第3話:ある朝の風景2
開けられた(破壊された)ドアの向こうに居るのは俺の姉の
「桂木 優」
学校の教師なんていう仕事をしている。腰らへんまで伸ばした少し茶色い髪が特徴的なお方です。
そしてどうやら二日酔いらしい…。
つまり機嫌があまりよろしくないようだ…。
「朝からギャーギャー煩いのよ…。頭が痛くなるでしょ…」
目がスワってますよ…。頭が痛いのは飲みすぎたせいなのになんかこっちのせいになってるし…。
「ゆ、ゆ〜ちゃん…怖いんだけど…」
こう言うと当然俺を見るわけだ…。そりゃもう目からレーザーポインターが出そうなくらい…。
「ん〜?なんで真の部屋に見知らぬ女のコがいるのかしら…」
当然そうなるよな…。至って普通の反応だ。
「真ったら責任取らずに逃げたのね…」
パリンッ!
頭が痛い…。鏡が割れてしまった…。破片危ないのに…
なんでそういう考えになるんだ?
ゆ〜ちゃん…。日頃俺をどういう風にみてるんだ…?
「それとも私へのお土産?」
ドゴッ!
頭が痛い…鏡だったものが割れた…後で捨てよう…
ゆ、ゆ〜ちゃん…。お土産ってなんだよ…。
「ゆ〜ちゃん。あんたは馬鹿か?」
あ…。睨まれた…。スゴい笑顔だよ。目以外は…。
「そんな事言うのはこの乳かな?」
そんな事言って手を伸ばす姉…。その手はハンパなく早い
「それは乳じゃなく口だろ!触るな揉むな!」
多分混乱してたんだと思う。普段ならこんな事はしない。命が惜しいからな…
俺の右手がゆ〜ちゃんの顔に向かっていた。
ゆ〜ちゃんは俺の右手を受け流して俺の後ろに回った。そして手を俺の前でクラッチした。
パッと見は後ろから抱きつかれてる感じだ。ただクラッチしてる手は異常に力がこもっている…。
その瞬間俺は悟った。今から何をされるのか…。そして抵抗は一切無駄だという事を…。
「大丈夫。真。一瞬だから。」
俺の耳元で囁かれる言葉…。怖いです…。
ゆ〜ちゃんは膝を軽く落として俺を持ったまま綺麗なブリッジをした。いわゆるジャーマンってヤツだ。
「ヒグッ!」
…………
今の悲鳴は俺のじゃない。予想より少ないダメージに驚いている。
ゆ〜ちゃんと俺は立ち上がった。俺は軽く頭をおさえている…。
そしてダメージが少なかった理由を知った。
舞が動いてない。屍になったようだ…。俺とゆ〜ちゃんは手を合わせた…
チーン…
「生きてるから…」