表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/147

第77話:ある別荘の夜の風景3

あれ…私何してるんだろ…。…あれ……?う〜んと…たしか今は会長の家の別荘に来てるのよね…。


それで海行ってお祭り行って皆で騒いで…。ここまでは大丈夫よね?




→はい

 いいえ



頭な中にへんな選択肢が…。



それで夜寝付けないからお風呂入りに行って…。


あ…なんか冷たいのが……




「ん……。」


私が目を開けるとまこっちゃんが心配そうに私を見ていた。


「巴?大丈夫か?」


まこっちゃんは手にタオルを持っていた。なんだか祭りの時と逆になっちゃったみたい。


「大丈夫って…私どうしたの?」


自分が寝ているのは判るけどどうして寝ているのか判らない。


「風呂で倒れた。足でも滑らせたんじゃないのか?」


お風呂で?う〜ん…。確かにお風呂に行った。で、まこっちゃんが入ってて…追っかけて…それで…。


「思い出したわ。うん。お風呂で転んだんだ。」


うわぁ…恥ずかしいな…。


「で、ここに運んだんだけど。」


「ここってまこっちゃんの部屋?」


「ああ。そうだ。」


私は体にかけられていた毛布を顔まで上げた。その時にチラッと見たら私は服を着ていた。あれ……?お風呂で倒れて…


「まままま、まこっちゃん?」


「ん?なんだ?」


寝ている私の横に座ってるまこっちゃんが返事を返す。


「わ、私の服…。」


まこっちゃんは視線を反らして頭をかいた。


これはまこっちゃんが照れてる時にする仕草。私はちゃんと知ってる。


「さすがに置いとけ無かったしさ…。その…出来るだけ見たり触ったりはしないように気を付けたんだけど…。」


「出来るだけ?」


「あ、ああ。」


「少しは?」


まこっちゃんは無言で頷いた。あうあう〜。見られてらしい…。


「あぅ〜。」


「と、巴!顔真っ赤だぞ。」


そんなの判ってるわよ!顔が凄く熱いんだから!


ってまこっちゃんも真っ赤じゃないのよ!


「ま、まこっちゃん?」


「な、なんだ?」


「今って何時?」


「今か?えっと3時40分だな。」


「えっ?そんな時間なの?」


そんな時間まで私気を失ってたんだ。あれ、タオルが冷たくて起きたんだから…ひょっとして…。


「まこっちゃん、寝てない?」


「ああ、まあな。」


やっぱり。ずっと私の世話してくれてたんだ。


「寝ちゃってもよかったのに…。」


「そんな事できるかよ。結構心配したんだからさ。」


ニッコリと笑顔を私に向けるまこっちゃん。


この笑顔はズルい…。嫌々やってたんじゃないって顔だもん。まこっちゃん優しいから自分よりも周りに気を使うの私は知ってる。


だから本当に心配してくれてたんだと思う。自分はあんな事があった後なのに…。


「私もう大丈夫だから寝ていいよ?」


私はベッドから起きようとした。でもそれを止める手があった。当然まこっちゃんの手だ。


「いいから寝ておけ。今移動したら逆に眠気がなくなるぞ。」


「でもまこっちゃんが…。」


「俺は大丈夫だって。」


まこっちゃんはソファーに横になった。


「なんかあったら言えよ。」


「…うん…。」


やっぱりまこっちゃんは優しい。ズルい位に優しい。そう思いながらまこっちゃんのベッドで横になっている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ