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第68話:ある緊急事態の風景2



今回も巴の視点です。


この話はコメディです

私達は走ってる。携帯に叫んだ時向こうから反応があった。


『なんだ!』

『どっからだ?』

『あ、こいつ携帯!』


どうやらバレたみたい。


『おい!お前誰だ!』


携帯からそんな声が聞こえた。あんた達こそ誰なのよ!感情のまま叫ぼうとした私の肩を誰かが叩く。


肩を叩いたのは嵐だった。嵐は両手を開いたり閉じたりしてる。…のばせって事?


私はそう理解した。嵐、意外と冷静ね…


「あんた達みたいな最低な人達に教える名前はないわよ!」


私はそういった。携帯からは短いうめきが聞こえた。


そんなやり取りをしながらも走る足は止めていない。私達は人ごみを抜け出していた。


『なっ!てめえ!ふざけんな!』


「ふざけてるのはそっちでしょ。自分達が何してるか判ってるの?」


私はチラッと周りを確認する。私の横に嵐、後ろに純。で、その後ろにあきら君を背負った会長。…純って意外と足速いのね。


その純から声がかかった。


「…もうすぐ…。…多分あの階段…。」


純の指差す先には確かに階段がある。結構段数が多いわね…


私は嵐をチラッと見る。嵐は無言で頷く。


私と嵐はスピードをあげた。人もそんなに居ないから思いっきり走れる。ただ足元がカランコロンいってるのはご愛敬。


『何してんのかは判ってるぜ。お楽しみだよ。』


ミシィ…


私の携帯が悲鳴をあげる。お楽しみ?そんなの許さないわ


「ホントに最低ね、アナタ。」


これしか言葉が思い浮かばなかった。頭に血が昇って思考がうまくできない。


『そうだ。いい音聞かせてやるよ。』


携帯の向こうの男がそう言った。


チョキチョキ…


携帯から聞こえたのは…。この音って…


「ハサミ?」


『よく判ったな。んでこれを…』


ジョキ…


「やめて!」


嫌な考えしかおもい浮かばない…。こいつ…たっぷり後悔させてやるんだから。


『へっへっへ…』


携帯の向こうから聞こえる笑い声。むかつく声ね。


「…地図拡大…。…途中の踊り場を左…。」


後ろから純がそう言う。この子はどうやってまこっちゃんの位置を把握してるのかホントに気になるわね。


私と嵐のスピードが更に上がった。


石段を凄い速さでかけあがる。


「アナタ達、後悔させてあげるから。」


私は携帯を嵐に投げる。なんなく携帯を受け取る嵐。


「てめえら!地獄を見せてやんよ!」


普段は残念な奴だけどこういう真面目な時の嵐は頼りになる。まこっちゃんもそう思っている。


嵐は携帯を私に投げてきた。私はそれを受け取り電話の向こうの男に言った。


「【赤鬼】が本気になってるわ。逃げるなら今のうちよ。」


【赤鬼】…それは嵐の呼び名。散々絡まれてたころに着いた二つ名。


『はぁ?赤鬼?なに言ってやがる!』


やっぱりこっちじゃ知られてないみたい。ご愁傷様。


私と嵐は踊り場から横の林に入る。


視界に男三人の姿が見えた。


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