第4話:ある朝の風景3
今俺は階段を降りている。何故って?
朝だからだ。朝食という素晴らしいものをとる為だ。
ちなみに背中にはさっき俺を身をていして守ってくれた素晴らしき妹の舞が乗っかっている。
そして俺の前には暴れてすっかり元気になったゆ〜ちゃんがいる。
扉が開くと食欲をそそるいい香りがただよう。
「おはよう。もうすぐできるから座ってまっててね。」
こっちを見ずに声をかけるのは我が家の母である
「桂木 光」
である。母親であるはずなのに見た目は非常に若く姉と言っても通用しそうな程である。
舞を椅子に置き、俺とゆ〜ちゃんは自分の椅子に座った。
ちなみに舞は……。息はしてるな…。
「出来たわよ〜。」
そういい母さんがご飯と味噌汁を持ってきた。
「はい。優ちゃんと舞ちゃんと…真くん。」
スゲェ…。一発かよ。
「お母さん!こんなデカ乳女けっして兄貴じゃないわよ!」
生き返った…。そしてなんか言ってるよ…。
「ほらほら、早く食べないと遅刻しちゃいますよ?」
ち、遅刻…?忘れてたよ…。
「行かなきゃ駄目かな…?」
もちろん確認を取ったのは我らがお母様にである。
「あんた、出席ヤバいの当然知ってんでしょうね。」
答が帰って来たのはゆ〜ちゃんからだった。
しまった…。すっかり忘れてた…。
「他の人の授業はともかく私の授業はゆるさないからね。」
教師の言葉か…?楽したい発言だろ?
「ちょま…、これで行けと?」
昨日まで男だったんだぞ?こんな状況で行かれるか?
「真くん?行かなきゃ駄目よ?」
母さんからすごいオーラを感じる…。顔は笑顔なんだけど…。背後に黒い気を感じる…。
「か、母さん…。」
「行きますよね?」
にっこり微笑む母さん。
「私の授業1時間目だからね。わかってるんでしょうね?」
にっこり微笑むゆ〜ちゃん。
「兄貴…。あきらめた方がいいらしいよ?」
にっこり微笑む舞…
3対1…。勝ち目は限りなく0に近い…。
「いかないとお小遣いなくしちゃいますよ?」
訂正…。今俺の勝率は0になった…。
いや、待てよ…。俺はあることに気付いた。俺に勝利を授けるかすかな道が!
「行こうにも服がないぞ!服が無きゃ外には…」
「服ならあるわよ。私の部屋に。」
ガシャン!
目の前に広がる豆腐とワカメ…。いい香りだ。熱いけど…。
「ゆ、ゆ〜ちゃん…?な、なんで?」
「趣味。」
一言か…。
「さ、着替えましょ。あんたに拒否は認めないわよ。」
こうして俺はゆ〜ちゃんの部屋に連れて行かれた…。