第38話:よくある体育祭の風景(宝探し編11)
宝を持った俺達4人…いや、4人と1体。
宝を守っていたロボットを連れて来た。なんだか便利そうって理由でゆ〜ちゃんが連れて行こうと言い出し今にいたる。
ロボットの命令権は俺にある。待機中に指示を出したヤツの言う事を聞くらしい。
そんな4人と1体でダンジョン外の森を走っている。
森を抜けて競技場に宝を持って行けば終了だ。
そんな中また俺の携帯が鳴る。
「はい。桂木。」
「…榊原。現在残ってるのは3組…。」
相手は榊原さんだ。
「…妹さんも残ってる。じゃあ…。」
プツ…ツー…ツー…
舞も残ってるのか。会わなければいいけど。
「真、電話なんだって?」
ゆ〜ちゃんが聞いてきた。
「榊原さんで残ってるのは3組、んで舞の所もいるってさ。」
「そう、面倒ね。誰に似たのか乱暴だからね。」
…………
俺、巴、嵐の3人の思ってる事は同じだ。
『間違いなくアナタだ。(です。)』
「貴方達、今思ってる事口にしたら内申にあること無いこと書くからね。」
権力による横暴だ…。誰がこの人を教師にしたんだよ…。
そんな事を考えながら走ってると森の切れ目が見えた。よし、もうすぐだ!
しかしやっぱそう簡単に行かないらしい…。
なにがって?人が飛んできた…。飛んできた人は近くの茂みに突っ込んで行った。
森を出た所に立っている人4人と倒れてる人2人。刺さってる人1人。…刺さってます。頭が地面に…。
立っている人が俺達に気付いた。
「優姉に巴さん。それに嵐さんと…兄貴?…それに…?」
残っていたのは舞のクラスだった。やっぱりタフだなあいつ…。
「ってそのロボット何よ!」
あぁ、ヤッパ気になるよな…。
「拾った。」
「ありえない!」
いや、事実だしな。4対5は流石に卑怯か?
「ロボ、お前は刺さってる人を救助しとけ。」
「了解シマシタ。」
ロボットは人命救助に向かった。これで4対4だな。
「なんか残ってんの俺等のクラスだけらしいぞ。」
これに勝った方が宝を持っていける。なんともわかりやすいルールだな。
「そうなの?じゃあ宝持ってるの兄貴達?」
「ああ。ほら。」
俺は舞に宝を見せた。
「それ、頂戴って言ってもくれないよね。」
「やるわけ無いだろ。平和な学園生活がかかってるからな。」
「じゃあ力ずくって事でいいの?」
舞は俺達を見る。はじめっからその気なんだろ。