第84話:ある全員集合の風景
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「じゃあありがとうございました。」
会長に家の前まで送ってもらって車から降りた。
「いえ、また。」
会長は車は発進させた。車内からはあきら君が手を振ってる。巴と嵐も負けずと手を振ってる。お前等バカか?
車を見送って俺は家に入った。
「ただいま〜。」
「おかえりなさい。」
「おかえり。」
「おかえり〜。」
「おかえり。」
ん…?4人から返事?玄関を見ると男物の靴?
俺は靴を脱ぐと居間に行った。
「ただいま。」
居間を見回す。居間には母さん、ゆ〜ちゃん、舞。そして男の人が一人。
「父さん?」
「お義父さんって呼ぶあんたは誰だ?」
不思議そうな顔をする父さん。ってかお義父さんってなんだよ!母さん、ゆ〜ちゃん、舞は顔を伏せて肩を震わせている。
「待て。あんたは息子の顔を忘れたのか?」
「俺は女の息子なんて変わったものを持った覚えはない!」
くっ!確かにそうだろうな。
「俺だって好きでなった訳じゃねぇ!」
「知るか!」
このやり取りの最中も母さん、ゆ〜ちゃん、舞は肩を震わせている。
「母さん、優、舞。この人は誰だ?」
父さんが聞いてきた事で限界を迎えたようだ。三人は笑いだした。家中に響き渡る大きな声で。
「笑って無いでフォローしてくれ!
俺は疲れ果てて椅子に座る。
「ま、真。ゴメンゴメン。」
目尻の涙を拭いながらゆ〜ちゃんが回復した。
「優!今、真って言ったな?真はどこに?」
「父さん。目の前。目の前に居るわよ。」
「目の前に居るのは見知らぬ人だけだ。」
「その見知らぬ人が真くんですよ。」
今度は母さんがフォローしてくれた。
「母さんまで何を言ってる?真は男だぞ?男の胸に脂肪の塊は付いてない。」
「女でもついてないのいるけどな。」
俺はチラッと舞を見る。
「そこであたしを見るな!バカ兄貴!」
舞は胸を両手で隠しながら俺に叫んだ。
「まて、お前等三人はこの事を知ってたのか?」
母さん、ゆ〜ちゃん、舞は頷く。
「待て!親に相談も無しに性転換手術を受ける様な教育をしてないぞ!どこだ!モロッコか!」
「だからそんなんじゃ無えって言ってんだろうが!」
机を叩き立ち上がる俺。
「第一これは大き過ぎ…いや、丁度いい感じか…。」
「何触ってんだよ!」
父さんは俺の胸に手を伸ばし触ってきた。勢いで殴りかかる俺。しかし拳を握った手は途中で横から捕まれた。掴んだのは…
「か、母さん…。」
いつも通り微笑みを浮かべた母さんだった。だが俺には見える。母さんの背後に黒いオーラが…
「あらあら。私の目の前で女の子に触るなんて。」
「ま、待て母さん。ここ、これには事情が!」
「事情ですか。ゆっくりたっぷり伺います。」
母さんは微笑みを浮かべたまま俺達を見る。
「ちょっとお父さんとお話があるのでアナタ達は部屋に行ってて下さい。」
「「「はい。」」」
俺達は同時に返事をして椅子から立ち上がる。
「待つんだ、我が子。見捨てないでくれ!」
父さん…。それは無理だ。今の母さんに逆らえる人は居ない。
俺達三人は俺の部屋に集まってドアを閉めた。
「ぎゃーーーーーっ!」
居間の方から父さんの悲鳴が聞こえてきた気がした。