表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/147

第51話:よくあるテスト日の風景2

「じゃあ始めて。」


ゆ〜ちゃんがそう言うと紙をめくる音、紙に書く音が教室中を支配する。


…………。


まさかとは思ってたが本当に小テストと問題が同じだな…。


一度やった問題なら間違えないからな…。


俺は黙々と解答欄を埋めていく。


ヤバいな…。動き出したペンが止まらねぇ…。このテストもらった…。


しばらくは教室内を沈黙が支配していた。


しかしテスト開始から30分後…沈黙は破られた…。


「そこっ!」


シュッ!


「がっ!」


「さらにそことそこ!」


シュッ!シュッ!


「ぬぅあ!」


「きゃ!」


ゆ〜ちゃんの声がしたと思ったら何かが飛ぶ音がした…。その後聞こえたのは生徒の短い悲鳴。そしてその生徒にかかる白い粉。


真面目にテストを受けてた奴等には判らなかっただろう…。教室中がざわめきに包まれるなか俺は今起きた事件を思い出す。


ゆ〜ちゃんはチョークを投げたのだ。もの凄い速さで…。チョークは目標に当たると衝撃で粉砕した。文字通り粉になったんだ…。そして沈黙する目標にふりかかっている。


「このカンニングの女王の前でカンニングとは愚かな真似を」


ゆ〜ちゃんは沈黙する目標(生徒)に歩み寄る。


「大学入試すらカンニングで入った私に見抜けないカンニングはないわよ。」


ゆ〜ちゃんは沈黙する目標から小さな紙を奪い取った。


ゆ〜ちゃん、やってることはカッコいいんだけど…


カンニングの女王ってなんだよ…。あんたは受験をなんだと思ってんだ…。


おそらく皆同じ思いだろう…。だが皆なにも言えなかった。何故ならテスト中だからだ…。ここで声を出したら声を出したヤツが次の目標になる…。


ゆ〜ちゃんは目標からカンニンググッズをすべて取ると教卓に戻った。


「カンニングした人はこうなります。私が監視の担当じゃなくても。カンニングはしないようにね。」


全員が無言で頷く。


ちなみに沈黙した3人は2時間目を覚まさなかった

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ