第37話:よくある体育祭の風景(宝探し編10)
2体のロボットから放たれるビームをひたすらかわす俺達。ヤバい、近付けないぞ。
「嵐!盾になれ!」
「無理!ホントに無理!灰になる!」
「灰になってもいいから盾になって!」
「巴!それは無理だ!」
「赤井君。単位プラス内申でどう?」
「点数あがっても俺がいなくなります!」
嵐なら逝ける…行けると思うんだけどな。
そんなさなか俺の携帯がなる。このタイミングで誰だ!画面には見知らぬ番号が表示されている。
ピッ…
「今電話出来る状況じゃない!急ぎなら手短に!」
「……桂木さん…?」
電話の相手は『猫セット』を俺にわたした榊原さんだ。
「榊原さん!今うわっ!危険な…危な!」
電話をしながらロボットの攻撃をかわす俺。いや〜器用だな〜。
「……首の後ろの赤いボタンで止まる…」
プツ…ツー、ツー…
電話は切れた。赤いボタン?俺は逃げながらロボットの首を見る。なにか赤いのが見えるけどあれか?
「嵐!」
俺は嵐を呼ぶ。
「盾にはならないぞ!人生終わらせたくないからな!」
まだ根に持ってるのか。
「5秒稼いでくれ!」
「なんだかわかんないけどわかった!」
俺はロボットから更に離れる。
「このポンコツロボットが。2体いて攻撃も満足に出来ないのか!」
嵐、注意を向けるのはいいだろう。ただお尻叩いて挑発はないだろう…。ガキじゃないんだから…
「殺ス。」
「死ネ。」
ロボット達もあっさり挑発に乗るなよ…。意外と馬鹿だな。
嵐に向かって2体のロボットが攻撃をする。それを嵐は巧みにかわしていく。
今だ!
俺は地面を滑るように走りロボットの後ろに付く。
ポチッ
そして赤いボタンを押す。するとロボットは攻撃をやめ動きを止めた。
「待機モード。命令待チデス。」
1体は止まった。あとはもう1体か。4人でかかればいけるかな?ヤバい、もう1体が俺に気付いた。
「赤いボタンで止まる!誰かあいつを止めろ!」
俺は3人に言う。嵐から俺に標的が移ったみたいだから今度は俺が囮になる番だ。
「まかせて!」
「やってみるわ。」
「よっしゃー!」
「了解シマシタ。」
返事が一つ多い?見ると止めたはずのロボットが再び動こうとしている。
「命令承諾。破壊シマス」
ロボットはもう1体のロボットに向かいビームを放った。
予想外の攻撃にかわせずビームをくらうロボット。ビームはロボットの頭を消し去った。
あんな威力のものを撃たれてたのかよ……。
「命令終了。待機モードニ入リマス。」
ま、まあ、なにはともあれ俺達は宝を手に入れた。