第56話:よくある買い物の風景2
え〜、真です。只今着せ替え人形を絶賛継続中です…。
今思えば人選を間違えたのかもしれないな…。
ちなみに嵐が持っている荷物はまた増えてます。
「まこっちゃん!この水着すごいよ!」
「…これいいと思う…。」
「真!これなんてどう?」
「あらあら。」
「俺にも見せろ!」
なんかさっきもこんな光景あったな…。
なんで買い物にこんな時間がかかった上に疲れんだろ…。
「真。これ着てみなさい。」
「はいはい…。」
ゆ〜ちゃんが持ってきたのを持って試着室のカーテンを閉める。
さっきから試着室からでてないな…。
「って、おい!ゆ〜ちゃん!」
「なによ?」
「これはないだろ!」
ゆ〜ちゃんが持ってきたのは水着なのかも怪しいものだった。
ほとんど紐だし…。
「そう?いけると思うけど?」
「無理!」
「ちぇっ」
舌打ちしたよ…。ゆ〜ちゃんに水着(紐)を渡すとすれ違いで純がやってきた。
「…はい…」
はい、じゃなくてだな…。…もういいや…。
「はいはい…」
純の持ってきた水着を持って試着室を閉める。
今回のは布が多いな。
よいしょ……
「うぉ!」
思わず叫ぶ俺…。こ、これは…
「…着替えた…?」
俺に確認せずに開ける純。
「うわぁ…」
「…これは…」
「エロ過ぎ…」
「あらあら。」
「みーせーてー!」
だからゆ〜ちゃん!エロとか言うな!
純が持って来たのは濃紺の誰しも見たことがある水着だ…。いわゆるスクール水着ですよ…。しかもこれ…
「なんか小さくないか?キツイぞ…」
「…それ以上はなかった…」
ああ、そうですか…。
「真、それはヤバいわ。私達までその手の人かと疑われそう…。」
知るか!俺だってその手の人じゃねぇよ!
「なかなか決まらないね…」
「…そうね…」
「疲れてきたわ…」
「あらあら。」
なにやら相談してる。俺だって疲れたよ…。
「じゃあ私が選んできます。」
三人がその発言者を見る。俺も試着室から頭を出して見る。体は…出したくない…。その発言者とは…
「「母さん?」」
「「おばさん?」」
そう、我らの母親だ。
母さんはスタスタとこの場を離れ水着を見に言った。
「母さんが本気だったわね。」
「ああ…」
本気の母さん…。それは拒否出来ないって事だ。
何故ならこずかいが無くなるからだ…。
やがて母さんが戻って来た。頼む!マシなやつで!
「いいね。」
「…うん…」
「似合いそうね。」
これが三人の感想だ。結局母さんの水着に決まった…。
今までの時間はなんだったんだろう…