第7話:よくある登校風景2
学園に向かって歩く4人。そう4人…。
生き返りやがった…。回収されれば世の為だったのに…。
チッ…。
「おい、真、朝から不機嫌だな。俺は朝から女のコ3人に囲まれて幸せだってのに。」
ホントに幸せそうな顔してやがる…。殴ってやりたいくらいだ…。
そんな俺の気持ちとは裏腹に周りはいつもと同じ感じだ。
舞と巴の女同士の意味がわからない会話。そこに強引に割り込み巴に睨まれる嵐。
楽しそうに話ながら歩く学生。眠そうな学生。電話しながら謝るサラリーマン。…なんで見えない人に頭下げるんだろ?
そして路地の奥で悪そうな人に囲まれてる可哀想な学生。いつも通りだ。
…ん?囲まれてる学生?これはちょっと日常風景とは違うな…。
俺は立ち止まり集団を見る。
あらら、半泣きだよ。ジャンプしてる所を見ると集金みたいだな。
3人は気付いてないみたいで、少し先に行ってる。
「まこっちゃん?どうしたの?」
巴が後ろにいる俺に気付いたみたいだ。
「巴、鞄持ってて。」
巴に向かって鞄を投げる俺。飛んできた鞄を受け取る巴。
流石に舞と嵐も俺に気付いたみたいだ。
俺は集団の方に歩いて行く。
「楽しそうな事してんじゃん。」
俺の方を向くガラの悪い方々。うわぁ、腐った目してるなぁ。人数は…5人か。
「なんだ、テメェ?何見てんだよ。」
「集金の現場。」
馬鹿Aの言葉に被せ気味に言う俺。
「わかってんじゃねえかよ。邪魔すんじゃねえよ。」
「姉ちゃんも金くれるのか?」
「なんなら金以外でもいいんだぜ?」
「そりゃいい。」
おぉ、馬鹿共の馬鹿みたいなセリフだ。
「いいぜ。そのかわりそこの悩める学生を放してやれよ。」
沸き起こる笑い声と汚い口笛。
「いい度胸だ。姉ちゃん。あんたに免じてコイツは放してやるよ。」
そう言い、学生を突き出す馬鹿。その押された勢いで走りさる学生。
「よし、じゃあ…。」
近付く俺…。ニヤニヤしながらにじりよる馬鹿5人。
一番近いヤツが距離に入る。
「くれてやるよ!」
さぁ、たっぷり味わってもらおう。俺の体を!