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第61話:よくある海の風景4

「待った!異議を申す!」


俺が着替えてくるなり嵐がこんな事をぬかしやがった。


「何に異議があるの?」


「真。お前の恰好にだ!」


俺は自分の恰好を見る。ん〜、別に違和感はないけどな…


「どこか変?普通のTシャツ姿ですけど。」


「そのロングTシャツがおかしいんだよ!」


そう。俺は青いロングTシャツを来ている。太ももらへんまですっぽりと。


「なんで水着の上に服を着るんだ!まぁ、その恰好はそれでいいけど…。」


「変な本音を言わないで。」


「ぐぉ。」


巴に殴られる嵐。


「パッと見、なにも履いてない風にみえるだろ!」


うわ、変なぶっちゃけしやがったよ。


「さぁ、真、理由を言え。なんでロンTを来てる!エロティック狙いか?」


こいつめ…。普段なら殴ってる所だ。


「なんでって…。着てみたら意外と恥ずかしい…。」


思わず嵐からというか皆から視線外す様に下を向く俺。


「うわ…。」

「これは来るな…。」

「…撮り忘れた…。」

「こんな一面まで…。」


なんか口々に色々言われてるな…。


「ま、まぁ、後で泳ぐからTシャツ脱ぎますよ。」


うん。今顔赤いな。見なくても判る。顔熱いし…。


「あきら君。お姉ちゃんと遊ぼ。みんなはまず泳ぐから。」


「うん!」


あきら君。今は君だけが仲間な気分だ。


「まぁ、確かに私達は泳ぐけど。」


「あきらをお願いしていいですか?」


「はい。任せて下さい。」


あきら君が俺の手を握ってきた。子供ってこんなに小さい手をしてんだな。


「お姉ちゃん。お城作ろう。」


「そうね。おっきなお城作ろうね。」


俺とあきら君はニッコリ笑う。


「じゃあ俺達は海入って来るから。」


「あきらをお願いします。」


「まこっちゃんもあとで泳ごうね。」


「…荷物は見てるから…。」


巴、嵐、会長は海に向かって行った。まぁ嵐が居れば変なのに声かけられる事ないだろう。


嵐が変な事しなければな…。


「じゃああきら君。お城作ろう。」


「うん。」


あきら君は俺を見て笑った後、純をジーッと見た。


「…な、なに…?」


動揺する純。意外と子供に弱いのか?


「純お姉ちゃんも一緒に作ろう!」


「…あ、いや、私は…」


純がホントに動揺してる。珍しいな。


「純、あきらめて一緒に作りましょう?」


俺はあきら君を後押しする。何故か?答えは簡単。楽しそうだからだ。


「…わ、わかった…。」


純は俺とあきら君の熱意に折れた。


「…やるからには妥協しないから…。」


俺はこの言葉はあきら君に合わせた冗談だと思っていた。


まさか…本当に妥協しないとは…


海の浜辺であんなものを作るとは思わなかった…

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