第49話:よくあるテスト前の風景4
あまり休めなかった休憩の後、俺達は小テストをする事にした。答案は榊原さんがもってきたものだ。
「って訳で小テストするぞ。今までやってた科目のだからそれぞれ違うものだ。」
俺の説明を聞く4人。
「まこっちゃん、質問。」
「ん?なんだ、巴。」
「今回のラインの数と点数は?」
「…ライン?…点数…?」
巴の質問に榊原さんが不思議そうな顔をする。
「榊原さんは知らないよな。テストによって晩御飯が変わるんだ。今回のラインは3本。点数は、[60.40.20]だ」
俺のライン設定に渋い顔をしたのは巴と嵐。絶望的な顔をしたのは舞だ。
「60以上は普通。40以上はメインのオカズカット。20はメインのオカズ無し、それ以下は…」
俺はテーブルにあるものを置いた。
「栄養はバッチリ、味の保証は無し。レーションだ。」
表情が曇る巴、嵐、舞。一方…
「……それ、不味さを保証するわ…。」
嫌な保証をする榊原さん。これを食べた事があるとは…。なかなかの強者だな。
「じゃあ、そんな感じで小テストをするぞ。ちなみにカンニングはレーションだからな。」
俺は各テストを3人に配る。
「時間は一時間な。じゃあ始めてくれ。」
3人は答案用紙に集中しだした。
俺は小声で榊原さんに疑問に思った事を尋ねた。
「榊原さん…」
「…何…」
「あのテスト榊原さんが作ったの?なんか出来がよかったんだけど…」
「…しりたい…?」
「気になるな。」
「…じゃあ1つお願い…」
「なんだ?あんまり難問じゃないよな…?」
ん?榊原さんがなんかソワソワしてる…?なんだ?なんか凄い事言う気か?
身構える俺に榊原さんはボソッと言った。
「…純って…」
「え?もう一回言ってくれ。」
「……みんなと同じようによんで欲しい…。」
みんなと同じように?俺はチラッと小テストをしてる3人を見た。
巴…、舞…、馬鹿…いや、嵐…。で、榊原さん…。…そういう事か。
「純。あのテストは純が作ったのか?」
多分こういう事…だよな?
「…ち、違う…。」
珍しい…。さか…純が噛むなんて…。
「じゃあ過去問とかなにかか?」
「…未来問…?」
何故質問の答えに疑問符をつける…
「未来問ってなんだ?聞いた事ないんだけど…」
「…先生をきょうは……おどし……交渉して次のテストの…」
うん。確実に脅迫って言おうとしたね。言い直しはおどしって確実に行ってるし……って…
「次のテストの答案…?」
無言で頷く純。
その後俺もテストをしたのは当然の流れだった