第39話:よくある体育祭の風景(宝探し編12)
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俺達4人と向かい会う舞達4人お互い円を描く様に位置を変えていく。
ロボットは刺さってる人の足を掴み引っ張っている。少しは掘り出さ無いと抜けないぞ…。
やがて位置関係が真逆になる。つまり舞達が森を背に、俺達が競技場を背にしている状態だ。
…ん?ゆ〜ちゃんから視線を感じるな…。
ゆ〜ちゃんを見ると目で合図を送ってくる。
『後ろ逃げれるんじゃない?』
逃げれる…?
状況を確認しよう。今残ってるのは俺達と舞達2組。そして俺達の前に舞達がいて俺達の後ろにはゴールがある。
つまり……。逃げれますね。
俺は巴と嵐にサインを送る『逃げる』ってサインを。巴、嵐は了解の合図を送ってくる。
「戦術的撤退!」
俺達は180度向きを変え走りだす。
「ロボ!ついてこい!」
「了解。」
ロボに声をかけ全力ではしる。
「あ、兄貴!卑怯者!逃げるな!」
「逃げるんじゃない!後方に全力前進してんだ!」
自分で言ってて意味がわからん。
全力で走る俺達4人。その後ろに刺さってた人を持ったまま走るロボット…って離してやれよ。頭地面にこすってるから!
「兄貴!待て!」
その後ろに舞達。正確に言うなら先頭を舞が走りその後ろに3人だな。
よし!入口が見えた!
入口を通ろうとすると天井が落ちてきた!
マズイ!間に合わない!
ガシィ!
落ちて来た天井を嵐が支える。
「ここは任せて先に行け!」
嵐が自分に酔いながらそう言う。
「わかった。頼んだ。」
俺達は嵐の横を通り抜ける。
「即答?少しは躊躇ってー!」
「嵐さん。ありがとうございます。」
「舞ちゃーん。そんな事言うシチュエーションじゃないだろー!」
嵐の魂の叫びが聞こえる。嵐、お前の犠牲は3分位忘れない。
「もっと覚えててー!カメラ回ってる?俺の見せ場だよ?」
嵐がひたすら騒いでる。
「今、テープ交換です。」
「NOoooo!」
嵐、やっぱお前はそういう運命なんだ。あきらめろ…。