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第76話:ある別荘の夜の風景2

岩影に身を隠して息を潜める俺。ってかなんで俺は隠れたんだろうな…。元々入ってたのは俺なのに…。


「やっぱり皆寝てるのね。誰も入ってないわ。」


この声は…巴だな…。


「さっきは嵐のせいでゆっくりできなかったからゆっくり入ろ。」


やっぱり嵐が馬鹿したんだな。良くも悪くも期待を裏切らない奴だな。


チャプ…


「ふぅ…。」


チャプって湯船に入った音だよな…。


「気持ちいい〜。まこっちゃんも入ればいいのに。」


入ってます。現在進行形で。nowですingです。


俺はどうしたらいいんだろうか…。


1、このまま隠れる


2、見つからないように出る


3、姿を現す


4、流れ星にお祈りする


5、巴の記憶をうしなわせる


…4はないな…。そんな都合良く流れ星がでるはずないし…。


5?記憶を失わせるには頭に強い衝撃を与える事。嵐にならやってもいいけど巴には無理だな…。


残るは1、2、3だけど…


このまま隠れる…。巴が出る前にのぼせそうだな…。


「まこっちゃん…。」


「ん?」


あ…ヤベ…。


「え……?まこっちゃん、居るの?」


「居ない、居ない!」

「そっち?」


巴がこっちに近づいてくる。結果的に3番になってしまった…。


俺は巴から逃げるように岩の周りを回る。


「まこっちゃん!なんで逃げるの!」


「風呂だからだ!」


「意味判らない!」


わかれ!いくら今は女とはいえ中身は俺なんだから!


「ちょっと!まこっちゃひゃ!」


バシャーン!


大きな水音と共に巴の声が聞こえなくなる。


「巴?おーい。」


……………。


反応がないな。俺は岩影から顔を覗かせて水音がした辺りを見る。


巴の姿は見えない。少しウロウロしながら巴を探すと足に何か当たった。…なんだ?


ムニュ…


手に柔らかい感触が伝わった。…まさかな……。俺はお湯を目を凝らして見る。


ある場所に断続的に気泡が浮いてくる。


そして少し肌色っぽいものが見える。


「巴!」


俺はお湯の中に見える肌色の物体に手を伸ばしお湯から上げる。人位の重さが俺の腕にかかる。


お湯からでて来たのは巴だった。


「おい!巴!しっかりしろ!」


巴の頬を軽くはる。


「ん…。」


微かに巴が声を上げて反応した。


俺は急いで巴を抱き抱えて風呂から出た。



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