第65話:よくある祭りの風景
困った事が起きたな…。
今は夏祭りをやってる神社に来てるんだけどすごい人だ。
そして今何に困っているかと言うと…
はい…はぐれました…。
この人ごみでみんなを探すのは難しいな…。だるいし…。
しょうがない…。とりあえず電話するか…。
プルルルル…プルルルル…
『はい。まこっちゃん?』
「そうだ。」
『電話なんかしてどうしたの?』
「ああ…。はぐれた。」
『えっ?そんな子供じゃないんだし…ってホントに居ないし!』
気付いて無かったのか!
『ねえ、まこっちゃん迷子になったらしいよ。』
ってみんな気付いて無かったのかよ!
『ま、まこっちゃん。よかったら探すけど…。』
「いや、いい。あきら君を楽しませてやってくれ。俺はどこかでゆっくりしてるから。」
『わ、わかった。寂しかったら電話してね。』
迷子になったからか?子供扱いされてるな…。
「ガキじゃないから大丈夫だよ。」
笑いながら言う俺。電話の向こうから『違う……一緒に……』とかなんか聞こえてくるけど何を言ってるのか判らん。
「あ、巴。嵐に代わってくれ。」
『あ、うん。わかった。』
『おう。代わってたぞ。なんだ?』
「嵐。頼みがあんだけどさ。」
『頼み?珍しいな。なんだ?』
「あのさ、焼きそばとお好み焼きとわたあめとりんご飴とケパブと焼きもろこしとチョコバナナな。嵐の奢りで。」
『……は?』
「だから焼きそばとお好み焼きとケパブとわたあめとりんご飴とチョコバナナと焼きとうもろこしと唐揚げといかやきとジャガバタ。」
『ちょっと待った!今増えたろ!』
「増えてないって。よろしくな。」
ピッ…。
まぁ、食えば回復するだろう。
嵐をまつ間俺は祭りの中心から外れた所で待つことにした。周りに人も居なくなって静かだな。
しかし、ここまで疲れてんのは久しぶりだな…。人の流れに逆らえないとは…まだ体がだるくて重いもんな…。
しかも浴衣なんか当然着たの初めてだから動きにくいし…。
まぁいい。休んでよう…