第53話:よくある終業式の風景
魔のテストも終わりいよいよ明日から夏休み。今は学園長の話を聞いてる所だ。
『休みとはいえうかれたりせず…というのは難しいでしょう。ただ学園に電話がくるような事は面倒なんでしないように…』
おぉ…、なかなか凄い具合にぶっちゃけやがったな…。
『ん…、カンペに巻いてと出たのでこの位で終わりにします。』
学園長がそういうとテレビの電源が切れた。
その後少しして八神会長が画面に映された。
「生徒会長の八神です。私からは特に何も言う事はありません。ただ…」
会長は咳払いをした後こう言った。
「2年の桂木さん、天城さん、赤井さん、榊原さん。放課後に生徒会室に来てください。」
そういい残すと画面が暗くなった。
「あれは俺達か?」
「あの組み合わせだとそうよね。」
「……赤井君?」
「俺は何もしてねぇ!」
俺達はお互いに視線を送った…。
『逃げよう』
全員の視線がそう言っていた。
『逃げたら私の権力で二学期にヒドイ事になりますので。』
何故バレた!しかもアレは脅迫だろ!
俺達は渋々ながら生徒会室に行った。
何故、生徒会室の扉がこんなにでかく、豪華なのか…。俺は今圧倒されている。
「よし…」
コンコン…
俺は扉をノックした。
「開いてます。入って下さい。」
扉の向こうからは八神会長の声が聞こえた。
ガチャ…
「…………。」
入るなり俺達は言葉を失った。
どこの会社の応接室だ?これは?
ソファーが並び間におかれているテーブル。
「間違えました!」
俺達は部屋を出ようと振り返った。
「間違えてません。そこのソファーに座って下さい。」
奥のデカイ机の方から声が聞こえた。その声は八神会長の声だった
俺達、会長も含め5人はソファーに座っている。…フカフカだ。
「急におよびだてしてしまい申し訳ございません。今回お呼びしたのは私用なのです。」
「私用?」
「はい。私達の家族は夏休みに旅行に行くのですが、あなた方もご一緒に如何でしょうか?」
話がよく判らない。なんで会長の家族の旅行に俺達が?
「混乱されてると思います。今回の旅行にあきらがあなた方もと言ったものですから。父と母も乗り気でして…。」
あぁ…。あきら君か。ようやく話が読めてきた。
「あの…会長。旅行ってどこにいかれるんですか?」
巴が会長に尋ねた。確かに気になる所だな。
「場所ですか?海から近い別荘です。」
「少し相談させていただいていいですか?」
「ええ、構いません。急な話ですから。明日中に連絡頂ければ。」
「わかりました。明日また連絡します。会長の携帯にでいいですか?」
「できたら家にお願いできますか?携帯は気付かない事があるので。」
「わかりました。明日連絡します。」
こうして終業式の一日は終わった




