第59話:よくある海の風景2
「彼女一人?」
俺が振り向くとそこには三人の男が居た。金髪のロン毛。赤髪の異常に日焼けしたやつ。青髪のツンツンしたやつ。
うん。信号みたいだな。
「わお!顔も可愛いんじゃん!」
「後ろからでも可愛いかったし!」
「いいんじゃねぇ!」
順番に青、黄、赤が言い出した。…なにに対していいなのか理解できないな…。
「いや、連れが…」
「友達も一緒に遊んだらいいよ。」
「そうそう。そうしようぜ。」
すごいな…。会話を合わせる気もする気もないな…。
「まこっちゃん、お待たせ!」
「……。」
そしてこんなタイミングで来る巴と純。違う意味で空気読めよ…。
「お友達も可愛いじゃん!」
「今一緒に遊ぶ事になったんだよ。」
あの会話からいつそんな事が決定したんだ…。
「まこっちゃん…いつの間に…。」
「…恐ろしい…。」
おい、二人とも待てや…。そいつらを信じるか?
俺は首を横に振る。もちろん否定の意味でだ。
そして俺は巴をジーッと見た。
(あきら君は?)
巴、気付いてくれ。…おっ、巴から目でメッセージが来た。
(会長といきなりかき氷食べてる)
よし、それは朗報だ。
(しばらくは来ない?)
(多分来ない)
よし!なら大丈夫だ。俺は最後に巴にメッセージを送る。
(純と耳を塞いで)
(了解)
巴は純をつついて自分の耳を塞いだ。それを見た純も耳を塞ぐ。俺はそれを確認すると信号の三人を見た。
「あの…」
「なに?どこか行きたいの?」
「あっちなんか人気がないんだよ。」
「お前、何する気だよ。」
こいつら頭が病んでるな…。まともな思考は無さそうだ。
俺は息を吸い三人に言った。
「うっせぇんだよ!三人居なきゃ声もかけられねぇのかよ、このチキン野郎。おっとこれじゃあチキンに失礼だな。てめえらなんか〇〇〇〇を◇◇◇◇して△△△△で××××してな!じゃなかったら☆☆☆☆に◎◎◎して▽▽▽▽と●●●●するんだな!この※※野郎共!」
この言葉を感情たっぷりに三人に聞こえる位の大きさで言った。
ふう、すっきりした。
信号の三人は呆然としてる。あ…だんだん顔が赤くなって来た。これじゃ三人共赤信号だな。
「てめぇ!黙ってりゃ調子こいてんじゃねえよ!」
赤赤信号が俺に殴りかかってきた。頬を抑えながら倒れる俺。周りから悲鳴が聞こえる。ギャラリーが大分集まってるみたいだ。
「こらっ!なんの騒ぎだ。」
騒いでるのを見て警備の方々がやってきた。俺はそれを見ながら肩を震わせながら鼻をかるくスンスン言わせる。
「そこの男が女の人を殴ったんです。」
「俺も見た。」
「私も見ました。」
警備が男達を見る。
「君達、詳しくはじっくり聞くから。」
今度は俺に警備の声が来た。
「君…。大丈夫かい?」
「はい…。大丈夫…です…。」
「あ、私達付いてますから。」
「…大丈夫です…。」
二人共ナイスフォロー!
「そうかね。何かあったらすぐに言ってくれな。」
警備の人は信号三人を連れて行ったみたいだ。
暫く俺は顔を伏せたまま肩を震わせる。
「まこっちゃん。ギャラリーも居なくなったわよ。」
巴が小さな声で俺に言った。
「そうか。」
俺は顔を上げて…笑った。巴と純も笑っている。
二人とも気付いていた。俺があんなパンチくらうはずがないと。
なんだかんだ女って便利だな。