第52話:よくあるテストの風景3
「結果発表〜。」
テストを全部返却された日の放課後。俺達は俺の部屋に集まっていた。
「対象は現国、数学、化学、日本史、英語。舞ちゃんはそれに近い教科で。」
まぁ、選択授業もあるしな。
「ただ他の教科で赤点とってたら対象外だからな。」
一応念を押しておこう。
「じゃあまずは舞ちゃんから。」
巴に名前を呼ばれた舞は鞄からテストを取り出す。
「5教科の合計は256です。赤点はありません。」
頑張ったじゃないか。普段なんか赤点ギリギリとかばっかなのに。
「はい。次!嵐!」
嵐は自信満々でテストを取り出す。
「よっしゃ、任せろ!5教科の合計は396。当然他の科目の赤点はない!」
ありえない…。嵐が400近くの点数を取るなんて…。
「嵐、惜しかったわね。」
巴の笑顔は崩れない。
「私のテストを見なさい!5教科の合計は406!選択でも赤点はないわ!」
「なにぃぃぃぃ!」
俺と嵐の声がハモった。
「400over?お前、本当に巴か?」
「そうだ巴、真の言う通りだ。実は偽巴じゃないのか?」
「失礼ね。本物よ。私が点数高くちゃオカシイ?」
「「オカシイ!」」
だって巴は補習の常連メンバーだったんだぜ?それがあの点数はオカシイだろ!
「何はともあれ3人の勝負は私の勝ちね。」
「くぅ…」
「あぅ…」
舞と嵐がうめく。まぁ今のところそうなるな…。
「じゃあ次は純ね。どうだった?」
巴が純に話をふる。
「…前回が460。今回は487。全科目+5以上……。」
「すごっ!点数高いわね…。」
「487…。聞いたことない点数だ…。」
「なんだか次元が違いますね…。」
純も目標達成か…。なんでこんなやる気なんだよ。
巴と純の視線が俺に向く。
はっきり言おう。俺の今回の点数はよくない。別に巴と嵐の質問攻めにやられたからじゃない…。
「さあ、いよいよまこっちゃんの番よ。」
「……ひゃく…」
「えっ?聞こえないわよ?」
「400だよ!」
テストをテーブルにたたきつける俺。
「まこっちゃん?低くない?」
「いつもならもっと高いよな?」
「兄貴?どうしたの?」
「……。あ……」
純は気付いたみたいだな…。
「どうしたの?」
巴が純に聞く。
「……名前書いてない…」
そうだ。おれの現国のテストには1箇所空欄がある。それは名前を記入する欄だ。
「まこっちゃん…このミスはマジ?」
「ありえねぇ」
「兄貴…」
やめろ!そんな可哀想なものを見る目で俺をみるな!
「ちなみにこれ名前が書いてあったらなんてんだったの?」
「合計500」
あぁそうさ!本気でやったさ!学年1位だよ!