乗って貰うために来てもらったんだ。放映会は中止だ!」


俺はテレビを消して父さんに詰め寄る。


「思い出せ。薬に関する事を全部。」


「面倒だ。」



ピキッ…


「思い出せ!」


「違う風にお願いされれば思い出しそうだな。」


ピキピキッ…


「父さん以外全員耳塞げ。純、ムービー撮るなよ。」


俺は全員を見る。皆、耳を塞いでいる。純は

「ちぇ…。」と言い携帯を置いた。


俺は一つ深呼吸をして父さんを見る。


「お父さん。お・ね・が・い♪」


俺は若干うつ向き、上目使いで父さんを見る。少し首をかしげながら。……自分でやりながら寒気が…。


「…うっ…!」


父さんは若干後ろにのけぞりながら俺を見る。


「真、お前にプライドは無いのか?」


そんなもん男に戻れるなら捨てるわ!


「思い出した?」


再び首をかしげながら父さんを見る。


「思い出せない。」


「……っ!」


「いや、いいもの見させてもらった。」


馬鹿でかい声で笑い出す父さん。


そんな父さんを見て俺は立ち上がり居間からでる。


「真?どうした?」


父さんの声を聞き流して扉を閉める。向かった先は物置。物置からある物を持ち出し居間に戻ってきた。


「あ、まこっちゃん。おかえ…。」


巴が俺の右手に握られたものを見て固まる。


「真…?そんなもの持ち出してどうする気だ?」


「頭に直接聞こうと思って♪」


ニッコリと微笑みながら父さんに言う。俺が手に持っているもの。それは金曜日に現れるマスクを被った殺人鬼でお馴染みのチェーンソーだ。


紐を引きエンジンを作動させる。ブゥン!と言う音の後に鋸の歯が周りだし、俺の右手にドドドドドッという振動を伝える。


「大丈夫だよ、お父さん。痛みは一瞬だから!」


俺は父さんに一足跳びで詰め寄る横なぎにチェーンソーを振るう。


「兄貴が壊れた〜!」


「嵐、なんとかして!」


「巴!それは無理だ!確実に殺られる!」


「真!それはマズすぎよ!」


「…録画開始…。」


「あらあら。」



桂木家の居間はチェーンソーを縦横無尽に振るう次女(長男)の手により混乱に包まれていた。

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